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付与魔術師は無鉄砲剣士を愛してる(ファンタジー)
付与魔術師は無鉄砲剣士を愛してる
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いつも俺の反対のことを言う男、付与魔術師ギヴン・ビストウ。
付与魔術師は、火の精、水の精、木の精、土の精、風の精などの自然界の精霊から力を借りて、人や武器に属性を付与できる魔術師だ。
見た目はごく普通のひょろっとした男。でも、付与魔術師としては有能。
ギヴンは、俺がやることなすこと、眉間にふかーくしわを寄せて、反対する。
俺がまっすぐに川を突っ切ろうと言えば、迂回して橋を渡ったほうがいいと言い。
俺がこの宿にしようと言えば、あちらの宿のほうが清潔で客層もいいと言い、せめて女はあちらに泊まるべきだと言い。
俺が新しく知り合った男を旅の仲間に加えようと言えば怪しいからやめたほうがいいと言い。
あとになって、ぜーんぶ、ギヴンが正しかったとわかる。
その川は川幅の途中で急に深くなって溺れ死ぬものが後を絶たないだとか。
俺が泊まろうとした宿は悪党がやっていて、夜寝入ったところで物を盗まれるだとか、悪ければ殺されるだとか、そんな宿だったとか。
俺が仲間に加えようとしたのは、強姦、強盗、殺人で指名手配されている男だった、とか。
どんなにギヴンが正しくても、むかつく。
いや、正しいからこそ、むかつく。
俺たちは、冒険者のパーティー。
リーダーの俺、イグニス・フラマは、火の精霊の加護を受けた剣士。ほかに弓使い、格闘家、治癒魔術師がいる。そして、付与魔術師のギヴン。
いろんなとこを巡って、依頼を受ける。
失せ物探し、人探し、犬猫探し。危ない場所の鉱物や薬草を採ってくるとか。
一番多いのはやっぱり魔獣討伐。
今日も、ギヴンは、俺の意見に反対。
新しくきた村で、俺が引き受けた依頼に、眉根を寄せて文句をつけてくる。こんなに俺に反対するなら、なんで俺のパーティーにいるわけ?
まあ、ギヴンがいなきゃ、うちの隊はとっくに壊滅してるわけだけども。
今日の依頼は、最近、家のそばの川に魔獣がうろつくようになり、怖くてうかうかと家から出られなくなってしまったという、おばあさんからの依頼だった。
「おばあさんは水を掛けられたのだから、その魔獣は水属性だろう? あなたは火属性だし、私たちでは、分が悪い」
「成功報酬が安すぎて誰も引き受けてくれないって、かわいそうじゃん。もう引き受けちまったしさ。おばあさんのこと、助けてやりたいって思わねえの?」
「それなら、準備に万全をきすべきだ」
「犬ぐらいの大きさの魔獣だぜ!? じゃあ、ギヴンは留守番してろよ! 俺たちだけで行ってくるから!」
やっちまった。なーんで俺は、ギヴン相手だとこんなに意地を張っちまうんだろう。
ギヴンはギヴンで、何事もなかったように隊の一番うしろからしれっと付いてくるし。
クソ、またかよ。
また、ギヴンが正しかったわけだ。
犬ぐらいの大きさの水属性の魔獣っていうのは、つまり、それの百倍はくだらない魔獣の成獣の子供だったってわけ。
子供を討伐したら、その親が出てきてしまった。
ギヴンと俺のほかは、みんな逃がした。
俺らも逃げたいとこだけど、背中を向けた瞬間に、やられる。もう、それはわかる。仲間を逃がすので精一杯だ。
「ギヴン! お前も逃げろ! 俺が足止めするから!」
「あなたの火だけでは無理だ」
ギヴンが、木属性を俺に触れて付与する。付与魔術師は対象に触れないと、効果を付与できないのだ。
でも、俺のもとが火属性だから、ほとんど相殺してしまう。
絶対絶命ってやつ。
魔獣の鋭い牙や、鋭い爪が、俺たちに迫る。
今日、俺は死ぬ運命らしい。
「ギヴン! お前を逃がすことぐらいはできる!! 早く行っちまえ!!」
しかし、ギヴンが、魔獣のほうに猛然と突進していった。
死ぬ気かよ!?
