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1章

令嬢

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 朝日を浴びながら素敵な目覚めをした。

 ああ~、昨日の嫌な事が全て浄化されていくようだ。

「さて、起きるかな」
ワザと声に出して気合を入れて起きる。身支度をしてから診療所のドアを開けるとそこに。

「え、何々、バイオハ〇ード?バズーカは?せめて、拳銃くらいは、ナイフのみで、クリアとか鬼畜プレイやだよ」

「う、うう、ヒデ……い、いつもの」
「わかってたよ、それにしても何なのこの数通路にも倒れてる。あ、昨日の女の子無料のか?でも何で男共も?」

「ヒデちゃん、治すならこっちの女の子たち先にしてあげて」
「ママさん何この惨状。後聞きたくないけど昨日のつけどうなった?」

「昨日のね大丈夫よ、マナちゃんが、奢ってもらったって騒いでたらね男共の数人が俺はこの樽事奢るぜっとか言いだしてね、後はその繰り返しよ。だからヒデちゃんは初めのマナちゃん達の分だけでいいわよ」

「危なくママさんに抱きつくとこだったよ」
「まあ、いいのよ、いつでもこの大きな胸に飛び込んできても」
「いや、胸じゃなくて、大胸筋だよねそれ?そんな固いのは嫌です」
「ウフフ、ま、いいわ早くこの子達お願いね」
「はいはい」酒場全体に
 《プットアウト》広範囲版

「頭痛いのは治ったけどこれから仕事よどうしよ。あ、そうだ昨日の魔法があったわ」
 《洗浄》
「あ~、サッパリする~、臭いも取れて最高ね」
あちらこちらで洗浄の魔法を使っている。マナさん達しっかり頼んだことやってくれてたのか。
「はいはい、シャキッとした人から診療所の魔法球に登録して行ってね~」

後は、診療所周辺のゾンビ共だな。診療所に向かう途中でいつもの四人組が現れた。

「「「「ヒデ兄(師匠)おはよう」」」」

「おはよう、いつも元気でいいな」
「何これ、昨日より増えてるじゃん」
「うわ、酒臭い」
「も~この辺洗浄だ~」
「洗浄するの~」

「そうだ、ミラ、プットアウト覚えてみない?」
「え、覚える。ヒデ兄師匠教えてください。」
「よ~し、練習用の人体はここにいっぱいいるからね」
「ちょ、ヒデ酷くない?」
「え、考えてみろよ、エルフ娘にあのサッパリする魔法かけて貰えるんだぜ?嫌なら俺がするけど?」
「……エルフ娘でお願いします。」
「俺も」「俺も」「僕も」……

「正直だね、君たち」

「さて、いいかい我が、弟子よまず人間の身体の中には血液あの赤い奴ね、血が流れています。この胸の辺りに心臓、まここら辺の事は後で詳しく教えるね。で、こう~身体の隅々まで血管があってそこに血が流れてるんだよ、その血に今の場合アルコールの成分が血液に混じちゃってるから、それを、抜き取る感じで呪文を唱えるんだよ。後ここからが本番で頭が痛いのや気持ち悪くなるのはアルコールが体に入ると他の物に分解されるんだ。分解されるとアセトアルデヒドになるんだ本来はこれも分解されるんだけど、分解しきれないとこのように二日酔いになるんだ」
「ん?ん?」
「ハハハ、ちょっと長かったかな?う~ん、この人の中にバイ〇ンマンが入り込んでるから、この人を助けたい身体を浄化させたいと思って、呪文を唱えてごらん」
「うん、わかった」
「う~ん、う~ん、プットアウト」
 男の身体にきらきらした物が降りかかる

「おお、治ってる、ヒデこれヤバいぞ」
「なにが、なんか違和感ある?」

「いや、ききめは完璧だが、ヒデに治してもらってもお前の事が女神様に見えるのに、このビジュアルで治してもらったら、明日から二日酔い者が山のように出来るぞ?」

「……知らんがな、今と変わらんだろが。いくら言っても酒の量減らないし。しかし、さすがは一番弟子じゃ~天才じゃ~うちの子天才じゃ~~」
高い高いをする。お決まりだししょうがないよね、うん。

ゲン達がちょっとうらやましそうにしてるので、ゲンを上に放り投げたら一回転して着地してました。
トランとハルナも出来ました。

「ミラ、残りの人達もプットアウトかけちゃって、ゲン達ついててやってな、襲い掛かってきたら倒しちゃっていいから、生きてれば治せるからとどめさえ刺さなきゃいいよ」
「「「「は~い」」」」

 酒場に行ってブラックイールが残ってるか聞くと、子供達の為に取っておいてくれたそうだ。
 連れて来るので焼いといてと頼んでおく。

 診療所の前に戻ると大方終わっていた。
「おお、早いな、ミラ」
「うん、なんか、わかって来た」
「さすが、一番弟子だ」

「ホーホホホ、そこの貴方、モヒカンで大男の回復師さん知りません?」
「モヒカンで大男?ママさんの事かな?ママさんなら酒場にいるよ?」
「あら、そうですの?失礼しましたわ、では、ごきげんよう」
 スゲ~、金髪縦ロール初めて見た。朝とか大変そうだな。

