45 / 100
交際スタート…でも…
45
しおりを挟む
幸恵とケーキバイキングを愉しんでいる私は自分のお皿にケーキが無くなったので取りに行こうと席を立った。
沢山あるケーキの中で好きなチーズケーキ、イチゴのタルト、プリンなんかを取ってお皿に置いて席に戻ろうとした時すれ違いざまに誰かとぶつかってしまった。
「痛っ! す、すみませんっ」
「あ、こちらこそすみません」
男の人の声だった。
お客さんの大半が女性で占めているこのお店で男性とぶつかるなんてどんだけ引きが良いのよ。
そう思ってぶつかってしまった相手を見ると……。
「あ、れ…涼太…さ…ん」
「あ…茜、さん」
そこに居たのは朝他の女の所に行ってくると言い私の元から離れてしまった彼がいたのだ。
何故彼がここに!?
彼の傍には女性1人が立っていた。
心配そうに彼を見つめている。
誰、あなた……。
「清水さん? どうかしました?」
「あ、なんでも、何でもないです。直ぐそちらに伺いますから、席にで待っててください」
「そ、そうですか? 分かりました」
凄く綺麗な女の人が彼に声を掛けて、彼はその女性に話をしていた。
なんなのよ?
目の前に自分の恋人がいるって言うのにその恋人を差し置いてあんな女の事を気遣っちゃってさ。
すっごくムカつくんですけどっ。
「涼太さん。あの人、誰ですか?」
「あ、あの人は、社長のお嬢さんです。名前は皆川遥さん。彼女がここに行きたいと言っていたのでお連れしたんです」
ほぉ~!?
あれが例の女か……ってかめちゃくちゃ可愛いじゃんっ!
くりっくりした瞳と黒髪ロングヘアーに清楚な服装と何よりウエストめちゃ細っ!
本当に私と同じ性なのか疑うくらい綺麗なボディライン。
完璧なまでの『お嬢様』という感じの女性。
「涼太さん。彼女が居るから断るとかっていう話はどうなったんでしょうか?」
「あ、い、いやぁ~……まだ、出来て、なくて……」
「なるほど。あの人のペースになってるということですね」
「はい……すみません」
「私、友達とここに来ているんです。もう行きますね」
「あ、あの。茜さん怒ってます?」
「別に……」
「怒ってますよね?」
「別に……」
「茜さん……」
「しつこい……では」
私は彼にそう言ってその場から離れた。
彼は困った表情だったがそんなこと私には関係ない事だ。
あれほどしっかり私の存在を伝えるようにって言ったのに、彼は何も伝えずそれどころか女性と一緒にこんなところまで来ちゃってさっ。
許せない……もう私我慢出来ないっ!!
「幸恵、私、家出するっ!!」
席に戻って幸恵にそう言った。
私の言葉にびっくりしている幸恵は口を開けていた。
そうよね。私が彼と同棲生活してるってまだ言ってなかったもんね。
そのことを幸恵に伝えて私は家出してやるんだいっ!
もうイケメン童貞の婚約者とか、恋人とか、もうどうだっていいっ!!
私の存在がいらないんだったらあんなマンションに居る意味なんてない。
私は心の中で叫んで家出を決意したのだった。
沢山あるケーキの中で好きなチーズケーキ、イチゴのタルト、プリンなんかを取ってお皿に置いて席に戻ろうとした時すれ違いざまに誰かとぶつかってしまった。
「痛っ! す、すみませんっ」
「あ、こちらこそすみません」
男の人の声だった。
お客さんの大半が女性で占めているこのお店で男性とぶつかるなんてどんだけ引きが良いのよ。
そう思ってぶつかってしまった相手を見ると……。
「あ、れ…涼太…さ…ん」
「あ…茜、さん」
そこに居たのは朝他の女の所に行ってくると言い私の元から離れてしまった彼がいたのだ。
何故彼がここに!?
彼の傍には女性1人が立っていた。
心配そうに彼を見つめている。
誰、あなた……。
「清水さん? どうかしました?」
「あ、なんでも、何でもないです。直ぐそちらに伺いますから、席にで待っててください」
「そ、そうですか? 分かりました」
凄く綺麗な女の人が彼に声を掛けて、彼はその女性に話をしていた。
なんなのよ?
目の前に自分の恋人がいるって言うのにその恋人を差し置いてあんな女の事を気遣っちゃってさ。
すっごくムカつくんですけどっ。
「涼太さん。あの人、誰ですか?」
「あ、あの人は、社長のお嬢さんです。名前は皆川遥さん。彼女がここに行きたいと言っていたのでお連れしたんです」
ほぉ~!?
あれが例の女か……ってかめちゃくちゃ可愛いじゃんっ!
くりっくりした瞳と黒髪ロングヘアーに清楚な服装と何よりウエストめちゃ細っ!
本当に私と同じ性なのか疑うくらい綺麗なボディライン。
完璧なまでの『お嬢様』という感じの女性。
「涼太さん。彼女が居るから断るとかっていう話はどうなったんでしょうか?」
「あ、い、いやぁ~……まだ、出来て、なくて……」
「なるほど。あの人のペースになってるということですね」
「はい……すみません」
「私、友達とここに来ているんです。もう行きますね」
「あ、あの。茜さん怒ってます?」
「別に……」
「怒ってますよね?」
「別に……」
「茜さん……」
「しつこい……では」
私は彼にそう言ってその場から離れた。
彼は困った表情だったがそんなこと私には関係ない事だ。
あれほどしっかり私の存在を伝えるようにって言ったのに、彼は何も伝えずそれどころか女性と一緒にこんなところまで来ちゃってさっ。
許せない……もう私我慢出来ないっ!!
「幸恵、私、家出するっ!!」
席に戻って幸恵にそう言った。
私の言葉にびっくりしている幸恵は口を開けていた。
そうよね。私が彼と同棲生活してるってまだ言ってなかったもんね。
そのことを幸恵に伝えて私は家出してやるんだいっ!
もうイケメン童貞の婚約者とか、恋人とか、もうどうだっていいっ!!
私の存在がいらないんだったらあんなマンションに居る意味なんてない。
私は心の中で叫んで家出を決意したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
君を探す物語~転生したお姫様は王子様に気づかない
あきた
恋愛
昔からずっと探していた王子と姫のロマンス物語。
タイトルが思い出せずにどの本だったのかを毎日探し続ける朔(さく)。
図書委員を押し付けられた朔(さく)は同じく図書委員で学校一のモテ男、橘(たちばな)と過ごすことになる。
実は朔の探していた『お話』は、朔の前世で、現世に転生していたのだった。
同じく転生したのに、朔に全く気付いて貰えない、元王子の橘は困惑する。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです
珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。
その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。
それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる