恋を諦めた私の前に突然痛いイケメン王子様が現れましたっ!!

杏仁豆腐

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大人の階段

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彼がお風呂から上がって暫くすると部屋に入って来た。
真っ暗な部屋に電気を付けようとしたので私が消したままにしてほしいとお願いすると彼は何も言わず自分のベッドの上に座った。
さぁ~、これから大人の階段を上がるのよ、茜!!



「茜さん。どうしたんです。ちょっと変ですけど」
「変じゃないです。涼太さん。私たち結婚するんですよね」
「またその話ですか。結婚しますよ。なぜそんなことを訊くのですか?」
「………」



よし……頑張れ私っ!! 
心の中で叫ぶと私は彼の座るところに立ちそのまま彼を抱きしめた。
彼は驚いたのか私の名前を呼んでいた。

けど私はそんな戸惑っている彼を力を入れて押し倒した。
彼の体の上に馬乗りになった私。
押し倒され馬乗りされた彼が私の顔をじっと見つめる。
数秒間その状態のままだったが私はそのままの体制で彼の上に覆いかぶさった。
ドキドキ……私自身の鼓動と胸から伝わる彼の鼓動がリアルで分かる。
私、これで処女じゃなくなるのね。


「茜さん。どうしたんです?」
「抱いてください」
「……!!」
「私の事愛してるなら、私を抱いて」
「茜さん……もしかして……」
「えっちしてくださいっ」
「あ、茜さん」


もう、ここまで私に言わせないでよっ!!
早くしてっ!!
恥ずかしいよぉ~!!


私尻軽女みたいじゃん。
痴女?
変態? 
もう訳分からん!! 


私の行動をやっと理解した彼は私の肩を掴んで一旦離れると私の唇に彼の唇が重なった。
いつものキス……かと思ったら今度は彼の舌が私の口の中に!!
驚いて目を開けてしまった。
彼もうっすら目を開けているように見えて私は再び目を瞑った。

お互いの舌が絡み合い、ちゅ、ちゅっ、とリップ音を鳴らしながら初めてのディープキスをした。
なんだか頭が真っ白になってきて気持ちがいいと思ってしまった。


「茜さん。いいんですね?」
「…………」


私は黙ったまま頷くと彼が私を抱きかかえて今度は私が下になって彼が上に体制を変えた。
首筋に彼がキスをし始めて耳の中迄……くすぐったさと恥ずかしさで何も考えずにぎゅっと目を瞑った。
彼はそのまま私の服を脱がせてあの下着が露わになってしまった。



「可愛い下着を付けてるんですね。茜さん」
「もう……そんなこと言わないでください」
「すみません。可愛いです。茜さん」
「りょ、涼太、さん」




そしてそのまま私たちは初めて童貞と処女を卒業した。
その時したセックスの事はあまり覚えていない。
だけど凄く痛かったことだけははっきり覚えていた。
前戯も不慣れな二人でお互い試しながら。
でも一番気持ちが良かったのはお互い裸のまま抱き合えたことだった。
本当に彼と結婚するんだとやっと実感できた瞬間でもあった。
良し……早速幸恵に報告じゃっ!!


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