31 / 100
平穏と実家とエトセトラ
31
しおりを挟む
初デートの夜、彼が遅くに帰って来た。
自室に居た私はリビングへ向かうと彼が疲れた表情でソファーに座っていた。
私は何も言わずに部屋に戻ろうとした時彼に声を掛けれた。
「茜さん。今日はすみませんでした」
私は振り返って彼の所に行くと隣に座った。
「大丈夫です。問題ないですよ。それより、トラブルって大丈夫だったのですか?」
「あ~、はい。何とかなりました。システムダウンしてしまったのです。エンジニアが居ないとのことで僕が呼ばれたんです。社長って言っても僕も一スタッフに過ぎませんからね」
「大変なのですね。お疲れ……」
私はそう彼に言おうとした時彼が私を抱きしめた。
彼の体が少し震えていた。
私は何が起こっているのか分からず硬直してしまった。
「いきなりすみません。なんだか疲れてしまって」
「いえ。大丈夫です。ちょっとびっくりしたんですけど」
「こうしてると、落ち着きます。茜さん、暖かいです」
「ははは、そう、ですか。よかったです」
私は湯たんぽじゃないぞ。
だけど、男に落ち着くって言われるのも結構萌えるわね……ふふふ。
暫く抱きしめられた私。
彼は落ち着きを取り戻して自室へと戻って行った。
それから数日が過ぎた。
付き合い始めてからの同棲生活。
でも今までと何ら変わらない毎日。
でも変わったと言えば毎日朝と夜自宅で一緒に私が作るご飯を食べることと、彼の下着を洗濯することになれたことくらいだ。
私は相変わらず専業主婦のような生活をしている。
オーナーのコンビニバイト生活を辞めて既に2か月ほど過ぎただろうか。
平日は彼が仕事なので私は家で過ごすことが多くなっていた。
夕方になると彼に貰ったお金で近くのスーパーへ行って買い出しに出掛ける。
夜7時ごろになると彼が帰ってくる時間に合わせて夕飯の支度。
平和な毎日。
彼は私に主婦になってほしくはないので疲れたり嫌になったら家事は業者に任せてもいいとも言ってくれていた。
けど、それって私何もしないプー太郎になってもいいって言う事じゃん?
それだけは絶対に嫌なのよ。
じっとしてたらぶくぶく太っちゃうし、怠け者になっちゃうし、それに耽ると思うのよねぇ。
だから敢えて家事を進んでするの。
お料理だって彼と同棲生活を始めてからかなり上達したんだから。
毎日私の作る料理を、美味しい、と言って喜んで食べてくれる彼が好きになってきたんだしね。
今私はすっごく充実してる。
彼がいない時は部屋で閉じこもってネットでBL本を漁って萌えを補充。
実はこっそり通販で同人誌を買っているんだぁ……あ、勿論私の貯金を使ってだけどね。
これだけは彼氏が出来たからって止められない。
彼にもいずれは言わないといけないのかな……私が妄想腐女子だってこと……。
それを知った彼はどう思うんだろう。
別れるって言うかなぁ。
それとも理解してくれるとか?
ああ、あり得ない……それだけ絶対無いわぁ~。
だからこれは絶対見つかったらダメな事。
一生封・印っ!!
自室に居た私はリビングへ向かうと彼が疲れた表情でソファーに座っていた。
私は何も言わずに部屋に戻ろうとした時彼に声を掛けれた。
「茜さん。今日はすみませんでした」
私は振り返って彼の所に行くと隣に座った。
「大丈夫です。問題ないですよ。それより、トラブルって大丈夫だったのですか?」
「あ~、はい。何とかなりました。システムダウンしてしまったのです。エンジニアが居ないとのことで僕が呼ばれたんです。社長って言っても僕も一スタッフに過ぎませんからね」
「大変なのですね。お疲れ……」
私はそう彼に言おうとした時彼が私を抱きしめた。
彼の体が少し震えていた。
私は何が起こっているのか分からず硬直してしまった。
「いきなりすみません。なんだか疲れてしまって」
「いえ。大丈夫です。ちょっとびっくりしたんですけど」
「こうしてると、落ち着きます。茜さん、暖かいです」
「ははは、そう、ですか。よかったです」
私は湯たんぽじゃないぞ。
だけど、男に落ち着くって言われるのも結構萌えるわね……ふふふ。
暫く抱きしめられた私。
彼は落ち着きを取り戻して自室へと戻って行った。
それから数日が過ぎた。
付き合い始めてからの同棲生活。
でも今までと何ら変わらない毎日。
でも変わったと言えば毎日朝と夜自宅で一緒に私が作るご飯を食べることと、彼の下着を洗濯することになれたことくらいだ。
私は相変わらず専業主婦のような生活をしている。
オーナーのコンビニバイト生活を辞めて既に2か月ほど過ぎただろうか。
平日は彼が仕事なので私は家で過ごすことが多くなっていた。
夕方になると彼に貰ったお金で近くのスーパーへ行って買い出しに出掛ける。
夜7時ごろになると彼が帰ってくる時間に合わせて夕飯の支度。
平和な毎日。
彼は私に主婦になってほしくはないので疲れたり嫌になったら家事は業者に任せてもいいとも言ってくれていた。
けど、それって私何もしないプー太郎になってもいいって言う事じゃん?
それだけは絶対に嫌なのよ。
じっとしてたらぶくぶく太っちゃうし、怠け者になっちゃうし、それに耽ると思うのよねぇ。
だから敢えて家事を進んでするの。
お料理だって彼と同棲生活を始めてからかなり上達したんだから。
毎日私の作る料理を、美味しい、と言って喜んで食べてくれる彼が好きになってきたんだしね。
今私はすっごく充実してる。
彼がいない時は部屋で閉じこもってネットでBL本を漁って萌えを補充。
実はこっそり通販で同人誌を買っているんだぁ……あ、勿論私の貯金を使ってだけどね。
これだけは彼氏が出来たからって止められない。
彼にもいずれは言わないといけないのかな……私が妄想腐女子だってこと……。
それを知った彼はどう思うんだろう。
別れるって言うかなぁ。
それとも理解してくれるとか?
ああ、あり得ない……それだけ絶対無いわぁ~。
だからこれは絶対見つかったらダメな事。
一生封・印っ!!
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
君を探す物語~転生したお姫様は王子様に気づかない
あきた
恋愛
昔からずっと探していた王子と姫のロマンス物語。
タイトルが思い出せずにどの本だったのかを毎日探し続ける朔(さく)。
図書委員を押し付けられた朔(さく)は同じく図書委員で学校一のモテ男、橘(たちばな)と過ごすことになる。
実は朔の探していた『お話』は、朔の前世で、現世に転生していたのだった。
同じく転生したのに、朔に全く気付いて貰えない、元王子の橘は困惑する。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです
珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。
その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。
それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる