恋を諦めた私の前に突然痛いイケメン王子様が現れましたっ!!

杏仁豆腐

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同棲生活

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リビングに通された私たちは彼の父、オーナーが待つソファーに座らされた。
彼は私の隣に座り、向かいに彼の両親が座っている。
何だか二人とも笑顔でこっちを見ている。
その表情が心に凄く突き刺さる思いだ。



「涼太、それに三橋さん。同棲生活は順調かね」
「問題ない」
「…大丈夫です」
「そうか、そうか。それは良かった。今日二人を呼んだのは他でもない。披露宴についての話なんだが」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ、親父っ。まだそんなの早いだろう。俺たちはまだ同棲してから一か月ちょっとしか過ごしてないんだぞ。まだ早いだろっ」


彼が大きな声を出して目の前に居るオーナーに噛みついた。
私も身構えてしまった。
既にそこまで話が進んでいるなんて……どうしようぉぉ。
私このまま流され続けていいのかしら。
まずい、絶対まずいよぉっ!!
何とかしないと本当に彼と結婚させられることに……あ、でもそれはそれでいい生活が出来……ってちがーーう!! 
何考えてんのよ、私っ!


「涼太、もう既に親戚には連絡済みだ。後は三橋さんのご両親とコンタクトを取ってだな、話を進めるだけなんだ。何故そんなに嫌がる?」
「そ、それは……もうちょっと待ってくれって言ってるだけだろ……」
「涼太……嫌なの? この縁談?」
「そ、それは……」


彼の母親に突っ込まれ視線を私に向ける彼。
助け船でも出してほしいっての?
そんなの無理に決まってるでしょっ。
何を助ければいいのよ。
私に出来ることは限られてるのよ?
ただ黙って耐えるだけしか出来ないんだから。
余計な事を言わないように……ね……。

「涼太!? どうなんだ?」
「あの……それは……ちょっと……あ、そうだっ! まだ仕事が立て込んでるんだ。だからまだ時期じゃないってことだよ」
「そんなに仕事が大事か? 会社、うまくいってないのか? 金銭的な問題なんだったら銀行紹介してやってもいいし、私たちが手伝うことだってできるんだぞ」
「そうじゃないって!! そういう事じゃないんだ、親父」
「三橋さん……? 貴女はこの縁談、どう思っていらっしゃるの?」

きたぁぁぁぁあああ!!
私に話を振られたぁぁぁあああ!!
なんて答えればいいの、何が正解なの、どうしたらいいの、私っ!!
このままだと、そんなことないです、って言うしかないじゃん。
マジで、マジなの、これってマジで結婚しちゃうってことなの!?
フラグたっちゃってるしぃぃいい!!
まずいわ、まずい……どうしたらいいのよ……涼太さん、何とかしてっ!!
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