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第十五話
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第十五話
美しい灯篭が空を舞い、街は普段よりきらびやかに着飾った人々で溢れていた。
秋の収穫祭は賑やかな夜を迎え、あちこちから楽しげな声が聞こえる。目深にかぶったフードからキラキラと輝く街並みを眺めているだけで心が踊った。
「…あっ…。」
キョロキョロと周りを見ているうちに人波に飲まれそうになった私の手を大きな手が掴んだ。
「危ない。よそ見をするな。」
「すみません、つい楽しくて。」
初めて手を繋いだのに、私たちの雰囲気はまだぎこちない。目が合ってもすぐにそらされてしまうし、大事な話もできないまま。
「シュウ様、私甘いものが食べたいです。」
それでも、忙しい彼が私のために時間を作ってくれたことが嬉しくて、この時間がずっと続けばいいのにと思ってしまう。
「うん、美味しい!」
屋台で買ったゴマ団子は揚げたてで、噛むと香ばしい胡麻の香りが口いっぱいに広がる。あんこは甘すぎずいくらでも食べられそうだ。人混みから少し離れた路地裏で私達は食べ歩きを楽しんでいた。
「…この間の菓子のほうが美味しかった。」
あの日イアン殿下から私の菓子を商品として販売しないかと言われたことを手紙にしたためた。その手紙とともにシュウ様にも同じお菓子を送ったのだ。
「食べて下さったんですね。良かった。」
もしかしたら食べてもらえなかったのかと思った。その後、なんの返事ももらえなかったから。
「すぐに返事を書こうと思ったんだ。急に他国からの来賓が決まって警備の計画を練り直さねばならなくなった。本当なんだ…。」
今日のシュウ様は驚くほど口数が多い。
「どうかしたか?」
「いえ…今日のシュウ様は饒舌ですね。なにかあったのですか?」
グッと眉間に皺を寄せ、シュウ様は目をつむった。
「もっと…思ったことを話さなければいけないと皆に言われた。このままでは結婚する前に君に愛想を尽かされると脅されたんだ。」
側近のユノさん、侍女のリン、そして執事のヤンまで毎日シュウ様に助言という名の説教をしに行っていたらしい。最近、リンたちが度々出掛けていたのはそのせいだったのか。
「知りませんでした。でも先に愛想を尽かされるのは私かもしれないのに。」
「違う…そんなことはあり得ない。」
ならどうしてあの時あんなにお怒りだったんですか?本当に疲れていただけですか?そう聞きたくても聞けない自分は臆病だ。
「………、………………。」
気まずい沈黙が落ちる。今日もこのまま時間だけが過ぎてしまうんだろうか。
「…行こう。」
私が食べ終わるのも待たず、シュウ様は立ち上がった。
「…どちらへ行かれるのですか?」
するとまたぎゅっと手を繋がれる。
「俺の屋敷へ招待する。」
そのまま手を引かれ、私達は歩き出した。
* * *
「リコリス様、ようこそおいで下さいました。」
初めて訪れたシュウ様のお屋敷は、首都の郊外竹林に囲まれた静かな場所にあった。ユノさんの横にはなぜか侍女のリンが立っている。
「どうしてリンがここにいるの?」
「ふ、ふ、ふ!それは秘密です!」
なぜか得意気な顔をしているリンを見てユノさんは溜息をついた。
「彼女のことはどうかお気になさらず。こちらへ。」
屋敷の内装はとてもシンプルでシュウ様らしかった。庭には花もなくそれが少し寂しげな気がした。
「いままでこちらにお客様をご招待したことはございません。リコリス様が初めてです。」
案内されたのは食堂だった。真ん中に大きなテーブルがありその上にはところ狭しと様々な料理が並べられている。
「この国の伝統料理をたっくさんご用意しました!私が作ったのもありますよ!」
ひとつひとつ丁寧にそれがどんな料理なのか説明してくれる。リンはとても楽しそうで自然と笑顔になってしまう。
「リン本当にありがとう。でもこんなに沢山は食べ切れないわ。リンもユノさんも一緒に食べましょうよ。」
