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新たな門出
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結婚式が始まった。
沢山の招待客が待つ式場のドアがゆっくりと開く。
教会の一番奥に神父様と彼が私を待っている。
父の腕を掴んで私は一歩一歩前に進んだ。
視線を下げベールの所為で前が良く見えない状態で一歩一歩前に進む。
大勢の人たちが立ち上がって拍手をして祝福してくれていた。
私の頭の中は真っ白で何も考えずただ流れに身を任せていた。
すんなり式が進み誓いのキスで歓声が沸き上がったのが聞こえたのを覚えているくらいだった。
ブーケトスなんて正直あんまり覚えていない。
「せーのっ!」
きゃーっ、と女性の歓声が上がり誰かがブーケを取ったのを遠目で見ている感覚。
隣には微笑みながらその状況を見つめている彼の横顔があった。
その後披露宴会場へ移動してひな壇に私と彼がちょこんと座って司会者の進行でプログラムが進む。
「なんか凄い……こんなに大勢の人たちの前に私が座ってるなんて」
「茜さん。大丈夫ですか? 気分が悪くなったら言ってくださいね」
「あ、大丈夫です。なんだかおとぎの国に居るみたいです」
「そうですね。僕も第三者的に見守ってるという感覚です。不思議ですよね。みんながこうして笑いながら色々してくれている所を見るのは」
「はい。私なんて友達が少ない分彼女達の事が心配です。申し訳ないって思っちゃいます」
「すみません。殆どが僕がらみでして……」
「社長さんなんだから仕方ないですよ。ふふふ」
土地柄だろうか。
結婚式も派手で盛大に行われている。
殆どが彼の招待者であった。
友達も多ければ会社の人たちも沢山お祝いに来てくれている。
私にも声を掛けてくれるので少し恥ずかしいやらで大変だ。
「茜。おめでとっ」
「あ、幸恵ぇ~! 有難ぉ~!! あ、めぐも来てくれたのぉ~」
「おひさぁ~。幸恵に一緒に行こって誘って貰っちゃった。招待状持ってなくても良いのって言ったら良いんだよって言ってくれて」
「ありがとぉ~。沢山料理だけでも食べて帰ってねっ」
「茜ぇ~。しっかし何あの『イケメン』はっ!? どこで拉致して洗脳したのよ?」
「あ、ああ……えっとねぇ~」
「めぐは私からしっかり伝えておくから安心して」
幸恵が私にそう耳打ちしてくれてほっと安心した。
めぐもお酒が入っているらしくハイテンションで私と彼に絡んでくる。
彼は酔っ払いのめぐをひらりと交わすあたりは流石だと思った。
披露宴は盛大に進んだ。
ケーキカットから始まり最後両親への手紙。私
も書いてきたのだが何も思い浮かばずネットで調べて書いた。
所謂テンプレってやつだ。
そのため私の中では全く感動も起きなかった。
そして最後結婚式に来てくれた方々を入り口で出迎え挨拶をする。
「はぁ~。疲れた……」
「茜さん。あと一息です。頑張りましょう。流石に茜さんがいないのはまずいので」
「わ、分かってます。大丈夫ですから」
私の焦った顔を見て彼がクスリと笑う。
クシャと顔を崩した顔が私の瞳に飛び込んできて思わずきゅんとしてしまった。
全行程が滞りなく終わったのは午後の3時過ぎの事だった。
沢山の招待客が待つ式場のドアがゆっくりと開く。
教会の一番奥に神父様と彼が私を待っている。
父の腕を掴んで私は一歩一歩前に進んだ。
視線を下げベールの所為で前が良く見えない状態で一歩一歩前に進む。
大勢の人たちが立ち上がって拍手をして祝福してくれていた。
私の頭の中は真っ白で何も考えずただ流れに身を任せていた。
すんなり式が進み誓いのキスで歓声が沸き上がったのが聞こえたのを覚えているくらいだった。
ブーケトスなんて正直あんまり覚えていない。
「せーのっ!」
きゃーっ、と女性の歓声が上がり誰かがブーケを取ったのを遠目で見ている感覚。
隣には微笑みながらその状況を見つめている彼の横顔があった。
その後披露宴会場へ移動してひな壇に私と彼がちょこんと座って司会者の進行でプログラムが進む。
「なんか凄い……こんなに大勢の人たちの前に私が座ってるなんて」
「茜さん。大丈夫ですか? 気分が悪くなったら言ってくださいね」
「あ、大丈夫です。なんだかおとぎの国に居るみたいです」
「そうですね。僕も第三者的に見守ってるという感覚です。不思議ですよね。みんながこうして笑いながら色々してくれている所を見るのは」
「はい。私なんて友達が少ない分彼女達の事が心配です。申し訳ないって思っちゃいます」
「すみません。殆どが僕がらみでして……」
「社長さんなんだから仕方ないですよ。ふふふ」
土地柄だろうか。
結婚式も派手で盛大に行われている。
殆どが彼の招待者であった。
友達も多ければ会社の人たちも沢山お祝いに来てくれている。
私にも声を掛けてくれるので少し恥ずかしいやらで大変だ。
「茜。おめでとっ」
「あ、幸恵ぇ~! 有難ぉ~!! あ、めぐも来てくれたのぉ~」
「おひさぁ~。幸恵に一緒に行こって誘って貰っちゃった。招待状持ってなくても良いのって言ったら良いんだよって言ってくれて」
「ありがとぉ~。沢山料理だけでも食べて帰ってねっ」
「茜ぇ~。しっかし何あの『イケメン』はっ!? どこで拉致して洗脳したのよ?」
「あ、ああ……えっとねぇ~」
「めぐは私からしっかり伝えておくから安心して」
幸恵が私にそう耳打ちしてくれてほっと安心した。
めぐもお酒が入っているらしくハイテンションで私と彼に絡んでくる。
彼は酔っ払いのめぐをひらりと交わすあたりは流石だと思った。
披露宴は盛大に進んだ。
ケーキカットから始まり最後両親への手紙。私
も書いてきたのだが何も思い浮かばずネットで調べて書いた。
所謂テンプレってやつだ。
そのため私の中では全く感動も起きなかった。
そして最後結婚式に来てくれた方々を入り口で出迎え挨拶をする。
「はぁ~。疲れた……」
「茜さん。あと一息です。頑張りましょう。流石に茜さんがいないのはまずいので」
「わ、分かってます。大丈夫ですから」
私の焦った顔を見て彼がクスリと笑う。
クシャと顔を崩した顔が私の瞳に飛び込んできて思わずきゅんとしてしまった。
全行程が滞りなく終わったのは午後の3時過ぎの事だった。
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