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1章

祝福

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 日も暮れてきたので、穴から立ち上っている炎があたりを照らしている。

 なんか、火デカすぎじゃね?火から少し離れている俺達ですら顔が熱くなってくる。

ギルマス達も急いでこっちに避難してきた。
「ギルマス火デカすぎじゃね?」
「あーまっ、ゾンビになって出て来るよりは良いだろ、油入れすぎたかな?」
 最後の方はブツブツ聞き取れなかったが平気らしい。

「今夜はこっちに泊まって朝街に帰るっでいいの?」
「何人かはこっちに残るがほとんどはそうだな」

3人に顔を向けて
「じゃあーみんな休憩所行こう、おなか減ったしね」
あーおでんに熱かん飲みてーこころあっためてー

まだ、レベルの事を引きずっていた……

休憩所に近づくとも飲んでる「外なのに平気なの?」
「デカい戦があった後だし魔物の気配も無いしな見張りの奴以外は良いだろ」苦笑いを浮かべながら
「最悪ヒデがいるしな」
「知らん、俺も今夜は飲む」

火の近くに座ると、火にかけている鍋から良い匂いがした、近くの人にこれも食えるのと聞くとよそって配ってくれた、買っておいたパンを子供達に渡して食べていると、カルナさんとマナさんが近づいて来た。

「ヒデさん戻ってこないから如何したのかと思ったら、貴方達の方がこっちに来てたんだね」
「うん、こっちに仕事があるからって呼ばれた」
「あ、こっち夕方前に着いた荷馬車に乗ってきたの?」
「うん、ここに着く前にヒデ兄を見つけたから途中で降りて走って行った」
「「うん」」

なんて話をシチューモドキを食べながら聞いていたら後ろから、
「おぉ回復師さんー、見てくれ右腕もうどこも痛くねし指も自由に動くぜ」えーと、ボイドさんだ
「ボイドさん治ったばかりですからあまり無茶しないでくださいね」
 一応言っておく、さっき診てみたら骨は完全に繋がっていたから平気だろうけど。

「わかってるよー、そんなことよりランテお前気を失ってたから覚えてないだろうがこの人がお前の火傷を治してくれたんだぞ」
「おぉー貴方が、本当にありがとう、ファイヤーボールを受けた後の事は正直よく覚えてないのだが・・必死に頑張って、頑張ってと声をかけられたのを朧気に覚えてるのだが、あれは貴方が?」
「あ、それは、目覚めた時にローブを着た女の回復師いたでしょ?その人だよ、MPが切れて倒れるまでヒールをかけてくれてたんだよ」
「な、なんと・・確かに目覚めた時に見たあの慈愛に満ちたあの方の笑顔あれは、女神エリル様のような・・・いや、それ以上だ。そうか、あの方が、アーどうしたんだ胸がドキがムネムネする、自分、少し急用が出来た失礼する」診療所の方に走って行った。

あれで、回復師さん復讐とか止めてくれれば良いんだけどねー

「あんなランテ見るの初めてだ、なんだ、ドキがムネムネって・・それより、回復師さん飲もうぜ」木製のコップを渡される「ヒデです、よろしくお願いします。ボイドさん」
「こちらこそだ」乾杯をしてから一気に煽る。
「おっいける口だねドンドンいこーぜー」
「はい、ジャンジャン行きます」



火のそばで目が覚めた「あsdfghjkl;ッ~~~~」痛い、痛い頭イてー
《プットアウト》
しばらくすると頭痛と吐き気が治まった、助かったー
周りを見渡すと後片付けや食事の用意など、みんなテキパキ働いている
「みんな結構飲んでたのに、やっぱり外だから気が張ってるのかね?二日酔い俺だけ?」呆れ顔のマナがいた
「は~~?何言ってるのよ、覚えてないの?あんた達明け方ごろまで飲んでたでしょ。あたしがおはよーって言いに行ったら、急に立ち上がって「イカンイカンゾーこのままではみんな二日酔いだー《プットアウト》《フレッシュ》《エリアヒール》《エ〇ナ》《ランヒール》………、ワハハハ」って叫んでクルクル笑いながら回ってたよ、でも見渡す限りが光り出して、まだ空が明けきってなかったから物凄く綺麗だったなー」
「笑いながら回ってるってなにそれーでも、何で俺に魔法かかってないんだ。後、全然覚えてねー」
「だろうね、そのまま倒れて寝ちゃったかね」

「よっヒデ、おはよー」
「ヒデーおはようさん」
「お、起きたかいヒデ」
「お、調子はどうだヒデ」

「あ?オ、オハヨー?」

なんかみんなが挨拶してくる?昨晩大騒ぎして何かしたか?

「昨日飲んでる時みんなにヒデですよろしくって酒ついで回ってたぜ。何というか凄く板についていたと言うか、慣れた感じで」起き出したボイドが教えてくれた。
接待営業かよまったく、やだやだ体にしみついてるのかねー

「「「ヒデ兄おはよー」」」

「おはよー」3人とも元気だねー
「ね、ね、朝の何だったんだろ?、こおーピカーッて光って小さなお星さまみたいなのがきらきらってなったの」
「すげー綺麗だったよ」
「みんなにも見せてあげたかったね」
「えーあんなに光ったんだもん街とかでも見えたかもよー」
「ハハハ、流石に街はどうだろうね?あれはね実は俺が-----
[おぉ、ちび共も見たのか、凄かったよなー見渡す限りの土地が光ってるんだぜ、人間業じゃないぜ絶対、ヒデは見逃しちまったのかい?」
被せてきやがった。「いや、あれは。---
「おっ、今朝の話かい、あたしも見たよー確か人間には無理かも知れないねー、もし出来るなら勇者様か聖女様位さ」
「女神様の祝福だなきっと」
「祝福だって、しかも女神様の?」
「確かに、あの光を見てたらこー爽快な気分になったよー」
「俺も、あの光浴びたら頭痛いのが治ってよ清々し気分になった」
「クソー俺寝てて見てねーんだよ、でも目覚めがすごく良かった気がするなー」
 
 君らそれ、二日酔いが治っただけだから

「いやー綺麗だったねー、きっと大司祭様が起こす女神様の奇跡ってやつより綺麗だったよ。見たこと無いけどね」

 無いんかいどんな判断基準だよ

頭の中でツッコミを入れていたら

 ギルマスが横に座ってきて、コッソリと話かけてきた
「ヒデ、朝のあれお前だろ、なんだアレ?」
「ギルマスは見たんだ俺が魔法かけたとこ」
「いや、辺りが光りだしたら何かおまえクルクル回ってたから」
「あー酔って何か魔法連発してかけてたみたい」
「魔法の連発ってあんなんなるのか、光り浴びた奴大丈夫なのか?」
「えっと本来は体を健康にする魔法だから」
「ふーんじゃ、変な魔法じゃないんだな、確かに体の調子がやたら良いんだよなー」
「あんまり驚かせないでくれ、ばれたら勇者様とか聖人様とかに祭り上げられるぞ」
「ちょっと待ってそれは勘弁だよ」
「だろー精々気をつけな」じゃあな、街で会おうっと言って離れていった。
ギルマス忙しそうだな

他の人達には絶対秘密だな、目立ちたく無いし。

 あらかた片づけも終わって、荷馬車に乗ろとした時声をかけられた。
振り返ってみると村長さんと村の子供達だった。

 「癒し手様、もう行ってしまわれるのですか」
「はい、街に戻ります」
「そうですか名残り惜しいですが仕方ありません、さ、お前たちもお別れの挨拶を」

 子供達が一斉に寄ってきた
「癒し手様ピカーって見た?」
「すごい光ったの村の方が」
「すっごいキレイだったよー」
村の子供達は少し興奮気味に朝の現象を我先にと報告してくれている

近かったから見えたのかアレ……

「あれはねー女神さまが村を祝福してくれたんだよ」
「えっそ、そうなの?」
「うん、父ちゃん達がそう言ってたもん、そうだよね村長さん」
「あぁ、そうだとも、あの神々しい光、女神様が魔物に襲われて大変な思いをした私達を元気づけてくれたのだよ、女神様がここで頑張れとおっしゃっているんだ、みんなもいっぱい手伝いをするんだぞ」
「「「「「「「はい」」」」」」」


「ウン、ソウダネ、ガンバレー……ジャーマチニカエリマスネ、サヨウナラ」

「さようならまた、いつかいらして下さいね癒し手様」

一斉にみんながこっちを見た純粋な瞳で……
「「「「「「「癒し手様さよならーー」」」」」」」」


一緒に乗っていたマナさんが笑い声をころして口を塞ぎながら床をゴロゴロと転がっていた


この村がこの後何年も豊作に恵まれ、女神の祝福を受けし村として女神信仰の巡礼地としてにぎわうのだが。
その話はまたいつか……
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