「おい! 馬鹿! 何やってんだよ!!?」
ギヴンが、魔獣に触れた。
魔獣が緑色の光に包まれ淡く光り、木属性が付与される。
「イグニス! 炎で焼くんだ!」
「離れろ! ギヴン!」
次の瞬間、魔獣の前足の強烈な一撃がギヴンを襲い、ギヴンはぶっ飛ばされた。
「くっそ!!」
俺は、がむしゃらに走り、木属性になった魔獣に、炎の剣を振り下ろした。
魔獣が、燃えて、どうっと倒れた。
巨獣の体が、地面を揺るがす。
ギヴンは、ぶっ飛ばされて地面に転がっている。俺の心臓がどくんと大きく跳ねた。
ギヴンは、ぴくりとも動かない。
怖い、たまらなく、怖い。恐ろしくって仕方が無い。
俺は、震える足を無理やり動かし、ギヴンに駆け寄った。
「ギヴン……!!」
「イ……ニス……」
見おろしたギヴンの姿に、心臓が止まりそうになる。
今にも、生気の消えてしまいそうな目。血をはいて真っ赤になった口からは、吐息のような声。
「無事で……よか……」
無事で、よかっただと!?
「死ぬなよ! 死ぬな! な、なんで逃げなかったんだよ!! 俺のことなんて、嫌いなくせに……!」
「いや……すき……だった、ずっと」
「な、何言ってんだよ!?」
ギヴンは、ふっと笑うとすうっと目を閉じた。
「ギヴンーー!!!」
魔獣退治から一週間。
ギヴンは、村の宿屋のベッドの上で上体を起こしていた。
魔獣にぶっ飛ばされ、鎖骨、肋骨、腕の骨、ギヴンの上半身の骨はばきばきに折れていた。あと少し運が悪ければ、折れた骨が心臓に突き刺さっていたそうだ。
それを、治癒魔術師のケアラが、毎日回復魔法をかけて治療している。
「ふう……」
体内にためていた魔力を使い果たしたケアラが、大きく息をついて自身の額の汗をぬぐった。
「やっと骨が全部くっついたわ。仕上げは明日ね」
ケアラが眠そうにふにゃっと笑うと、ギヴンはありがとうと礼を述べた。
ケアラが、大あくびをする。
「私、寝てくるわね」
今にも眠ってしまいそうなケアラが部屋を出ていくと、部屋には、俺とギヴンだけになった。
「骨、くっついたってな」
「……そうだな」
沈黙。
なんでお前が残ってるのかって、ギヴンがそういう目をしてる。
「俺も考えたんだけどさ」
「……何をだ?」
ギヴンが、眉根を寄せて俺を見る。
いつも反対意見を言うときと同じ顔。だけど、いつもは不機嫌そうだと思って見てたけど、今日は違って見えた。
ああ、この顔って、不安なときにしてるのかもって。
「ギヴン、今までのこと、本当に悪かった。これからは、お前の言うこと、ちゃんと聞く」
俺、馬鹿みたいに対抗心燃やして、馬鹿だった。
「え? あ、ああ……」
「ギヴンが死ななくて、良かった」
ギヴンが死ぬ、と思ったら、怖くてたまらなかった。
自分が死ぬよりも、もっと。
一呼吸置いて、もう一つの言わなくてはいけないことを言うために、口を開いた。
「あともう一つ考えてたんだけど」
ギヴンが再び、眉間にしわを寄せる。
「何を?」
「ギヴンが、俺のこと、好きだってやつ」
俺が言うと、ギヴンが驚愕に目を見開き、次の瞬間、激しくげほげほとむせ込んだ。
「お、おい、大丈夫かよ!?」
くっついたばっかの骨、また離れちまうんじゃねえの!?
ギヴンが手のひらを俺に向けて、大丈夫だと示している。
むせていたのが落ち着くと、目をうるませ、黒目を揺らして、しどろもどろに言った。
「そ、れは、仲間として、という、意味で……!!」
いやいやいや、顔真っ赤にして、めっちゃ動揺してるじゃん。
本当に、俺のこと、好きなんだ。
なんだよ、めっちゃかわいいじゃん。
俺は、ギヴンの真っ赤になっている頬を両手で包んで、目を白黒させているギヴンの唇に、自分の唇を重ねた。
おわり
初出:2025/07/25
付与魔術師は、火の精、水の精、木の精、土の精、風の精などの自然界の精霊から力を借りて、人や武器に属性を付与できる魔術師だ。
見た目はごく普通のひょろっとした男。でも、付与魔術師としては有能。
ギヴンは、俺がやることなすこと、眉間にふかーくしわを寄せて、反対する。
俺がまっすぐに川を突っ切ろうと言えば、迂回して橋を渡ったほうがいいと言い。
俺がこの宿にしようと言えば、あちらの宿のほうが清潔で客層もいいと言い、せめて女はあちらに泊まるべきだと言い。
俺が新しく知り合った男を旅の仲間に加えようと言えば怪しいからやめたほうがいいと言い。
あとになって、ぜーんぶ、ギヴンが正しかったとわかる。
その川は川幅の途中で急に深くなって溺れ死ぬものが後を絶たないだとか。
俺が泊まろうとした宿は悪党がやっていて、夜寝入ったところで物を盗まれるだとか、悪ければ殺されるだとか、そんな宿だったとか。
俺が仲間に加えようとしたのは、強姦、強盗、殺人で指名手配されている男だった、とか。
どんなにギヴンが正しくても、むかつく。
いや、正しいからこそ、むかつく。
俺たちは、冒険者のパーティー。
リーダーの俺、イグニス・フラマは、火の精霊の加護を受けた剣士。ほかに弓使い、格闘家、治癒魔術師がいる。そして、付与魔術師のギヴン。
いろんなとこを巡って、依頼を受ける。
失せ物探し、人探し、犬猫探し。危ない場所の鉱物や薬草を採ってくるとか。
一番多いのはやっぱり魔獣討伐。
今日も、ギヴンは、俺の意見に反対。
新しくきた村で、俺が引き受けた依頼に、眉根を寄せて文句をつけてくる。こんなに俺に反対するなら、なんで俺のパーティーにいるわけ?
まあ、ギヴンがいなきゃ、うちの隊はとっくに壊滅してるわけだけども。
今日の依頼は、最近、家のそばの川に魔獣がうろつくようになり、怖くてうかうかと家から出られなくなってしまったという、おばあさんからの依頼だった。
「おばあさんは水を掛けられたのだから、その魔獣は水属性だろう? あなたは火属性だし、私たちでは、分が悪い」
「成功報酬が安すぎて誰も引き受けてくれないって、かわいそうじゃん。もう引き受けちまったしさ。おばあさんのこと、助けてやりたいって思わねえの?」
「それなら、準備に万全をきすべきだ」
「犬ぐらいの大きさの魔獣だぜ!? じゃあ、ギヴンは留守番してろよ! 俺たちだけで行ってくるから!」
やっちまった。なーんで俺は、ギヴン相手だとこんなに意地を張っちまうんだろう。
ギヴンはギヴンで、何事もなかったように隊の一番うしろからしれっと付いてくるし。
クソ、またかよ。
また、ギヴンが正しかったわけだ。
犬ぐらいの大きさの水属性の魔獣っていうのは、つまり、それの百倍はくだらない魔獣の成獣の子供だったってわけ。
子供を討伐したら、その親が出てきてしまった。
ギヴンと俺のほかは、みんな逃がした。
俺らも逃げたいとこだけど、背中を向けた瞬間に、やられる。もう、それはわかる。仲間を逃がすので精一杯だ。
「ギヴン! お前も逃げろ! 俺が足止めするから!」
「あなたの火だけでは無理だ」
ギヴンが、木属性を俺に触れて付与する。付与魔術師は対象に触れないと、効果を付与できないのだ。
でも、俺のもとが火属性だから、ほとんど相殺してしまう。
絶対絶命ってやつ。
魔獣の鋭い牙や、鋭い爪が、俺たちに迫る。
今日、俺は死ぬ運命らしい。
「ギヴン! お前を逃がすことぐらいはできる!! 早く行っちまえ!!」
しかし、ギヴンが、魔獣のほうに猛然と突進していった。
死ぬ気かよ!?
「おい! 馬鹿! 何やってんだよ!!?」
ギヴンが、魔獣に触れた。
魔獣が緑色の光に包まれ淡く光り、木属性が付与される。
「イグニス! 炎で焼くんだ!」
「離れろ! ギヴン!」
次の瞬間、魔獣の前足の強烈な一撃がギヴンを襲い、ギヴンはぶっ飛ばされた。
「くっそ!!」
俺は、がむしゃらに走り、木属性になった魔獣に、炎の剣を振り下ろした。
魔獣が、燃えて、どうっと倒れた。
巨獣の体が、地面を揺るがす。
ギヴンは、ぶっ飛ばされて地面に転がっている。俺の心臓がどくんと大きく跳ねた。
ギヴンは、ぴくりとも動かない。
怖い、たまらなく、怖い。恐ろしくって仕方が無い。
俺は、震える足を無理やり動かし、ギヴンに駆け寄った。
「ギヴン……!!」
「イ……ニス……」
見おろしたギヴンの姿に、心臓が止まりそうになる。
今にも、生気の消えてしまいそうな目。血をはいて真っ赤になった口からは、吐息のような声。
「無事で……よか……」
無事で、よかっただと!?
「死ぬなよ! 死ぬな! な、なんで逃げなかったんだよ!! 俺のことなんて、嫌いなくせに……!」
「いや……すき……だった、ずっと」
「な、何言ってんだよ!?」
ギヴンは、ふっと笑うとすうっと目を閉じた。
「ギヴンーー!!!」
魔獣退治から一週間。
ギヴンは、村の宿屋のベッドの上で上体を起こしていた。
魔獣にぶっ飛ばされ、鎖骨、肋骨、腕の骨、ギヴンの上半身の骨はばきばきに折れていた。あと少し運が悪ければ、折れた骨が心臓に突き刺さっていたそうだ。
それを、治癒魔術師のケアラが、毎日回復魔法をかけて治療している。
「ふう……」
体内にためていた魔力を使い果たしたケアラが、大きく息をついて自身の額の汗をぬぐった。
「やっと骨が全部くっついたわ。仕上げは明日ね」
ケアラが眠そうにふにゃっと笑うと、ギヴンはありがとうと礼を述べた。
ケアラが、大あくびをする。
「私、寝てくるわね」
今にも眠ってしまいそうなケアラが部屋を出ていくと、部屋には、俺とギヴンだけになった。
「骨、くっついたってな」
「……そうだな」
沈黙。
なんでお前が残ってるのかって、ギヴンがそういう目をしてる。
「俺も考えたんだけどさ」
「……何をだ?」
ギヴンが、眉根を寄せて俺を見る。
いつも反対意見を言うときと同じ顔。だけど、いつもは不機嫌そうだと思って見てたけど、今日は違って見えた。
ああ、この顔って、不安なときにしてるのかもって。
「ギヴン、今までのこと、本当に悪かった。これからは、お前の言うこと、ちゃんと聞く」
俺、馬鹿みたいに対抗心燃やして、馬鹿だった。
「え? あ、ああ……」
「ギヴンが死ななくて、良かった」
ギヴンが死ぬ、と思ったら、怖くてたまらなかった。
自分が死ぬよりも、もっと。
一呼吸置いて、もう一つの言わなくてはいけないことを言うために、口を開いた。
「あともう一つ考えてたんだけど」
ギヴンが再び、眉間にしわを寄せる。
「何を?」
「ギヴンが、俺のこと、好きだってやつ」
俺が言うと、ギヴンが驚愕に目を見開き、次の瞬間、激しくげほげほとむせ込んだ。
「お、おい、大丈夫かよ!?」
くっついたばっかの骨、また離れちまうんじゃねえの!?
ギヴンが手のひらを俺に向けて、大丈夫だと示している。
むせていたのが落ち着くと、目をうるませ、黒目を揺らして、しどろもどろに言った。
「そ、れは、仲間として、という、意味で……!!」
いやいやいや、顔真っ赤にして、めっちゃ動揺してるじゃん。
本当に、俺のこと、好きなんだ。
なんだよ、めっちゃかわいいじゃん。
俺は、ギヴンの真っ赤になっている頬を両手で包んで、目を白黒させているギヴンの唇に、自分の唇を重ねた。
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