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番外編 誕生するイノチ
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私が妊娠してから数か月……やっと、やっと安定期に入った。
彼は私の身体を心配してお手伝いさんを雇って部屋の事を全部やるように命じてしまっていたのでお蔭様で体重が大変なことになってしまった。
産婦人科の定期受診の際『ちょっと太り過ぎですね』と主治医の先生に言われる始末。
これも全て過保護過ぎる彼の所為……だなんて言える訳もなく。
「はい、ちょっと運動をします」
「あまり急に運動してもお腹の赤ちゃんに負担になりますので、簡単な……家事とか、そういう軽めの運動にしてくださいね」
……家事……家事しよう。
その夜定期受診の事が気になる彼は家に帰って来るなり私に訊ねて来た。
「どうでした? 平気ですか?」
「……ちょっと太り過ぎって言われました」
「え…? それはお腹の赤ちゃんが立派に育ってるってことでしょうか?」
「いえ、基本体重より5キロオーバーって言われたんです。それで主治医の先生が軽い運動をして体重を落とすように言われました」
「そうなんですか。でも大事に育ってくれて嬉しいですっ」
かばんを下に置いて私の所へ片膝をついてお腹に耳を当てながら喜ぶ彼。
嬉しそうにしている彼に私は家事をすることを言った。
「でも、お腹の赤ちゃんに悪いんじゃ? あまり無理して家事をする必要はないと…」
「ちょっとくらい動いた方が良いんです。それにこれ以上体重が増えると返ってお腹の子に響きますし、それに出てくる時大変だって先生が言ってました。なので、明日から私も家事をしたり外に散歩に出掛けたりしますから」
「そんなに急に動かなくても……」
ダメです、と強めの口調に言うと彼はしんなりとなって肩を落とした。
そう心配しなくても私は大丈夫だからと言っても彼は納得してくれない。
本当に……産むのは私なんだから少しくらい信用してくれてもいいじゃない、とのどの先まで出かかったがぐっと堪えた。
それで喧嘩しても仕方がないと思ったのだ。
「心配してくれるのは嬉しいですけど、大丈夫ですから。それに何かあったら連絡しますし」
「分かりました。でも家政婦さんはそのまま続けさせてもいいでしょ? 何かあったときに誰か傍に居た方が僕が安心なんです」
それもそうか、私は家政婦…今でいうハウスキーパーさんの出入りに応じた。
確かに何かあったときに誰かいてくるのは心強い。
それに今着てくれている人は私とそうと歳が変わらない若い人で、彼に黙ってこっそりお茶したり、話を訊いて貰ったりしてくれているのだ。
「なるべく負担にならないよう頑張ります、だから安心してお仕事してください。涼太さん」
「茜さん。本当に何かあったら連絡下さいね?」
「はいはい。分かりました」
私はそう言って彼の背中を撫でていた。
彼は跪いたまま私のお腹を優しく抱き着いた。嬉しいんだろうな、子供が生まれてくることが。
そんな彼の姿を見て私は笑ってしまったのだった。
彼は私の身体を心配してお手伝いさんを雇って部屋の事を全部やるように命じてしまっていたのでお蔭様で体重が大変なことになってしまった。
産婦人科の定期受診の際『ちょっと太り過ぎですね』と主治医の先生に言われる始末。
これも全て過保護過ぎる彼の所為……だなんて言える訳もなく。
「はい、ちょっと運動をします」
「あまり急に運動してもお腹の赤ちゃんに負担になりますので、簡単な……家事とか、そういう軽めの運動にしてくださいね」
……家事……家事しよう。
その夜定期受診の事が気になる彼は家に帰って来るなり私に訊ねて来た。
「どうでした? 平気ですか?」
「……ちょっと太り過ぎって言われました」
「え…? それはお腹の赤ちゃんが立派に育ってるってことでしょうか?」
「いえ、基本体重より5キロオーバーって言われたんです。それで主治医の先生が軽い運動をして体重を落とすように言われました」
「そうなんですか。でも大事に育ってくれて嬉しいですっ」
かばんを下に置いて私の所へ片膝をついてお腹に耳を当てながら喜ぶ彼。
嬉しそうにしている彼に私は家事をすることを言った。
「でも、お腹の赤ちゃんに悪いんじゃ? あまり無理して家事をする必要はないと…」
「ちょっとくらい動いた方が良いんです。それにこれ以上体重が増えると返ってお腹の子に響きますし、それに出てくる時大変だって先生が言ってました。なので、明日から私も家事をしたり外に散歩に出掛けたりしますから」
「そんなに急に動かなくても……」
ダメです、と強めの口調に言うと彼はしんなりとなって肩を落とした。
そう心配しなくても私は大丈夫だからと言っても彼は納得してくれない。
本当に……産むのは私なんだから少しくらい信用してくれてもいいじゃない、とのどの先まで出かかったがぐっと堪えた。
それで喧嘩しても仕方がないと思ったのだ。
「心配してくれるのは嬉しいですけど、大丈夫ですから。それに何かあったら連絡しますし」
「分かりました。でも家政婦さんはそのまま続けさせてもいいでしょ? 何かあったときに誰か傍に居た方が僕が安心なんです」
それもそうか、私は家政婦…今でいうハウスキーパーさんの出入りに応じた。
確かに何かあったときに誰かいてくるのは心強い。
それに今着てくれている人は私とそうと歳が変わらない若い人で、彼に黙ってこっそりお茶したり、話を訊いて貰ったりしてくれているのだ。
「なるべく負担にならないよう頑張ります、だから安心してお仕事してください。涼太さん」
「茜さん。本当に何かあったら連絡下さいね?」
「はいはい。分かりました」
私はそう言って彼の背中を撫でていた。
彼は跪いたまま私のお腹を優しく抱き着いた。嬉しいんだろうな、子供が生まれてくることが。
そんな彼の姿を見て私は笑ってしまったのだった。
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