恋を諦めた私の前に突然痛いイケメン王子様が現れましたっ!!

杏仁豆腐

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同棲生活

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「ただ今帰りました」
「お帰りなさい」

彼が玄関越しから声がしたので台所で洗い物をしていた私は手を止めて玄関口へ向かった。
若干疲れ気味の表情であからさまな作り笑顔で私を見つめていた。

「ご飯は食べましたか?」
「はい……コンビニのお弁当を……」
「そうですか。お料理出来ませんもんねぇ…」
「……すみませんでした」

いえいえ、と彼は手を振りながら自室へ行ってしまった。
何だかコケにされた気分だわ。
料理が出来ない女子だっているんだから……。
そもそも私が嫌だったらさっさと親に、嘘でした、って言えばいいじゃない。

何ともいえなもどかしさと私のいつもの腹黒さが見え隠れしている
部屋に戻ってBL本読もうかな。
あ、お風呂沸かすの忘れてた。

私は風呂場に向かって浴槽に栓をしてからお湯張りのスイッチを押して部屋に戻ろうとすると、彼が上下スエット姿でリビングでビールを飲んでいた。

「今お風呂沸かしましたので……」
「そうですか、有難う御座います。あの、三橋さん、お話があります」
「はぁ……?」

彼にそう言われて私は向かいの椅子に腰かけた。
手にしていたグラスを彼がゆっく置くと口をゆっくり開けた。


「あの、三橋さん。僕思ったんですが、お互いの事を何も知らないって言うのもおかしいのではと思っているんです。なので軽く自己紹介をしませんか?」
「え……? それって私たちのこの複雑な関係に何の効果があるって言うんですか?」
「あ、いえ、昨日の料理のことだってありますし。それに一応二人で暮らすとなると色々情報があった方がお互いいいのではと思ったのですが…」


彼はそう言って私の答えを待った。
そういえば彼の年とかプライベートの事は全く知らない。
よくもまぁ、これほど何もしならない男性と強制的とはいえ一緒に暮らしているなんて、私もとんだおバカだよねぇ。


「分かりました。いいですよ? 何からお話します?」
「えっと……まずは、お互いの基本情報を……」


私たちは互いの年齢や出身地、好きな事、嫌いな事、様々な情報交換をした。
驚いたのは彼の年齢だった。
私より一つ年下だったということだった。


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