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過去の男1
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なんでこんなことになったんだろう……。
ため息ももう何度目かわからない。
都内の自宅を出てから電車を三回乗り換えて二時間以上。周囲は日本の古き良き故郷といった感じの、映画やドラマに出てくるような農村の風景に変わっている。
植えて間もない田んぼに目にも鮮やかな緑の山々、合間に集落が点在している。
こういうところの子どもって学校まで何キロくらい歩くんだろう。歩いて十五分じゃ着かないよな。
こんなド田舎にどうして来る気になってしまったのか。いや、原因なんかわかっている。こんな山奥に引っ越す決心をした原因は、恋人の大友彰一だ。
いやもう元恋人だ。
今ごろはバリ島のチャペルで誓いの言葉とやらを聞いているに違いない。
生涯を誓います。なんて薄っぺらい言葉だろう。
ゲイであることを隠して、世間体だか親だかのために結婚を選んだ元恋人の顔を思い出してしまい、きつくかぶりを振った。
あんな男のことなど、忘れてしまおうと思っている。でも六年もつき合った相手をそうそう簡単に忘れられるはずもない。それでも忘れなければ。
そのために仕事も辞める決心で、あいつと顔を合わせる可能性のないこんなド田舎まで移住体験に来たのだから。
一ヶ月前の夜を思い出してしまい、富和灯里は切れそうなほど唇を噛みしめた。
「灯里、あのさぁ。結婚しようと思うんだ」
なじみのホテルでねっとり濃厚なセックスのあと、大友は身構えるでもなく深刻になるでもなくいつもの気軽さで告げた。
まだ快楽の余韻にざわめきが残る体をシーツに投げ出してぼんやりしていた灯里は、その意味をつかみ損ねて無邪気に尋ねた。
「へえ、誰が?」
「ん、俺が」
悪びれないいつもの笑顔で大友は灯里の背中を撫でる。
結婚…、俺がって? 灯里はきょとんと目を丸くした。
そうやって目を見開くともともと丸くて大きな目がこぼれ落ちそうになる。
黙っていればきれいな顔でじゅうぶん通じる灯里だが、その丸い目と気が強いところがかわいいと性別を問わずに言われてしまうことが多い。
しかもやわらかな髪質と細身の体つきのせいで、一七二センチという実際の高さよりも小さく見られがちだ。大友にもそこがかわいいとしょっちゅう言われてきた。
その大きな目を灯里はぱしぱしと瞬いた。
「はあ?」
ようやくその意味を理解した灯里が驚いて体を起こした。それを見た大友は芝居じみた仕草で両手を上げる。
「やだな、そんな驚くなよ。俺ももうすぐ三十七だよ。結婚の遅い業界だけど、そろそろ遊びは終わりにしとけって周りもうるさくなってきたしな」
男が勤めているのは大手広告代理店だ。大抵のことは面白がる体質の業界だから、遊び上手で恋愛にも仕事にも積極的なタイプが多い。
結婚は早い奴も遅い奴もいるが、圧倒的に遅い奴が多くて離婚も浮気も不倫も多角関係も多い業界だった。
「心配しなくていいよ。灯里とは別れないから」
「は?」
「結婚くらいで変わらないって言ってんの」
「どういうことだよ」
「結婚するけど、俺が好きなのは灯里だよ。このまま続けていこうな」
なんだそれ。
「おれは愛人ってことかよ」
大友は吹き出した。
「愛人って! 面白いこと言うなあ。でもまあ、立場としては愛人か? 正妻はさすがに無理だもんなあ」
のんきな言いように呆れて思考も止まりがちだ。
いつの間に彼女なんか作ってたんだ? しかも結婚?
能天気にも結婚しても愛人として続けようなんて言い出す男に、何を言ってやったらいいのかわからなくなる。
「つーか、嫁になる女の立場はどうなんだよ。ていうか、そもそもあんた、女もイケたの?」
「まあ目をつぶればなんとか。嫁は嫁で一部上場企業のエリートと結婚したいだけだから、べつに俺じゃなくてもいいみたいだけど、顔がかわいいし浮気に目くじら立てるほど馬鹿じゃないし、まあいいかなと思って」
エリートって自分で言うなよ。
しかも浮気っておれのことかよ?