「えっ!ダメですよ!使用人が御主人様と同じ食卓につくなんて!」
「そうです。そんなことできません。」
二人は首を振り、とても頑なだった。
「シュウ様。今日はみんなで一緒に食べましょう。」
「あぁ、君がそれでいいなら俺はかまわん。」
ダメ押しの一言で二人はしぶしぶ食卓についた。
「リコリス様にはいつも本当にびっくりさせられます。そんなにお綺麗なのに全然威張らないし、私みたいな使用人にも優しいし。」
「リンはもう私の家族だもの。使用人だからなんて関係ないわ。今度うちでも一緒に食べましょうか。」
「えぇ!それはダメです!」
ワイワイと賑やかな食卓はとても楽しくて、私は前世の家族のことを思い出していた。平凡な家庭だったけれど、そこにはたしかに温かい絆があった。こんな気持ちになるのはこの世界に生まれ変わって初めてのことだ。
「今日はとても楽しかったです。ありがとうございます。」
「俺は何もしていない。君がいるから…。」
その先はよく聞こえなかった。夕食のあと、私は庭の見渡せる応接間に通され、大きなソファにシュウ様と向かい合って座った。
「本当なら、もう少し早く招待したかったんだが…。」
言いながらシュウ様は物寂しい庭に目をやった。
「屋敷を手入れしたことも、庭を気にしたこともなかった。ついこの間剪定したばかりで花も木もない。」
ユノさんに止められ私を招待したくてもできなかったそうだ。しょんぼりした姿がなんとも言えない。そんな彼を可愛らしいと思ってしまうのは、私が彼のことを好きだからだろうか。
「来年結婚したら、私はこの屋敷で暮らすことになるのでしょうか?」
結婚という言葉に彼がガバっと顔をあげた。
「あぁ、そうしてほしいと思っている。ここは賑やかな通りからも遠く、君にはつまらないかもしれないが…。」
「それなら、たくさんお花を植えたいです。」
私は真っ直ぐに彼の目を見つめた。
「春も夏も、秋も。綺麗な花が咲くように。誰が来ても心安らぐと、そう言ってもらえるような屋敷にしたいです…………。」
最後は涙声になってしまった。今日は絶対に泣かないと決めてきたのに。
「本当に怖かったんです。なにか失礼なことをしてしまったんじゃないかって。嫌われて…しまったかと。」
するとシュウ様はスッと立ち上がり、私の隣に腰掛けた。そして、その手には真っ白なハンカチが握られていた。
「君はなにも悪くない。俺が…。俺が勝手に嫉妬したんだ。君と楽しそうに話しているイアンに。」
「…えっ?」
「君がイアンに笑いかけているのを見て、なぜだかひどくイライラした。嫌だったんだ。こんな気持ちになるのは初めてで自分でもよく分からなかった。」
嫉妬?シュウ様が?
「そのイライラを君にぶつけてしまった。最低だ。ユノにも呆れられた。本当にすまなかったと思っている。」
戦場で生き、自分の感情を押し殺す術ばかり上手くなった。こんな歳になって初めてそれではだめだと諭されたとシュウ様はまたしょんぼりと肩を落とした。
その手からハンカチを受け取ると、私は涙を拭いた。
「私も軽率でした。シュウ様がそんなふうに思ってくださっているなんて知りませんでした。これからは他の殿方と二人きりにならないように致します。」
そう笑いかけると、シュウ様も小さく笑った。
「どうかこれからは何でも教えてください。なにも言っていただけないのは、とても…寂しいです。」
「わかった。約束する。」
ジッとこちらを見つめる彼の瞳に、熱っぽいものを感じた。とても顔が近い。あれ?待ってこれって?
ぎゅっと目をつむった。
次の瞬間、屋敷のドアを乱暴に叩く大きな音が響き渡った。驚いて目を開けるとすぐそこに彼の顔がある。
「……チッ………、どうした!?」
いまシュウ様が舌打ちしたのかしら。胸がドキドキしている。もう少しで私、シュウ様と…。
「シュウ!ねぇいるんでしょ?」
聞こえたのは彼を呼ぶ女性の声。
「私という者がありながら、婚約ってどういうこと!説明しなさいよ!」
これは一体なにが起こっているの?
