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交際スタート…でも…
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久々の1人。
カーテンもない、電気も付かない部屋で1人体育座りをしていた。
帰り道で買ってきたお弁当を食べ終わり久々にビールを飲んだ。
何だか凄く寂しい気持ちで一杯。
数か月間、彼と同棲生活をして色々な事があったのを思い出し思わず目から涙が…。
私ってこんなに弱っちくなっちゃったんだなぁ~。
彼と出会う前まではこんなことへっちゃらだったのに…。
何でこんなに泣いているの、私。
携帯の電源も減ってしまっていた。
彼からの連絡も来なくなった。
もう私に電話をするのを諦めたのか、それとも私が居そうな場所を探し回っているのか。
彼がここに来ることはまずないだろうと思った。
頭の中でそんなことを考えているとまた携帯の着信音が鳴った。
着信画面を見ると相手は幸恵だった。
「はい、もしもし」
『あ、茜。大丈夫? なんか心配で連絡しちゃった。そこ、電気も何にもないんでしょ? 私の部屋においでよ。心配で私も落ち着かないからさ』
「うん。有難う。そうしようかな。何か一人で考え事してたら泣けてきちゃってさ。私かなり弱っちくなってるみたい」
『そっかぁ~。まぁ、今まで一人で居たからさ。反動だよ。迎えに行こうか?」
「うん。もうお酒飲んじゃって動けないかも」
『分かった。車でそっち向かうから。着いたら連絡するね』
「うん。ごめんねぇ~。有難う」
『いいよ。これくらい』
幸恵は元気出せ、と言い残し電話を切った。
ツーツーという音を聞きながらまた私は涙した。
何だか私の所為でいろんな人に迷惑をかけている気がして心が痛い。
私って周りの人たちを不幸にしちゃうのかな。
彼の事も足を引っ張っているのかな。
もうよく分かんないよ……どうしたらいいの?
暫くするとまた携帯の着信音が。
幸恵だと思って画面を見ずに電話に出た。
「もしもし、幸恵?」
『あ、やっと出てくれましたね。茜さん。僕です。涼太です』
あ……やっべぇ、涼太さんだった……。
どうしよう、どうしよう、どうしようっ!
「あ、りょ、涼太さん。ど、どうしたんです、か?」
『どうしたじゃないです。いきなりいなくなるなんて。今どこですか? 結構探したんですけど』
「あ、すみません。居場所は言えないです。ごめんなさい」
『言えないって。あの、茜さん。僕は今日あの娘さんにちゃんと言いましたよ。僕にはフィアンセが居るって』
え……?
い、今、何て、言ったの……?
『茜さん? もしもし? 茜さん?』
電話の向こうで彼が私の名を呼んでいた。
私は頭の中が真っ白になって何も言えない状態になっていた。
そこへ幸恵が部屋のドアを開けて私を見た。
「茜。誰と電話してるの? 何度も電話したんだけど、通話中だったから来ちゃったよ」
「さ、幸恵……。か、彼が……今……彼と……」
「え? 彼? ちょっと、変わって」
幸恵が私の携帯を取り上げると電話の向こうに居る彼に話しかけた。
「あの、電話変わりました。私は茜の友人です。貴方、茜の彼氏さん?」
『あ、はい。茜さんのフィアンセの清水、と言います。茜さんは今どこに?』
「貴方、彼女にどんなことしたのか分かってるんですか? 彼女、かなり傷ついてるんです。今日は私の所で預かります。一度ご自分のした行動を反省されたらどうです?」
『え……? ぼ、僕が? 茜さんを、傷付けたのですか?』
「ええ。貴方最低です。もう話はおしまいです。では失礼します」
幸恵は一方的に電話を切り電源もオフにして私に携帯を渡した。
2人のやり取りを聞いていた私は何も言うことが出来ず暗い部屋、幸恵の顔の輪郭を見つめていた。
「茜。行くよ。立てる?」
「う、うん……」
「取り合えず、一晩私の所に泊まる。それであとの事は明日考えよ?」
「そうだね。有難う、幸恵」
「友達だからね。私は茜には幸せになって貰いたいと思ってる。茜をあの会社に取り残しちゃったことへの償いでもあるしさ。茜の力になりたいんだよ」
「幸恵……」
幸恵の言葉に胸が詰まり目からぽろぽろと涙が零れ落ちた。
幸恵は私の腕を掴んで私を立たせると荷物を持ってアパートを出て幸恵の車で幸恵のアパートに向かった。
車の中で幸恵が色々話してくれたが何を話していたのか全く耳に入らなかった。
彼が言っていた、フィアンセ、と言う言葉がぐるぐる頭の中で回っていたのだ。
私を選んでくれたの?
どうして最初からそう言って断ってくれなかったの?
