俺の調教開発では美しい兄を飼犬にはできない

大田ネクロマンサー

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第11話 兄への愛※

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 部屋で待っていろと言われたが、どっちの部屋かわからなかったので、とりあえず自分の部屋に戻ってきた。最近家に寄り付かないせいかすっかり他人の顔になった部屋も、毎日母が掃除をしてくれているのだろう、澄んだ空気でそれがわかった。ベッドに寄りかかり床に座る。天井を見上げてぼんやりしていたら夜が自分の部屋に入った音がした。その戸の閉まる音で、さっきまでの光景が夢だったのではないかと疑う。俺は慌てて夜の部屋に行き戸を開けた。夜は部屋着を着てバスタオルで頭を拭いていた。

「ごめん、僕の部屋にいると思ったんだ。持ってきてくれた?」

「な……なにを……?」

「最後までしてくれないの?」

「夜、俺にしたことでなんか責任とか感じてるなら、もうそんなこといいから」

「灯は僕のこと好きなんじゃないの?」

「好きだよ!」

「じゃあどれだけ好きか教えてよ、ずっと不思議だったんだ。なんで最後までしないのか」

「よ、夜が嫌がってるのに……」

「灯は僕を傷つけたくてやってるんだと思ってた」

「なにをそんな!」

「灯はなんで自分ではしないの……? お母さんにあんたが変なもの見せてるんじゃないかって……怒られたよ……」

 急に出てきた母の話題に、そしてそれを知られていた事実に恥ずかしくなって黙った。

「それで……灯が……僕を傷つけたいわけでも……自分の欲求のためにやってるんじゃないってことも……わかった……」

「違うよ……俺は……」

「僕のことが本当に好きなんだって、わかった……」

「俺のことなんてどうでもいい……」

「他の人に押し倒された時、心でずっと灯を呼んでた。あんなに好きだって言ってくれてたのに、あんなに傷つけたのに、都合の良い時にだけ灯に頼るんだ。そう思ったら絶対にこんなやつになんかに渡さないって思った」

「夜……」

「灯以外の誰にも体を渡さないって思ったよ。もう灯が僕に興味ないって言っても、僕は灯じゃないと嫌だ」

「夜、ちょっと待ってて」

 そう言い俺は部屋を飛び出した。

 再び夜の部屋に来た俺は持ってきたものをベッドに投げ捨て、夜に抱きつく。身をかがめて夜の胸に顔を埋めその匂いを肺いっぱいに吸い込む。

「痛かったら絶対に言って」

「うん。怖くなったら?」

「それも言って……」

「他には?」

「俺のこと好きだって言って……」

「うん。なるべく言う」

 なんでなるべくなんだよ、そう言いながら夜の部屋着を脱がす。唇を奪いそのまま押し倒して下も剥くように脱がせた。自分の肌を早く合わせたくて上をその辺に脱ぎ捨てた。

 覆いかぶさると夜は美しい目で俺を見ている。その睫毛を吸うように唇を近づける。瞼に唇がついたとき、夜が言う。

「ねぇ、僕にもさせてよ」

 夜はさっきと変わらない表情でムクっと起き上がり、それを避けて膝で立つ俺の下の服に手をかけた。それをゆっくりおろして、顔の前で熱を放つそれをまじまじと見つめる。

「こんなの入るのかな?」

 その昔と変わらない呑気な兄の言葉に胸をぐっと掴まれる。ゆっくりと俺の陰茎を口に含む夜を上から見下ろす。思わず髪を撫でて後頭部を撫でた。

 突然夜が喉の奥まで俺の陰茎を咥えこむ。喉の奥で小さな痙攣で小さな嘔吐を繰り返している。その快楽に一瞬理性が飛びかけたが夜の頭が小刻みに揺れているのを見て、腰を引いた。

「ごめん、気持ちよくない?」

「夜、普通そんなに無理して入れないよ……」

「灯はもっと苦しかったでしょ?」

 目の前で何かがはじけたような錯覚を覚え、次の瞬間夜の胸に飛び込み、そのまま押し倒してしまう。胸の先端目掛けて口を開け、そのまま咥えた口内で乳首を舌で舐める。くぐもった悲鳴を聞いて、唇を少し離す。

「気持ちいい?」

「あかるが……気持ちよくなるようにしたんでしょ!」

 それを聞いて安心して乳首を甘く噛む。

「んんっ……!」

 自分の意思とは関係なく体が勝手に動いて、頭がぼんやりする。夜のことがどんだけ好きか伝えたい。今まで見たいと思っていた表情を全部見たい。そう思うとどんどん意識が自分の体の上の方に浮かび上がって、夜の声が遠くから聞こえる気がする。肌という肌に唇をつけて舐め回し、潤滑剤を垂らして指を夜の中に入れる。

「あっ……ああっ……あかるっ……!今日は……手加減して……」

「痛い……?」

「違う! あかると……最後までしたいから……」

 さっきまで浮いていた自分の意識がしっかり戻り、俺は夜のその言葉に応えてキスをする。好きだと言っては口の中を探り、舌を絡ませれば好きだと言った。夜の恍惚とした表情に安堵を覚えて、夜に入れた指を2本に増やして入り口を解す。違和感からか夜が時々顔を背けるから、その度に夜の悦い場所を撫でて快楽が途切れないよう愛撫する。

「夜……いきそう……?」

「ん……もう……ごめ……ああっ……」

 息も絶え絶えに夜がゆっくり自分の前を触ろうとする。その手を掴み指を咥える。夜の陰茎にするように指を根本から先端まで丁寧に吸い上げた。

「あかる……もう……ダメ……」

 夜が股を閉じようと俺の両脇を挟んだ。夜の指を吐き出し、自分の指も夜から抜いて、潤滑剤を自身に垂らした。

「夜……どこかつかまって。痛かったらすぐに言って」

「ああっ……あかる……あかる……!」

 自分自身を夜に押し当てる。そこは痙攣していてすぐにでも欲しいと言っているようだった。夜が俺の首に手を回す。それを確認したら夜の太腿を掴み一気に夜の中に侵入した。

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