美しい灯篭が空を舞い、街は普段よりきらびやかに着飾った人々で溢れていた。
秋の収穫祭は賑やかな夜を迎え、あちこちから楽しげな声が聞こえる。目深にかぶったフードからキラキラと輝く街並みを眺めているだけで心が踊った。
「…あっ…。」
キョロキョロと周りを見ているうちに人波に飲まれそうになった私の手を大きな手が掴んだ。
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「すみません、つい楽しくて。」
初めて手を繋いだのに、私たちの雰囲気はまだぎこちない。目が合ってもすぐにそらされてしまうし、大事な話もできないまま。
「シュウ様、私甘いものが食べたいです。」
それでも、忙しい彼が私のために時間を作ってくれたことが嬉しくて、この時間がずっと続けばいいのにと思ってしまう。
「うん、美味しい!」
屋台で買ったゴマ団子は揚げたてで、噛むと香ばしい胡麻の香りが口いっぱいに広がる。あんこは甘すぎずいくらでも食べられそうだ。人混みから少し離れた路地裏で私達は食べ歩きを楽しんでいた。
「…この間の菓子のほうが美味しかった。」
あの日イアン殿下から私の菓子を商品として販売しないかと言われたことを手紙にしたためた。その手紙とともにシュウ様にも同じお菓子を送ったのだ。
「食べて下さったんですね。良かった。」
もしかしたら食べてもらえなかったのかと思った。その後、なんの返事ももらえなかったから。
「すぐに返事を書こうと思ったんだ。急に他国からの来賓が決まって警備の計画を練り直さねばならなくなった。本当なんだ…。」
今日のシュウ様は驚くほど口数が多い。
「どうかしたか?」
「いえ…今日のシュウ様は饒舌ですね。なにかあったのですか?」
グッと眉間に皺を寄せ、シュウ様は目をつむった。
「もっと…思ったことを話さなければいけないと皆に言われた。このままでは結婚する前に君に愛想を尽かされると脅されたんだ。」
側近のユノさん、侍女のリン、そして執事のヤンまで毎日シュウ様に助言という名の説教をしに行っていたらしい。最近、リンたちが度々出掛けていたのはそのせいだったのか。
「知りませんでした。でも先に愛想を尽かされるのは私かもしれないのに。」
「違う…そんなことはあり得ない。」
ならどうしてあの時あんなにお怒りだったんですか?本当に疲れていただけですか?そう聞きたくても聞けない自分は臆病だ。
「………、………………。」
気まずい沈黙が落ちる。今日もこのまま時間だけが過ぎてしまうんだろうか。
「…行こう。」
私が食べ終わるのも待たず、シュウ様は立ち上がった。
「…どちらへ行かれるのですか?」
するとまたぎゅっと手を繋がれる。
「俺の屋敷へ招待する。」
そのまま手を引かれ、私達は歩き出した。
* * *
「リコリス様、ようこそおいで下さいました。」
初めて訪れたシュウ様のお屋敷は、首都の郊外竹林に囲まれた静かな場所にあった。ユノさんの横にはなぜか侍女のリンが立っている。
「どうしてリンがここにいるの?」
「ふ、ふ、ふ!それは秘密です!」
なぜか得意気な顔をしているリンを見てユノさんは溜息をついた。
「彼女のことはどうかお気になさらず。こちらへ。」
屋敷の内装はとてもシンプルでシュウ様らしかった。庭には花もなくそれが少し寂しげな気がした。
「いままでこちらにお客様をご招待したことはございません。リコリス様が初めてです。」
案内されたのは食堂だった。真ん中に大きなテーブルがありその上にはところ狭しと様々な料理が並べられている。
「この国の伝統料理をたっくさんご用意しました!私が作ったのもありますよ!」
ひとつひとつ丁寧にそれがどんな料理なのか説明してくれる。リンはとても楽しそうで自然と笑顔になってしまう。
「リン本当にありがとう。でもこんなに沢山は食べ切れないわ。リンもユノさんも一緒に食べましょうよ。」
「えっ!ダメですよ!使用人が御主人様と同じ食卓につくなんて!」
「そうです。そんなことできません。」
二人は首を振り、とても頑なだった。
「シュウ様。今日はみんなで一緒に食べましょう。」
「あぁ、君がそれでいいなら俺はかまわん。」
ダメ押しの一言で二人はしぶしぶ食卓についた。
「リコリス様にはいつも本当にびっくりさせられます。そんなにお綺麗なのに全然威張らないし、私みたいな使用人にも優しいし。」
「リンはもう私の家族だもの。使用人だからなんて関係ないわ。今度うちでも一緒に食べましょうか。」
「えぇ!それはダメです!」
ワイワイと賑やかな食卓はとても楽しくて、私は前世の家族のことを思い出していた。平凡な家庭だったけれど、そこにはたしかに温かい絆があった。こんな気持ちになるのはこの世界に生まれ変わって初めてのことだ。
「今日はとても楽しかったです。ありがとうございます。」
「俺は何もしていない。君がいるから…。」
その先はよく聞こえなかった。夕食のあと、私は庭の見渡せる応接間に通され、大きなソファにシュウ様と向かい合って座った。
「本当なら、もう少し早く招待したかったんだが…。」
言いながらシュウ様は物寂しい庭に目をやった。
「屋敷を手入れしたことも、庭を気にしたこともなかった。ついこの間剪定したばかりで花も木もない。」
ユノさんに止められ私を招待したくてもできなかったそうだ。しょんぼりした姿がなんとも言えない。そんな彼を可愛らしいと思ってしまうのは、私が彼のことを好きだからだろうか。
「来年結婚したら、私はこの屋敷で暮らすことになるのでしょうか?」
結婚という言葉に彼がガバっと顔をあげた。
「あぁ、そうしてほしいと思っている。ここは賑やかな通りからも遠く、君にはつまらないかもしれないが…。」
「それなら、たくさんお花を植えたいです。」
私は真っ直ぐに彼の目を見つめた。
「春も夏も、秋も。綺麗な花が咲くように。誰が来ても心安らぐと、そう言ってもらえるような屋敷にしたいです…………。」
最後は涙声になってしまった。今日は絶対に泣かないと決めてきたのに。
「本当に怖かったんです。なにか失礼なことをしてしまったんじゃないかって。嫌われて…しまったかと。」
するとシュウ様はスッと立ち上がり、私の隣に腰掛けた。そして、その手には真っ白なハンカチが握られていた。
「君はなにも悪くない。俺が…。俺が勝手に嫉妬したんだ。君と楽しそうに話しているイアンに。」
「…えっ?」
「君がイアンに笑いかけているのを見て、なぜだかひどくイライラした。嫌だったんだ。こんな気持ちになるのは初めてで自分でもよく分からなかった。」
嫉妬?シュウ様が?
「そのイライラを君にぶつけてしまった。最低だ。ユノにも呆れられた。本当にすまなかったと思っている。」
戦場で生き、自分の感情を押し殺す術ばかり上手くなった。こんな歳になって初めてそれではだめだと諭されたとシュウ様はまたしょんぼりと肩を落とした。
その手からハンカチを受け取ると、私は涙を拭いた。
「私も軽率でした。シュウ様がそんなふうに思ってくださっているなんて知りませんでした。これからは他の殿方と二人きりにならないように致します。」
そう笑いかけると、シュウ様も小さく笑った。
「どうかこれからは何でも教えてください。なにも言っていただけないのは、とても…寂しいです。」
「わかった。約束する。」
ジッとこちらを見つめる彼の瞳に、熱っぽいものを感じた。とても顔が近い。あれ?待ってこれって?
ぎゅっと目をつむった。
次の瞬間、屋敷のドアを乱暴に叩く大きな音が響き渡った。驚いて目を開けるとすぐそこに彼の顔がある。
「……チッ………、どうした!?」
いまシュウ様が舌打ちしたのかしら。胸がドキドキしている。もう少しで私、シュウ様と…。
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聞こえたのは彼を呼ぶ女性の声。
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