俺の調教開発では美しい兄を飼犬にはできない

大田ネクロマンサー

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第17話 弟の愛※

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「ああぁっ……!」

 激しい射精感があるのと同時にそれが逆流しているのも感じる。もどかしさに内腿を閉めたら、灯が足でそれをこじ開けた。

「俺がどれだけ好きかわかる?」

 そう言ってまた僕の弱点をすべてさらって突き上げる。快感が体中を走り抜け、自分の主張しかできない。

「灯が……すきっ……すきぃ……!」

 その言葉に灯は腰を突き上げまた僕を追い詰める。前を握る灯の手が一層強くなり、もどかしさと快感で涙が溢れる。

「俺がどれだけ好きか……わかるでしょ?」

 その悲しい声に耐えきれず、わかる、と何度も頷き涙を溢す。

「夜をこんな風にできるのは俺だけでしょ?」

「あかる……あかるだけ……!」

 灯はきつく握った手をそっと離し、胸と腹を押さえ僕を固定する。そしてさっきよりも深く僕を突き上げる。

「ぃやああぁーーっ!」

 僕は性液を勢いよく飛ばす。それを見た灯の息遣いが変わって、さらに激しく体を揺すられたら、僕の性液が出る代わりに灯の性液が注ぎ込まれた。灯は注ぎ込んでいる間に僕の首を吸ってから、吐き出すように言う。

「嫌なことなんて……考えないで……俺には夜しかいないんだから……」

 灯が僕にもたれかかり、シャワーの蛇口を捻る。灯は自身のそれをゆっくり引き抜いて、代わりに指を差し入れる。

「んっ……あかるっ……もう少し……待って……」

 僕の言葉など無視して灯は中をかき出すついでに、感じる場所を押す。

「こうしたら今日一日夜は俺のこと考えてくれるでしょ?」

 そう言いながら背中を滑るように舌を這わす。もう片方の手で少し起き上がった僕の陰茎を摩った。

「だ……ダメ……!」

「ダメじゃないよ、夜が俺のこと好きだってところ、ちゃんと見せて」

 灯が指で耐え難い場所を撫でたり押したりする。押されるといったばかりの前が立ち上がり、射精感とは別の感覚がせり上がってくる。

「あかる……嫌いに……ならないで……!」

「こんなにかわいいのに、嫌いになるはずないでしょ」

 そう言いながら一気に前を摩る手をはやめる。何度目かに後ろの弱点を押された時に一気に決壊する。

「あっ、あっ、あかる……! も……あああっ!」

 その言葉よりも前に勢いよく潮を噴いて前の壁にもたれかかる。噴いている間も灯は絞り出すように前を握り込み、僕が恐ろしく前屈みになった時にはじめて手を離してくれた。

「今日の夜はこんなんじゃ済まないからね。夜がわかるまで何度もするよ」

 僕を抱き込み、灯はそんなことを呟く。僕が振り向きキスをねだると、灯は眉を下げてそれに応えてくれる。

「灯が好きなの……わかって……くれた?」

 灯はゆっくり微笑んで僕を抱きしめながらキスをしてくれる。シャワーの雨に打たれて僕たちはあきれるほど何度でもキスをした。




「忘れ物ない?」

 玄関を出る時に灯に声をかける。今日ははやく帰ってくると言っているのに、毎日の習慣でつい呼び止めてしまった。

「いつものしてもいい?」

 灯は恥ずかしそうに言うから、僕は両手を広げてそれが何でもないことだと安心させる。灯は僕の胸に飛び込み、何度か深呼吸する。

「なんでこんなのがいいの?」

「お兄ちゃんの匂いがするんだ……すごく幸せになるんだよ……」

 唐突にお兄ちゃんと言われ、昔同じように玄関先でそう呼ばれたことを思い出す。

「お兄ちゃんにこうしてもらうのがすごく幸せなんだ」

 灯の髪の毛を撫でて頭のてっぺんにキスをする。弟の愛は激しく燃え盛る炎のようだ。その中心で抱かれる時は熱く焼かれるようだが、少し離れればこんなにも優しく温かい。

「はやく帰ってきて……」

「うん、そうやって言ってもらえるのすごく嬉しい」

 じゃあ行ってくるね、そう小さく言って灯の唇が僕の唇をかすめる。名残惜しそうに僕の髪の毛を撫でたら、灯は玄関を開けた。

「夜、大好き」

 灯は微笑んで玄関を閉める。見送った後自分の出社準備をする。僕の方が仕事場が近い。だからいつも玄関を出るのは僕の方が後だ。

 兄弟だった2人がその役割のまま恋人になるというのは不思議なものだ。甘え、甘えられてバランスを上手く保っている。弟にこんなにも恋い焦がれるとは思いもよらなかった。
 風呂の出がけに落としてしまったタオルを拾う。それを洗濯機に入れて、出社の準備を始めた。

<END>
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