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1章

帰還

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 「マナ一体どうしたのよ?」床に転がっているマナさんを訝しげに睨みながら聞いた

「ちょ、ちょ……っと……ま、ま……ブフゥ……待てて」
「ヒデさんマナどうしたんですか、ヒデさんなら知ってますよね、私に内緒ですか?」
カルナがちょっと涙目になりながら迫ってくる。

「お、落ちついて、んー何というか、えっと今朝の光りは見た?」
「はい、凄く綺麗で何だかホッとするような感じがしました」
「うん、あれね俺がやったの。いや、やったらしいが正解かな?」
「……はっ?女神様の祝福を?」
「いやいや、アレただの回復魔法だから」
「え、だって、いや……そうなんですか?」
「そう、それをまじかで見ていたのがマナさんなの、ちなみにこれ知ってるのマナさんとギルマスだけ、みんなに説明しようとしたら、やれ女神の祝福だー、勇者だ、聖女だとか、言われて黙ってた。」
「あーそれは、賢明ですね絶対権力者の手駒にされちゃいますよ」
「あーやだやだ、俺は街の回復師さんくらいでいいの」

 マナさんが復活して
「あーおかしかった、村の子供達に囲まれた時のヒデさんの顔ったらブフッ・・やだ・・また・くくくっ」
もーほっとこう、この子は

「ヒデ兄は神様なの?」いやいや、落ちつこうかゲン君
「なんでそんな話になる?」
「だって朝の光りって、ヒデ兄がやったんだろ?」
「そうだけど、あれ女神様の祝福とかじゃなくていつもの回復魔法だよ」
「そうなの?」
「あと、これ他の人に話したら俺この街出ていかないといけなくなるから内緒な」
「え、ヒデ兄居なくなちゃうの?ヤダー」
「うん、だから内緒ね?」
「「「うん、わかった」」」


「そうだ、カルナさん、昨日の戦いでレベル上がった?」
「レベル、うんたぶん上がったと思う、魔道具がないとわかんないけど」
「えっと、モノクル君でしたっけ?」
「そうそう、魔道具なんて高くて手が出ないもん」
再度復活したマナさんが話に加わってきた。

「じゃーレベル知りたいときどうするの?」
「いや、レベル知らなきゃいけないような事態って冒険者ランク上げる時ぐらいだしその時見てもらうくらいかな?」
「ふーん」
あれば便利だけど無くても平気位なのか魔道具って?まあ、安ければ広まるんだろうな。

「昨日はなんか調子良かったのよねー、倒せば倒すほど力が湧いてくるって感じで」
「そうそう、弱っていたけどオーク2人で倒す事が出来ましたし」
「え、そうなの?オークってあのでっかくて黄色い奴らだよね?」
鍛えぬいてるボイドさんも一撃で吹っ飛んだって聞いたよ。

「うん、ちょっと今考えると無謀な事かなと思いますけど」
「だねーあの時は絶対イケルとか思ってたからね」
 急にレベルが上がるのも気を付けないと危険だなー。

「レベル上がって早く動けたり、力が強くなっても油断したらこないだみたいになちゃいますよ」
「わかってます、今後は気を付けます」

「はい、お願いします。死にさえしなければ必ず治しますからね、絶対俺の所に戻ってきてくださいね」
 顔を真っ赤にしたカルナがハイと小さい声で答えた

「いやー中々攻撃力のある言葉ですなー」ニヤニヤしたマナがこっちを見ている。
 ん?どういう意味だ?……
「あっ、えっとそこまで重い意味ではなくてですね、あ、あの」
「え、は、はいわ、わかってますから、うん」

「私、ソロになちゃうのかしらねー」
「マナー」
「はははー」


「ヒデ兄、酔い取ってー」ハルナが青い顔をしながら寄ってきた。
「はいはい、酔い止めー」ほんのり光り出し顔色が戻っていく
「ヒデ兄ありがと」
「他の人はみんな平気?」周りを見渡したがみんな平気そうだ、現場に向かう時みたいに飛ばしてないからかな?俺も平気だし。


黙って座っていたらいつの間にか寝ていた、昨日ほとんどねてないしね・・・


「「「ヒデ兄」」」
「う、うんあ、おはよー」
「おはようじゃないよ着いたよ街」
「え、もう?」
周りを見まわすとすっかり夕方になっていた。

門の前で荷馬車から降りて、御者の人にお礼を言って門をくぐった

「おぉ、ヒデ様お帰りなさい、皆さんも無事で何よりです」
「オファンさん、ただいま戻りました」
「向こうでは大活躍だったとか」
「え?俺ですか?いやいや大した事してないですよ?」
「死にそうな冒険者を死の淵から救い、疲れ倒れたものに力を分け与え、攻撃の隙間を与えず、波状攻撃でオーク100体を倒したって」

