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80. 鶏遊び①
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駅のすぐ北側にある駐輪場に自転車を停めて、駅の切符売り場のすぐ近く、西田と約束している待ち合わせ場所に向かう。今日は久しぶりに橘先生のマンションに行く日なのだ。楽しみなような怖いような変な気分だ。何度目かの訪問だけど、まだ慣れない。
階段を上り、連絡通路を渡って少し行くと切符売り場だ。見ると切符売り場横の開けた空間の壁際に西田がいた。駆け寄って合流する。
切符を買ってホームに移動した。その間、西田の様子が少しおかしい気がして心配になった。表情がさえないし、歩き方もぎこちないような気がする。
「西田、ちょっと顔色が悪いみたいだけど、体調が悪いのか?」
「えっ、そんなことないけどな。」
「それならいいけど、具合悪かったらすぐ言えよ。」
「うん。」
やはり変だ。しかし本人が大丈夫と言うのでどうすることもできない。
しばらくすると電車が到着した。そんなに混んでいないので、席はいくらでも空いていた。乗降口付近の席に並んで座った。その時も西田は不自然にそろそろと座るので、俺は妙だと思いながら見ていると、あまり見るなと怒られてしまった。さっきは顔色が悪いような気がしたが、今は不思議と血色が良く見える。どうなっているのだろう。
話しかけても気のない返事ばかり返ってくるので、やがて黙った。時おり電車が大きく揺れると特に辛そうに見える。本当は具合が悪いのに、久しぶりの橘先生との約束だから無理をしているのかもしれない。
電車に揺られること約二十分、目的の駅に到着した。先生のマンションは駅のすぐ近くだからここまで来ればもうすぐだ。西田の歩くスピードがいつもよりほんの少し遅いみたいだ。俺は先に進みすぎないように歩調を合わせた。
無事、先生のお宅に到着すると居間に通された。先生の西田を見る目に何か含みを感じるのは俺の気のせいだろうか。西田はその視線に頬を赤らめてうつむいた。二人のかもす雰囲気は湿り気を帯びた熱を孕んで、まるで情事のようだ。目に毒だと思った。まだ何も始まっていないというのにどうしたことだろうか。俺は熱にのまれそうになりながらも、先生に訴えた。
「先生、ここに来る途中、西田が具合悪そうで心配なんです。」
「ふっ、心配には及ばないよ。」
俺は先生がどうしてそんなことを断言できるのかと少しの反感を覚えむっとした。先生はそんな俺の様子を気に留めるでもなく西田に話しかけた。
「なあ、西田君、そうだろう。」
「はい……。」
西田は弱々しく答えた。先生と話すときの西田は大抵は楽しそうなのに、今は全く元気がない。やっぱり具合が悪いのではないか。
「さあ、西田君、佐藤君に見せてやりなさい。」
「はい。」
西田はおもむろに立ち上がると、何故か服を脱ぎ、丁寧に畳んでソファに置いていく。俺は訳が分からず呆然と成り行きを眺めていた。見る間に全裸となった西田は恥ずかしそうにうつむいていた。こんな明るい部屋でまじまじと裸を見るのは気が咎めて、西田から先生へと視線を移した。先生は遊び心と支配欲が混ざった笑みを浮かべて西田の様子を観察している。俺は背筋がぞくっとした。
「西田君、そんな突っ立ったままじゃ佐藤君に見えないだろ。さあ、ちゃんと見せてやれ。」
先生は少しきつい口調で命令した。西田は俺のほうに向き直った。驚くことに、西田の股間のそれは既にゆるく反応を示していた。
「佐藤君、僕を見ててね。」
そう言って西田は俺に背を向けると、ゆっくりかがんで尻を見せつけた。その中央の肛門には黒い蓋のようなものがかぶさっている。すぐに西田が見せてくれたアナルプラグを思い出し、それは肛門に埋め込まれたプラグの取っ手だと認識した。つまり西田は自宅からあの大きな塊を自らの肛門に挿入してここまで来たことになる。
