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2人の過去と未来
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新婚旅行は順調に予定をこなした。
二日目三日目、ハワイの綺麗なビーチで海水浴を楽しみ新調した水着を彼に披露することが出来た。買い物も愉しんで美味しい物も沢山食べてちょっと太っちゃったかなとか心配しながらも楽しく過ごしていた。
「明日で旅行も最終日ですね。最後は何処へ行きましょうか、茜さん」
「そうですね……ドライブとかはどうでしょう」
「ああ、ハワイ諸島をドライブしましょうか」
「はい。楽しみです」
ここに来てからそう言えば車に乗って出掛けていないことに気付いた彼。
私はずっと前からそのことに気付いている。そして私の中で消えないあの女性の存在。
あの人と彼は本当にただの仕事仲間だったのだろうか、自分でも抑えきれなくなる嫉妬心。
思い切って彼に訊ねてみようと明日のドライブに……。
ホテルのレンタカーを借りて綺麗な海岸沿いを走っていると彼が私に話しかけてきた。
「あの、林さんの事ですが」
いきなり彼女の話をする彼。
私はまっすぐ前を向いて話を聞いていた。
「本当は、彼女も僕と一度だけお見合いをした人だったんです。だけどどうしても彼女の事がそうの、対象として見ることが出来なくって……それで僕から担当を変えてもらうよう先方にお願いした経緯があります」
「それは気まずいでしょうね……」
「はい。林さんはキャリアウーマンでしたから。自分が担当を外される理由をしつこく上司に迫っていたそうです。本当に申し訳ないことをしました」
「罪滅ぼしで話をしていたの?」
嫌な女。
こんなことを聞きたい訳じゃないのに口からどんどん嫌な事が出てきちゃう。
彼はハンドルを握りながら話の続きをした。
「かも知れません。僕にもそういう感情があるなんて思っていなかったので正直驚いています」
「へぇ、人間変われば変わるものですね」
「茜さん? 怒っているんですか?」
「今は私たち夫婦の旅行ですからね。昔の事を訊いても面白くはないです」
すみません、と小さな声で申し訳なさそうにする彼。
この辺でこの話を切り上げないとお互い気まずくなるだけだ。
私はそう思って彼に話をした。
「でも、もう何もないのだから良いと思いますよ。またお仕事でご一緒になるかもしれない人なんじゃないかなって今はそう思います」
「有難う御座います。僕は決して茜さんを苦しめたりはしない。それだけは約束しますから」
「はい。じゃ取り敢えず喉が渇いたので近くの喫茶店でも行きましょうか」
はい、と明るい声に変わった彼。私があの林って人の事について色々考えたって仕方がない。
それより折角の旅行なのだから楽しく過ごしたい。
そう思っていた。
その日の夜最後だということでホテルの屋上に言って二人だけワインを飲みながらハワイの夜空を眺めんがら、いいムードになってそのままホテルの部屋に戻り大人の時間を過ごした。
過去か過去、彼の未来には私が隣にいる。
こうして彼が私の事を抱いているように未来は私が居るのだ。
二日目三日目、ハワイの綺麗なビーチで海水浴を楽しみ新調した水着を彼に披露することが出来た。買い物も愉しんで美味しい物も沢山食べてちょっと太っちゃったかなとか心配しながらも楽しく過ごしていた。
「明日で旅行も最終日ですね。最後は何処へ行きましょうか、茜さん」
「そうですね……ドライブとかはどうでしょう」
「ああ、ハワイ諸島をドライブしましょうか」
「はい。楽しみです」
ここに来てからそう言えば車に乗って出掛けていないことに気付いた彼。
私はずっと前からそのことに気付いている。そして私の中で消えないあの女性の存在。
あの人と彼は本当にただの仕事仲間だったのだろうか、自分でも抑えきれなくなる嫉妬心。
思い切って彼に訊ねてみようと明日のドライブに……。
ホテルのレンタカーを借りて綺麗な海岸沿いを走っていると彼が私に話しかけてきた。
「あの、林さんの事ですが」
いきなり彼女の話をする彼。
私はまっすぐ前を向いて話を聞いていた。
「本当は、彼女も僕と一度だけお見合いをした人だったんです。だけどどうしても彼女の事がそうの、対象として見ることが出来なくって……それで僕から担当を変えてもらうよう先方にお願いした経緯があります」
「それは気まずいでしょうね……」
「はい。林さんはキャリアウーマンでしたから。自分が担当を外される理由をしつこく上司に迫っていたそうです。本当に申し訳ないことをしました」
「罪滅ぼしで話をしていたの?」
嫌な女。
こんなことを聞きたい訳じゃないのに口からどんどん嫌な事が出てきちゃう。
彼はハンドルを握りながら話の続きをした。
「かも知れません。僕にもそういう感情があるなんて思っていなかったので正直驚いています」
「へぇ、人間変われば変わるものですね」
「茜さん? 怒っているんですか?」
「今は私たち夫婦の旅行ですからね。昔の事を訊いても面白くはないです」
すみません、と小さな声で申し訳なさそうにする彼。
この辺でこの話を切り上げないとお互い気まずくなるだけだ。
私はそう思って彼に話をした。
「でも、もう何もないのだから良いと思いますよ。またお仕事でご一緒になるかもしれない人なんじゃないかなって今はそう思います」
「有難う御座います。僕は決して茜さんを苦しめたりはしない。それだけは約束しますから」
「はい。じゃ取り敢えず喉が渇いたので近くの喫茶店でも行きましょうか」
はい、と明るい声に変わった彼。私があの林って人の事について色々考えたって仕方がない。
それより折角の旅行なのだから楽しく過ごしたい。
そう思っていた。
その日の夜最後だということでホテルの屋上に言って二人だけワインを飲みながらハワイの夜空を眺めんがら、いいムードになってそのままホテルの部屋に戻り大人の時間を過ごした。
過去か過去、彼の未来には私が隣にいる。
こうして彼が私の事を抱いているように未来は私が居るのだ。
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