「チョー、いやいや、何そのツッコミどこ満載の話」
「ははは、さすがにオーク100体はないですよね?」
「いやそこそうだけど、俺がやったの冒険者救ったとこだけだよ」
「え?そうなんですか?今回の功労者は間違いなく貴方だとギルマスから手紙が来てますけど」
「そんなわけあるはずないじゃないですか、分かっててからかってるでしょオファンさん」
「ははは、私はね嬉しいんですよ、死者も怪我人すらいないこの状況が、ありがとうございます」
「みんなが頑張ってくれた結果です。俺一人では出来ませんでしたよ」
「相変わらず謙虚ですね、冒険者たるもの自分のやったことを誇らねば、だがそれが貴方なのですね。では、私は勝手に貴方を尊敬させて頂きますよ」

「サブギルマス、今回の報酬っていつ貰えるの?」
 ゲンがオファンさんに向かって話しかけた

「お、ゲン君もお疲れ様、報酬の支払いは明後日以降になると思いますよ。」
「はーい、後、魔石の買取まだやってるかな?」
「今ならまだやってると思いますが」
「わかった、ありがと」
「ヒデ兄もギルド行く?」
「あー行く、一緒にいこ、じゃーオファンさんまた後で」
「はい、お疲れ様でした。」
 行くときと一緒で6人でギルドに向かう
「あ、あたしらこのまま宿行くね、今日は移動だけなのに疲れた」
「また、明日」
「はい、さよならー」
二人はギルドを通り過ぎ真っすぐ歩いて行った、
 ギルドの前に立つ、なんか懐かしく感じる、ここが今の戻る場所って事かな?

「「「ま、ま、魔石まーまー魔石~~♪」」」
「何その歌、あるのそんな歌?」
「さっき作った」
「「ゲンがずーーっとくり返し歌ってたからうつった」」

 ギルドの入ると、結構な数の冒険者がいた、

「ヒデー心配したぜお前が戦場に行ったとか聞いて」
「アードル、ミーシャ、イール、ご心配かけました。怪我一つせず帰ってきたよ」
「ハハハ、聞いたぞ大活躍だったそうじゃないか」
「またーデマだよそんなの」
「ハハハ、そうなのか?こっちで飲んでるから後で話し聞かせてくれよ」
「はい、後で行くね~」

「おぉー、ヒデ無事だったか。」
「ザルドさん、ザルドさんこそ足の調子はどうですか?」
「おう、絶好調だぜ、痛くもなんともねよ、ガハハハッ」
「そうですか、良かった」
「ってそうじゃねよ、これ足のお礼だ」と小さな袋を渡された。
 開けてみると見たことのないお金が入っていた。……え?こっれて金貨?

「え、ザルドさんこれって金貨?こんなに貰えませんよ。診療所で銀貨1枚って決まってますから」
「それは、俺が治してもらった後に決まったことだろ?」
「そうですがー」
「ガハハハッ、気にするな、それは、今回のクエストに行った帰りにオークを2匹ほど倒した素材の代金だ。怪我さえ治っちまえば何時でも稼げるガハハハッ」
「うー、じゃー今回だけ貰います。次からは指定の通りでお願いしますね」
「わかったわかった」

「ヒデ兄」
「お、もう魔石の買取終わったのか?」
「うん、ヒデ兄に連れて行ってもらったおかげで、すごい稼げたよ、ありがと」
「それは、違うぞそいつはお前たち3人が働いたから貰えたお金だ、それに、お前達がギルマスに食いついてなきゃ俺も動いてなかったしな、それよりこっちこそ2日間ありがとな」
「変なのお礼言いたいのはこっちなのに、ヒデ兄が言うの?」
「ははは、お互い様ってやつだよ」
「ふーん?」

「それより、明日頼みたい仕事があるんだけどギルド来たら診療所に寄ってもらえるか?」
「「「うん、わかった」」」
「お、頼むな、じゃーお疲れ様でした」
「なにそれ?」
「大人の挨拶だよ、別れる時のな」
「ホントー?おつかれさまー」
「おう、お疲れ様だ」
「また明日ねヒデ兄、飲みすぎちゃだめだよ」
「ぐっ、わかってるよ、じゃーな」

3人が人の隙間を縫って見えなくなるまで見送る
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