車中で流れていたFMラジオのDJが恋愛相談の手紙を読んで色んな事を話していた。
恋愛なんて、疲れるだけだよ……。
はぁ~、私には恋愛なんて無理なのかなぁ。
カーテンもない、電気も付かない部屋で1人体育座りをしていた。
帰り道で買ってきたお弁当を食べ終わり久々にビールを飲んだ。
何だか凄く寂しい気持ちで一杯。
数か月間、彼と同棲生活をして色々な事があったのを思い出し思わず目から涙が…。
私ってこんなに弱っちくなっちゃったんだなぁ~。
彼と出会う前まではこんなことへっちゃらだったのに…。
何でこんなに泣いているの、私。
携帯の電源も減ってしまっていた。
彼からの連絡も来なくなった。
もう私に電話をするのを諦めたのか、それとも私が居そうな場所を探し回っているのか。
彼がここに来ることはまずないだろうと思った。
頭の中でそんなことを考えているとまた携帯の着信音が鳴った。
着信画面を見ると相手は幸恵だった。
「はい、もしもし」
『あ、茜。大丈夫? なんか心配で連絡しちゃった。そこ、電気も何にもないんでしょ? 私の部屋においでよ。心配で私も落ち着かないからさ』
「うん。有難う。そうしようかな。何か一人で考え事してたら泣けてきちゃってさ。私かなり弱っちくなってるみたい」
『そっかぁ~。まぁ、今まで一人で居たからさ。反動だよ。迎えに行こうか?」
「うん。もうお酒飲んじゃって動けないかも」
『分かった。車でそっち向かうから。着いたら連絡するね』
「うん。ごめんねぇ~。有難う」
『いいよ。これくらい』
幸恵は元気出せ、と言い残し電話を切った。
ツーツーという音を聞きながらまた私は涙した。
何だか私の所為でいろんな人に迷惑をかけている気がして心が痛い。
私って周りの人たちを不幸にしちゃうのかな。
彼の事も足を引っ張っているのかな。
もうよく分かんないよ……どうしたらいいの?
暫くするとまた携帯の着信音が。
幸恵だと思って画面を見ずに電話に出た。
「もしもし、幸恵?」
『あ、やっと出てくれましたね。茜さん。僕です。涼太です』
あ……やっべぇ、涼太さんだった……。
どうしよう、どうしよう、どうしようっ!
「あ、りょ、涼太さん。ど、どうしたんです、か?」
『どうしたじゃないです。いきなりいなくなるなんて。今どこですか? 結構探したんですけど』
「あ、すみません。居場所は言えないです。ごめんなさい」
『言えないって。あの、茜さん。僕は今日あの娘さんにちゃんと言いましたよ。僕にはフィアンセが居るって』
え……?
い、今、何て、言ったの……?
『茜さん? もしもし? 茜さん?』
電話の向こうで彼が私の名を呼んでいた。
私は頭の中が真っ白になって何も言えない状態になっていた。
そこへ幸恵が部屋のドアを開けて私を見た。
「茜。誰と電話してるの? 何度も電話したんだけど、通話中だったから来ちゃったよ」
「さ、幸恵……。か、彼が……今……彼と……」
「え? 彼? ちょっと、変わって」
幸恵が私の携帯を取り上げると電話の向こうに居る彼に話しかけた。
「あの、電話変わりました。私は茜の友人です。貴方、茜の彼氏さん?」
『あ、はい。茜さんのフィアンセの清水、と言います。茜さんは今どこに?』
「貴方、彼女にどんなことしたのか分かってるんですか? 彼女、かなり傷ついてるんです。今日は私の所で預かります。一度ご自分のした行動を反省されたらどうです?」
『え……? ぼ、僕が? 茜さんを、傷付けたのですか?』
「ええ。貴方最低です。もう話はおしまいです。では失礼します」
幸恵は一方的に電話を切り電源もオフにして私に携帯を渡した。
2人のやり取りを聞いていた私は何も言うことが出来ず暗い部屋、幸恵の顔の輪郭を見つめていた。
「茜。行くよ。立てる?」
「う、うん……」
「取り合えず、一晩私の所に泊まる。それであとの事は明日考えよ?」
「そうだね。有難う、幸恵」
「友達だからね。私は茜には幸せになって貰いたいと思ってる。茜をあの会社に取り残しちゃったことへの償いでもあるしさ。茜の力になりたいんだよ」
「幸恵……」
幸恵の言葉に胸が詰まり目からぽろぽろと涙が零れ落ちた。
幸恵は私の腕を掴んで私を立たせると荷物を持ってアパートを出て幸恵の車で幸恵のアパートに向かった。
車の中で幸恵が色々話してくれたが何を話していたのか全く耳に入らなかった。
彼が言っていた、フィアンセ、と言う言葉がぐるぐる頭の中で回っていたのだ。
私を選んでくれたの?
どうして最初からそう言って断ってくれなかったの?
車中で流れていたFMラジオのDJが恋愛相談の手紙を読んで色んな事を話していた。
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