俺の知らない間に遊戯は始まっていたのだ。俺は西田の体が大丈夫なのだろうかと心配になるのと同時に、西田は先生の言いつけならばどんな危険なことでも従うのかと思うと、苦しくなった。しかし、二人して先生の手のひらの上で遊ばされる快さもある。性的な興奮による疼を覚え、それがどんどんと優位になっていく己の浅ましさに笑みが漏れた。
階段を上り、連絡通路を渡って少し行くと切符売り場だ。見ると切符売り場横の開けた空間の壁際に西田がいた。駆け寄って合流する。
切符を買ってホームに移動した。その間、西田の様子が少しおかしい気がして心配になった。表情がさえないし、歩き方もぎこちないような気がする。
「西田、ちょっと顔色が悪いみたいだけど、体調が悪いのか?」
「えっ、そんなことないけどな。」
「それならいいけど、具合悪かったらすぐ言えよ。」
「うん。」
やはり変だ。しかし本人が大丈夫と言うのでどうすることもできない。
しばらくすると電車が到着した。そんなに混んでいないので、席はいくらでも空いていた。乗降口付近の席に並んで座った。その時も西田は不自然にそろそろと座るので、俺は妙だと思いながら見ていると、あまり見るなと怒られてしまった。さっきは顔色が悪いような気がしたが、今は不思議と血色が良く見える。どうなっているのだろう。
話しかけても気のない返事ばかり返ってくるので、やがて黙った。時おり電車が大きく揺れると特に辛そうに見える。本当は具合が悪いのに、久しぶりの橘先生との約束だから無理をしているのかもしれない。
電車に揺られること約二十分、目的の駅に到着した。先生のマンションは駅のすぐ近くだからここまで来ればもうすぐだ。西田の歩くスピードがいつもよりほんの少し遅いみたいだ。俺は先に進みすぎないように歩調を合わせた。
無事、先生のお宅に到着すると居間に通された。先生の西田を見る目に何か含みを感じるのは俺の気のせいだろうか。西田はその視線に頬を赤らめてうつむいた。二人のかもす雰囲気は湿り気を帯びた熱を孕んで、まるで情事のようだ。目に毒だと思った。まだ何も始まっていないというのにどうしたことだろうか。俺は熱にのまれそうになりながらも、先生に訴えた。
「先生、ここに来る途中、西田が具合悪そうで心配なんです。」
「ふっ、心配には及ばないよ。」
俺は先生がどうしてそんなことを断言できるのかと少しの反感を覚えむっとした。先生はそんな俺の様子を気に留めるでもなく西田に話しかけた。
「なあ、西田君、そうだろう。」
「はい……。」
西田は弱々しく答えた。先生と話すときの西田は大抵は楽しそうなのに、今は全く元気がない。やっぱり具合が悪いのではないか。
「さあ、西田君、佐藤君に見せてやりなさい。」
「はい。」
西田はおもむろに立ち上がると、何故か服を脱ぎ、丁寧に畳んでソファに置いていく。俺は訳が分からず呆然と成り行きを眺めていた。見る間に全裸となった西田は恥ずかしそうにうつむいていた。こんな明るい部屋でまじまじと裸を見るのは気が咎めて、西田から先生へと視線を移した。先生は遊び心と支配欲が混ざった笑みを浮かべて西田の様子を観察している。俺は背筋がぞくっとした。
「西田君、そんな突っ立ったままじゃ佐藤君に見えないだろ。さあ、ちゃんと見せてやれ。」
先生は少しきつい口調で命令した。西田は俺のほうに向き直った。驚くことに、西田の股間のそれは既にゆるく反応を示していた。
「佐藤君、僕を見ててね。」
そう言って西田は俺に背を向けると、ゆっくりかがんで尻を見せつけた。その中央の肛門には黒い蓋のようなものがかぶさっている。すぐに西田が見せてくれたアナルプラグを思い出し、それは肛門に埋め込まれたプラグの取っ手だと認識した。つまり西田は自宅からあの大きな塊を自らの肛門に挿入してここまで来たことになる。
俺の知らない間に遊戯は始まっていたのだ。俺は西田の体が大丈夫なのだろうかと心配になるのと同時に、西田は先生の言いつけならばどんな危険なことでも従うのかと思うと、苦しくなった。しかし、二人して先生の手のひらの上で遊ばされる快さもある。性的な興奮による疼を覚え、それがどんどんと優位になっていく己の浅ましさに笑みが漏れた。
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