恋を諦めた私の前に突然痛いイケメン王子様が現れましたっ！！

出会い

４

「何でも頼んでください」
「はぁ…」

私はバナナチョコパフェを注文し、彼はホットコーヒーを頼んだ。

「えっと……今日の事は、あのぉ……お袋たちには……」
「無理ですよ。私が何も言わなくてもバレますよ」
「……ですよねぇ……」

困った顔をしながら頭を掻く彼。
私は目を細めながらスプーンにパフェを掬って口に入れた。

すると何処からか携帯の着信音が鳴り出した。
目の前に座る彼が慌てて上着の内ポケットに手を入れ携帯電話取り出した。

「もしもし……うん……ホントだよ…うん……うん……ええっ！！　それは……うん……」

何やら気まずそうな表情で店の外に出ていく彼を見ながらスプーンを口に運ぶ私。
何かあったのかな……そらぁバレるに決まってるでしょうに。
オーナーさんには私が彼氏いないってこと知ってるんだし。
ああ、何だか疲れちゃったな……早く帰りたい……。

数分くらい外で電話をしてから店に戻って来た彼は暗い表情だった。
やっぱりオーナーにバレて怒られたんだな、私はそう思った。

「三橋さん……付き合ってくれませんか？　僕と……」

戻って来るなり席に着いた彼がいきなり私にそう言いだしたのだ。
私は目を丸くして彼を凝視してしまった。
何を言ってるんだ、この人は……？

「あれ……三橋さん…？　聞いてます？」
「何言ってるの？」
「あ、だから……付き合って、と……ダメ……ですか？」

だぁぁぁぁあああ！！！
今付き合ってって私に言ったの！？
何だこの展開っ！

「あの……付き合うって？　男女交際の事……？」
「そうです……イイですか？」
「いいですかって……私貴方の事何も知らないですし……」
「いや、それでいいんです。お願いします。助けてください」

そう言って彼が頭を下げた。
どういうこと？
私、どうしたらいいのよ……。