「俺達も酒場行こ、朝飯頼んで来たから、後やっとくよ」
「ちょ、ちょっと待て、ヒデ、せっかく待ってたのに」
「うっさいうっさい」
 《プットアウト》広範囲版

「あ、あ~、治ちゃったよ」
「くそ~覚えてろ、また二日酔いになってやるからな」
「俺もだ」
「ヒデのバーカバーカ」

「変な捨て台詞言ってないでクエスト行ってこい、死なずに戻って来いよ、怪我なら治すからな」

 酒場に着くとさっきの縦ロールが詰め寄って来た。
「貴方がヒデさんなのではなくて?」
「はい、私がヒデですが?」
「そう、では、改めまして、ホーホホホ、私、冒険者をしているキャロラインと申します。以後お見知りおきを」
 あの高笑いセットなんだ

 
「え、キャロラインさん?冒険者なの?貴族じゃないの?」
「ええ、私は没落貴族ですので、元貴族ですわ」
「え、そうだったんですか、なんかすいません」
「いえ、謝る必要はありませんわ、もう四年も前の話しですし」

「それで、キャロラインさん、俺に何か用事なんですか?」
「そうでしたわ、私、貴方に勝負を申し込みにきましたの」

「は?勝負ですか?いや、いくら何でも女性の方と勝負は……なあ」

 子供達の方を向いて助けを求める。

「そうだよ、いくらなんでも、ヒデ兄が可哀想だよ」
「勝負にならないよ」
「瞬殺されちゃうよ」
「う~ん、よくわかんない」

「いやいや、いくら何でも流石にそれは、無いだろう?」
「え、見てわかんない?このおねえさん、俺達三人でかかって何とかいい勝負出来るくらいだよ?」

「あらあら、見かけによらず三人ともお強いのですね?私もそんな勝敗の見えている勝負でなくて、ヒール勝負ですわ」

「ヒール勝負ってどうやるんです?」
「え?えーっと、どっちがおおく怪我人を治すかとか?」
「いや、そんなに怪我人いないですよね?」
「…………」

 ママさんがデッカイトレイに全員分の朝ごはんをのっけて持って来た。
「あらあら、取りあえず朝ごはんにしちゃいましょ?キャロラインちゃんもたべるでしょ?」
「まあ、いい匂いですわね、お魚かしら?」
「ウフフ、ブラックイールなのよ、さばき方にコツがあるの」
「まあ、どこかで見たことがあるわ、たしか、さばくのに特殊な器具が必要でやり方も秘匿とされていたけど…‥」
「まあ、そうなの?くわしいのね、冷める前に食べてみて」
「まあ、美味しいですわ、生臭さが消えて、何かしら爽やかな後味が」
「ウフフ、仕上げにねちょっとだけ薬味をかけたのよ」

「ママさん、美味しくなってるよ、さすがだね」
「美味しいいくらでも食べられちゃいそうだよ」
「「「「本当だ美味しい」」」」

 ミラがおずおずと話しかける
「あのね、キャロラインさんはお姫様だったの?」
「こう見えましても公爵令嬢でしたのよ」
「何で、冒険者をやってるの?」

「ミラ、お話したくない事もあるんだから聞いてはいけないよ」
「え、そうなの?ごめんなさいキャロラインさん」

「ホホホ、別に気にして無いですわ、そもそもの原因は、お父様の横領の罪でお家の取り潰しになりましたけど、私も同じくらいに学園で糾弾されて追放されましたし」

「え~と、もしかしたら、もしかしたらですよ、キャロラインさんは、公爵令嬢で、第二王子の婚約者で、男爵令嬢にその立場を奪われたのでしょうか?」
「まあ、貴方その場にいらしたのかしら?」
「乙女ゲームか~~」

「わ、ビックリした、またヒデ兄がわけわからない事言い出した」
「何ですの乙女ゲームとは?」
「いえ、こちらの事です気にしないでください。それは、悔しい思いをしたのではないですか?」

「ホホホ、悔しくないと言えばウソになってしまいますけど、学園っといってもそこは小さな政治の場ですわ、そこで、罠にかかった方が負けですの。そして敗者は去るのみですわ、悔しければ残り再起をするチャンスを待つのでしょうが、あまりにも見事な手腕に私感服してしまったのですわ」

「それはまた、何と言うかそんなに見事だったのですか?」

「そうですわね、お父様の横領の証拠を私の弟に集めさせ告発させてお家を潰させて弟は母方の家に入り込んで事無きを得るなど、もちろんそれも、男爵令嬢の入れ知恵らしいですけど、とにかく、先に起こる事がわかっているかの如く振舞でしたわ」

 乙女ゲームの転移のお決まりか?わからんがあんまり関わるのやだな。

「キャロラインさん復讐とかはしないの?ざまぁとか?」
「ざまぁ?は何の事かわかりませんが、復讐なんてつまらない事に時間はさけませんわね、今はヒーラーを極める為に旅をしてますの」

「おお、潔いですね」
「お家の家訓でもありますのよ」
「家訓?」
「はい、”わが人生に一片の悔いも残さず”ですわ」

 どこの、覇王だよ~~~

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