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交際スタート…でも…
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「ちょ、ちょっと待って。茜、家出ってどういう事?」
「あ、あのね、それは……」
幸恵の質問に私は正直に答えた。
彼の両親が経営しているコンビニでアルバイトをしていた時彼と偶然出会ってその後、あれよあれよと婚約者にされてしまいその所為で彼と同棲生活をすることになってしまったこと。
だけど今現在は本当の恋人として彼と一緒に暮らしていること。
普通の出会いでは無いことくらい私も十分承知していた。
こんなこと漫画の中の出来事だと幸恵に説明しながら私は思っていた。
「驚いたわ……そんなことになってるなんて。それじゃ余計彼の事許せないわ、私。本気で好きになったのにもう他の女の所で尻尾振ってるなんて。しかも童貞のくせに……」
「あはは……」
確かに私も心の中でそう思ってはいたけれど他の人の口から彼の『童貞のくせに』という言葉を聞くとズキンと心が痛む。
幸恵は私に同情してくれて家出を応援すると励ましてくれた。
「早速家に戻って荷物纏めよ」
「あ、う、うん……」
「何? 茜、乗り気じゃない感じ? あんたがそうしたいって言うから」
「そ、そんなことないよ。家出するよっ」
「よしっ! その意気よっ」
幸恵の押しもあって私たちはまだ時間内なのにも関わらず、彼に見つからないように店を後にしマンションに向かった。
はぁ……なんだか勢いでつい言っちゃったんだけど凄いことになっちゃいそう。
マンションについて幸恵を家の中に入れると驚いた感じであたりを見回していた。
そう言えばこの部屋に他人を入れたのって多分初めて、だよね。
私が来る前は知らないけど。
良いのかな、勝手に人を上げちゃって……。
「凄い広い部屋なんだねぇ~。流石セレブって感じだわ」
「あはは。私も最初ここに来た時は同じ感想だったよ」
「そうよね。茜のアパートはこれの何十分の一くらいだったもんね。2人暮らしにはもったいないくらい広いじゃない」
「そうね。彼、私が来るまではここに一人暮らしだったしね」
「そうなの!? お金の使い方間違ってるんじゃない。彼。流石社長ってことかしら」
幸恵の感想はごもっとも。
こんな広い部屋に1人で暮らしていただなんて確かに贅沢過ぎるし、少し寂しいんじゃないかと私は思っていた。
自室の荷物を纏めて…と言っても洋服類とBL本とノートPC、化粧品、洗面用具くらいだけど気が付くとキャリーバックがパンパンになってしまった。
ここも暫くはおさらばか……なんだか寂しい気分だけど仕方ないよね。
あのイケメン童貞を分からせてあげなきゃっ!!
自室を出て幸恵が待つリビングへ向かった。
「終わった?」
「うん。終わった」
「行くとこあるの?」
「取り敢えず元のアパートに行って大家さんに事情を説明してって感じかな」
「それでだめだったらどうすんの?」
「近くのホテルにでも駆け込むかな。お金はあるんだし」
「私の部屋に来る?」
「いいよ。そこまで迷惑かけるわけにはいかないし」
「そっか」
「うん。そろそろ出よう」
食事するテーブルに上に手紙を置いて私たちは部屋を後にした。
彼はまだ帰る気配はない。
若しエレベーターで鉢合わせしたらどうしようかと思っていたがどうやらそんな心配は無用だったようだ。
幸恵と私はそのまま私が元居たアパートへ向かった。
何だか後ろ髪を引かれる思いだったが私は振り返ることはしなかった。
私は彼の事を好きになっていたけれど彼は私の存在を隠すくらいなら、私なんていない方がいいんだ。
そう思った。
「あ、あのね、それは……」
幸恵の質問に私は正直に答えた。
彼の両親が経営しているコンビニでアルバイトをしていた時彼と偶然出会ってその後、あれよあれよと婚約者にされてしまいその所為で彼と同棲生活をすることになってしまったこと。
だけど今現在は本当の恋人として彼と一緒に暮らしていること。
普通の出会いでは無いことくらい私も十分承知していた。
こんなこと漫画の中の出来事だと幸恵に説明しながら私は思っていた。
「驚いたわ……そんなことになってるなんて。それじゃ余計彼の事許せないわ、私。本気で好きになったのにもう他の女の所で尻尾振ってるなんて。しかも童貞のくせに……」
「あはは……」
確かに私も心の中でそう思ってはいたけれど他の人の口から彼の『童貞のくせに』という言葉を聞くとズキンと心が痛む。
幸恵は私に同情してくれて家出を応援すると励ましてくれた。
「早速家に戻って荷物纏めよ」
「あ、う、うん……」
「何? 茜、乗り気じゃない感じ? あんたがそうしたいって言うから」
「そ、そんなことないよ。家出するよっ」
「よしっ! その意気よっ」
幸恵の押しもあって私たちはまだ時間内なのにも関わらず、彼に見つからないように店を後にしマンションに向かった。
はぁ……なんだか勢いでつい言っちゃったんだけど凄いことになっちゃいそう。
マンションについて幸恵を家の中に入れると驚いた感じであたりを見回していた。
そう言えばこの部屋に他人を入れたのって多分初めて、だよね。
私が来る前は知らないけど。
良いのかな、勝手に人を上げちゃって……。
「凄い広い部屋なんだねぇ~。流石セレブって感じだわ」
「あはは。私も最初ここに来た時は同じ感想だったよ」
「そうよね。茜のアパートはこれの何十分の一くらいだったもんね。2人暮らしにはもったいないくらい広いじゃない」
「そうね。彼、私が来るまではここに一人暮らしだったしね」
「そうなの!? お金の使い方間違ってるんじゃない。彼。流石社長ってことかしら」
幸恵の感想はごもっとも。
こんな広い部屋に1人で暮らしていただなんて確かに贅沢過ぎるし、少し寂しいんじゃないかと私は思っていた。
自室の荷物を纏めて…と言っても洋服類とBL本とノートPC、化粧品、洗面用具くらいだけど気が付くとキャリーバックがパンパンになってしまった。
ここも暫くはおさらばか……なんだか寂しい気分だけど仕方ないよね。
あのイケメン童貞を分からせてあげなきゃっ!!
自室を出て幸恵が待つリビングへ向かった。
「終わった?」
「うん。終わった」
「行くとこあるの?」
「取り敢えず元のアパートに行って大家さんに事情を説明してって感じかな」
「それでだめだったらどうすんの?」
「近くのホテルにでも駆け込むかな。お金はあるんだし」
「私の部屋に来る?」
「いいよ。そこまで迷惑かけるわけにはいかないし」
「そっか」
「うん。そろそろ出よう」
食事するテーブルに上に手紙を置いて私たちは部屋を後にした。
彼はまだ帰る気配はない。
若しエレベーターで鉢合わせしたらどうしようかと思っていたがどうやらそんな心配は無用だったようだ。
幸恵と私はそのまま私が元居たアパートへ向かった。
何だか後ろ髪を引かれる思いだったが私は振り返ることはしなかった。
私は彼の事を好きになっていたけれど彼は私の存在を隠すくらいなら、私なんていない方がいいんだ。
そう思った。
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