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平穏と実家とエトセトラ
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実家に着いたのは3時間後の事だった。
本当に来てしまった。
彼を連れて。
ああ、もうすぐバスが私の実家前に止まってしまう。
このまま時間が止まればいいのに。
何だか本当にどうしようもうないくらい頭が痛くなってきた。
「う、うぅ……」
「大丈夫ですか。茜さん」
「ちょ、ちょっと、頭が、痛い、です。涼太さん」
「それは大変です。バスが止まったら少し休みましょう」
「ええ、そうします」
バスが止まり私たちは下車した後ベンチに腰掛けた。
名古屋と違いなんだか空気が美味しいように感じた。
福岡って言ってもど田舎で田んぼばっかりの町に実家はある。
「結構田舎なんですね。茜さんのご実家」
「ええ、そうなんです。ど田舎なんですよ」
「でも、こういうところ僕は好きですけどねぇ」
「そうなのですか。涼太さんのご実家は都会にありますものねぇ~」
「そうですね。だから余計にこういう場所に来ると羨ましく思います」
「へー、そうなんですか」
「はい。そうなんです」
暫く休憩した後気持ちに整理を付けた私は実家に向かった。
さっさと親にあって、この人を紹介して、さっさと福岡駅に帰ろう。
それだけを考えながら歩いていた。
「ここです」
「ほう、結構立派なお家じゃないですか」
「中身はボロボロですけどね」
「はは、なるほどです」
納得すな……人ん家だぞ、ば、ばかっ!
玄関の扉を開けて、ただいま、と声を発すると奥から母親がやって来た。
白いエプロンを付け微笑みながら私と彼を出迎えてくれた。
「お帰り、茜。そちらの方が彼氏さん?」
「ああ、うん。清水涼太さん。えっと、私の母です」
「清水涼太です。茜さんとお付き合いさせて頂いております。今日は突然すみません」
「いえいえ~。茜に彼氏が出来るなんてねぇ~。ささ、上がって下さいな」
「有難う御座います」
彼はそう言って靴を脱いで踵を揃えると母の後ろを歩いて行ってしまった。
ちょっと、私を置いて行くなっ。
「清水さん、今日はどこかにお泊りなのですか?」
「はい、駅前にホテルを予約していますので」
「あら、そうなの。折角だから泊まって行けばいいのに」
「いえ、あ、茜さんも同じホテルに泊まる予定です」
「ええ!! 茜もですか!?」
「はい。ですよね、茜さん」
「そうです。涼太さん」
「茜、どうして!? 今日はここで泊まるって言ってたのに」
「お母さん、事情が変わったの。ごめんだけど」
「へぇ~、そう。そういう事なら、仕方ないわ、ねぇ~」
何だその目を細めていやらしそうな顔はっ!
そんな変なことするんじゃないやいっ!
ていうか、こいつ童貞なんだぞ!?
そういうことする気が無いやつなんだよ、残念でしたぁ~。
はぁ……早くホテルいこーよぉ~、涼太さぁ~ん。
本当に来てしまった。
彼を連れて。
ああ、もうすぐバスが私の実家前に止まってしまう。
このまま時間が止まればいいのに。
何だか本当にどうしようもうないくらい頭が痛くなってきた。
「う、うぅ……」
「大丈夫ですか。茜さん」
「ちょ、ちょっと、頭が、痛い、です。涼太さん」
「それは大変です。バスが止まったら少し休みましょう」
「ええ、そうします」
バスが止まり私たちは下車した後ベンチに腰掛けた。
名古屋と違いなんだか空気が美味しいように感じた。
福岡って言ってもど田舎で田んぼばっかりの町に実家はある。
「結構田舎なんですね。茜さんのご実家」
「ええ、そうなんです。ど田舎なんですよ」
「でも、こういうところ僕は好きですけどねぇ」
「そうなのですか。涼太さんのご実家は都会にありますものねぇ~」
「そうですね。だから余計にこういう場所に来ると羨ましく思います」
「へー、そうなんですか」
「はい。そうなんです」
暫く休憩した後気持ちに整理を付けた私は実家に向かった。
さっさと親にあって、この人を紹介して、さっさと福岡駅に帰ろう。
それだけを考えながら歩いていた。
「ここです」
「ほう、結構立派なお家じゃないですか」
「中身はボロボロですけどね」
「はは、なるほどです」
納得すな……人ん家だぞ、ば、ばかっ!
玄関の扉を開けて、ただいま、と声を発すると奥から母親がやって来た。
白いエプロンを付け微笑みながら私と彼を出迎えてくれた。
「お帰り、茜。そちらの方が彼氏さん?」
「ああ、うん。清水涼太さん。えっと、私の母です」
「清水涼太です。茜さんとお付き合いさせて頂いております。今日は突然すみません」
「いえいえ~。茜に彼氏が出来るなんてねぇ~。ささ、上がって下さいな」
「有難う御座います」
彼はそう言って靴を脱いで踵を揃えると母の後ろを歩いて行ってしまった。
ちょっと、私を置いて行くなっ。
「清水さん、今日はどこかにお泊りなのですか?」
「はい、駅前にホテルを予約していますので」
「あら、そうなの。折角だから泊まって行けばいいのに」
「いえ、あ、茜さんも同じホテルに泊まる予定です」
「ええ!! 茜もですか!?」
「はい。ですよね、茜さん」
「そうです。涼太さん」
「茜、どうして!? 今日はここで泊まるって言ってたのに」
「お母さん、事情が変わったの。ごめんだけど」
「へぇ~、そう。そういう事なら、仕方ないわ、ねぇ~」
何だその目を細めていやらしそうな顔はっ!
そんな変なことするんじゃないやいっ!
ていうか、こいつ童貞なんだぞ!?
そういうことする気が無いやつなんだよ、残念でしたぁ~。
はぁ……早くホテルいこーよぉ~、涼太さぁ~ん。
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