ムッとするが相手はしゃあしゃあとした態度で、灯里の気持ちなどまったく理解していない。
「とにかく一回結婚しないと、親が納得しないみたいなんだよな。頭硬くて参るよ、結婚できて一人前っていまだに思ってるとこあるからさ。まあ一年くらい結婚ごっこしたら、彼女も飽きるだろうし、そしたら子供作る前に円満離婚もいいかな」
呆れて物も言えないとはこのことだ。
相手は隣の部署の派遣社員で二十五歳の女性だという。一回りも年下の女性を選んだのは、相手も見切りをつけやすいようにという、わかったようなわからんような理由だった。
「だって三十代の女性なんかと結婚してずるずるしがみつかれても困るだろ? その年齢だとすぐに子供欲しいとか言いそうだしさ。子供なんかできてみろ、それを盾に結婚にしがみつくじゃん。でも若い子なら子供はしばらく先でいいだろうし、俺に飽きたらさっさと離婚して次に行くさ」
最初から離婚予定込みの結婚だと匂わされて、それを喜べばいいのかよくわからない。
その若い派遣社員がすぐに子供を欲しがるタイプかもしれないじゃないか。この男の打算的なところや露悪的なところを灯里は好きだったけれど、こういうやり方は嫌悪感が湧いた。
しかも結婚式はひと月後だという。
式の準備は相手に丸投げしたとかで、バリ島でリゾートウェディングらしい。
キリスト教徒でもないのに、海外のチャペルで結婚式だあ? バカじゃないのか。行きの飛行機が落ちてしまえばいいのに。
「お前も、えーと二十七になるんだっけ? そろそろ親もうるさくなってきたんじゃないのか?」
「おれのうちは放任主義で成人した子供に口なんか出さないよ」
せめてもの嫌みを言ってやったら、大友は本気でうらやましそうな口ぶりで言った。
「いいよなあ、お前んちは。俺の親にも見習わせたいね。こんなに離婚率が高い世の中になってんのに、いまだに結婚なんかに夢見てるとか笑わせるよね」
何を言いかえす気力も無くて、身を起こした。話が通じる気がしない。
バスルームに向かう灯里に、帰るのか?と声がかかる。こんな話を聞かされて、まだ一緒に泊まるつもりなのかと呆れた。
「もう終わりだろ、帰るに決まってんだろ」
「何だよ、終わりって、何聞いてたんだよ。結婚なんか意味はない、俺が好きなのはお前だし、これからもよろしくって話をしたんだろ?」
「あんたはそうでもおれは嫌だ。愛人扱いもごめんだし、きょうで終わり、さよならだよ」
「そんなつれないこと言うなよ。なあ、怒ったのか?」
怒らないとでも思ってたのか。大友の図太さに怒りで腹の底が熱くなる。
「とにかく、あんたとは終わりにするから」
怒り心頭でくらくらきそうな頭をシャワーで冷やしたが、まったく治まらず、その日は速攻で家に帰った。
大友は灯里が服を着る間も色々と言い訳めいたことを言っていたが、本気で怒っていると感じ取ったらしく、肩をすくめて見送った。
今までにケンカは数えきれないほどしたが、相手が引き留めるのを振り切って帰ったのは初めてだった。
ため息ももう何度目かわからない。
都内の自宅を出てから電車を三回乗り換えて二時間以上。周囲は日本の古き良き故郷といった感じの、映画やドラマに出てくるような農村の風景に変わっている。
植えて間もない田んぼに目にも鮮やかな緑の山々、合間に集落が点在している。
こういうところの子どもって学校まで何キロくらい歩くんだろう。歩いて十五分じゃ着かないよな。
こんなド田舎にどうして来る気になってしまったのか。いや、原因なんかわかっている。こんな山奥に引っ越す決心をした原因は、恋人の大友彰一だ。
いやもう元恋人だ。
今ごろはバリ島のチャペルで誓いの言葉とやらを聞いているに違いない。
生涯を誓います。なんて薄っぺらい言葉だろう。
ゲイであることを隠して、世間体だか親だかのために結婚を選んだ元恋人の顔を思い出してしまい、きつくかぶりを振った。
あんな男のことなど、忘れてしまおうと思っている。でも六年もつき合った相手をそうそう簡単に忘れられるはずもない。それでも忘れなければ。
そのために仕事も辞める決心で、あいつと顔を合わせる可能性のないこんなド田舎まで移住体験に来たのだから。
一ヶ月前の夜を思い出してしまい、富和灯里は切れそうなほど唇を噛みしめた。
「灯里、あのさぁ。結婚しようと思うんだ」
なじみのホテルでねっとり濃厚なセックスのあと、大友は身構えるでもなく深刻になるでもなくいつもの気軽さで告げた。
まだ快楽の余韻にざわめきが残る体をシーツに投げ出してぼんやりしていた灯里は、その意味をつかみ損ねて無邪気に尋ねた。
「へえ、誰が?」
「ん、俺が」
悪びれないいつもの笑顔で大友は灯里の背中を撫でる。
結婚…、俺がって? 灯里はきょとんと目を丸くした。
そうやって目を見開くともともと丸くて大きな目がこぼれ落ちそうになる。
黙っていればきれいな顔でじゅうぶん通じる灯里だが、その丸い目と気が強いところがかわいいと性別を問わずに言われてしまうことが多い。
しかもやわらかな髪質と細身の体つきのせいで、一七二センチという実際の高さよりも小さく見られがちだ。大友にもそこがかわいいとしょっちゅう言われてきた。
その大きな目を灯里はぱしぱしと瞬いた。
「はあ?」
ようやくその意味を理解した灯里が驚いて体を起こした。それを見た大友は芝居じみた仕草で両手を上げる。
「やだな、そんな驚くなよ。俺ももうすぐ三十七だよ。結婚の遅い業界だけど、そろそろ遊びは終わりにしとけって周りもうるさくなってきたしな」
男が勤めているのは大手広告代理店だ。大抵のことは面白がる体質の業界だから、遊び上手で恋愛にも仕事にも積極的なタイプが多い。
結婚は早い奴も遅い奴もいるが、圧倒的に遅い奴が多くて離婚も浮気も不倫も多角関係も多い業界だった。
「心配しなくていいよ。灯里とは別れないから」
「は?」
「結婚くらいで変わらないって言ってんの」
「どういうことだよ」
「結婚するけど、俺が好きなのは灯里だよ。このまま続けていこうな」
なんだそれ。
「おれは愛人ってことかよ」
大友は吹き出した。
「愛人って! 面白いこと言うなあ。でもまあ、立場としては愛人か? 正妻はさすがに無理だもんなあ」
のんきな言いように呆れて思考も止まりがちだ。
いつの間に彼女なんか作ってたんだ? しかも結婚?
能天気にも結婚しても愛人として続けようなんて言い出す男に、何を言ってやったらいいのかわからなくなる。
「つーか、嫁になる女の立場はどうなんだよ。ていうか、そもそもあんた、女もイケたの?」
「まあ目をつぶればなんとか。嫁は嫁で一部上場企業のエリートと結婚したいだけだから、べつに俺じゃなくてもいいみたいだけど、顔がかわいいし浮気に目くじら立てるほど馬鹿じゃないし、まあいいかなと思って」
エリートって自分で言うなよ。
しかも浮気っておれのことかよ?
ムッとするが相手はしゃあしゃあとした態度で、灯里の気持ちなどまったく理解していない。
「とにかく一回結婚しないと、親が納得しないみたいなんだよな。頭硬くて参るよ、結婚できて一人前っていまだに思ってるとこあるからさ。まあ一年くらい結婚ごっこしたら、彼女も飽きるだろうし、そしたら子供作る前に円満離婚もいいかな」
呆れて物も言えないとはこのことだ。
相手は隣の部署の派遣社員で二十五歳の女性だという。一回りも年下の女性を選んだのは、相手も見切りをつけやすいようにという、わかったようなわからんような理由だった。
「だって三十代の女性なんかと結婚してずるずるしがみつかれても困るだろ? その年齢だとすぐに子供欲しいとか言いそうだしさ。子供なんかできてみろ、それを盾に結婚にしがみつくじゃん。でも若い子なら子供はしばらく先でいいだろうし、俺に飽きたらさっさと離婚して次に行くさ」
最初から離婚予定込みの結婚だと匂わされて、それを喜べばいいのかよくわからない。
その若い派遣社員がすぐに子供を欲しがるタイプかもしれないじゃないか。この男の打算的なところや露悪的なところを灯里は好きだったけれど、こういうやり方は嫌悪感が湧いた。
しかも結婚式はひと月後だという。
式の準備は相手に丸投げしたとかで、バリ島でリゾートウェディングらしい。
キリスト教徒でもないのに、海外のチャペルで結婚式だあ? バカじゃないのか。行きの飛行機が落ちてしまえばいいのに。
「お前も、えーと二十七になるんだっけ? そろそろ親もうるさくなってきたんじゃないのか?」
「おれのうちは放任主義で成人した子供に口なんか出さないよ」
せめてもの嫌みを言ってやったら、大友は本気でうらやましそうな口ぶりで言った。
「いいよなあ、お前んちは。俺の親にも見習わせたいね。こんなに離婚率が高い世の中になってんのに、いまだに結婚なんかに夢見てるとか笑わせるよね」
何を言いかえす気力も無くて、身を起こした。話が通じる気がしない。
バスルームに向かう灯里に、帰るのか?と声がかかる。こんな話を聞かされて、まだ一緒に泊まるつもりなのかと呆れた。
「もう終わりだろ、帰るに決まってんだろ」
「何だよ、終わりって、何聞いてたんだよ。結婚なんか意味はない、俺が好きなのはお前だし、これからもよろしくって話をしたんだろ?」
「あんたはそうでもおれは嫌だ。愛人扱いもごめんだし、きょうで終わり、さよならだよ」
「そんなつれないこと言うなよ。なあ、怒ったのか?」
怒らないとでも思ってたのか。大友の図太さに怒りで腹の底が熱くなる。
「とにかく、あんたとは終わりにするから」
怒り心頭でくらくらきそうな頭をシャワーで冷やしたが、まったく治まらず、その日は速攻で家に帰った。
大友は灯里が服を着る間も色々と言い訳めいたことを言っていたが、本気で怒っていると感じ取ったらしく、肩をすくめて見送った。
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