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蘇る化け物
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【健スタジオ】
イーグルが泊まりに来た日から1週間後、鈴鹿市内にある歌唱教室に来た亜沙美とロミータ
「ここかなぁ?」
「割と亜沙美の家から近くにあったわね」
イーグルが帰って行った次の日、亜沙美がいつもの配信をしようと準備していた時、彼女が所属しているコンサートプリンセスの最古株ライバーであるオリビアからメールが届いた
「昨日のオフコラボ配信見させてもらいました。年末に行われる箱全体でのリレーメドレーに参加する為に、ボイトレをする事に決めたようね。三重県には私のボイトレをしてくれた人のお弟子さんが、歌唱教室を開いているわ。その人は現役の歌手だからお勧めよ。指導してくれるのは男の人だと思うけど心配要らないわ。頑張ってきなさい
PS 配信中に本気で怒ったらダメよ」
「…ってメールが来てたんだよ」
「男の先生って大丈夫なのかしらね?」
「ふふ。私を心配してロミータちゃんも着いてきてくれたんだね♪」
「まぁね…でも、ロミーもしばらくボイトレしてなかったから年末に向けて、バッチリ調整しとかないと皆に迷惑かけちゃうからね。それよりも、ロミーに怒ったのもバレてるわよ(笑)」
「う、うん…あの時はごめんねぇ…」
「良いよ。気にしてないから♪」
亜沙美たちのことを色々気に掛けてくれているオリビアが、三重県で有力な教室を手配してくれたのだが、講師となる人は現役の歌手という話だが…男(♂)の講師らしい
「オリビア先輩の事だから信用できる人だと思うんだけどぉ…男の人って気になるなぁ」
「しのごの言ってても言ってても仕方ないわ。取り敢えず挨拶しましょう。オリビア先輩のメンツもあるから無視する訳にもイカないでしょ?」
「そ、そうだよねぇ……ピンポーン♪」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ガチャ…よく来てくれたね。キミがアミちゃんで、外国人のキミがロミータちゃんだね。先輩から話は聞いているよ。僕は【平戸 健】だよ。さっ、中に入って」
「し、失礼しますぅ」
平戸と名乗った男性は服部と同じくらい背が高い。身長は180センチを超えているようだ
「キミ達はコーヒーと紅茶、もしくはソフトドリンクなら何が飲みたい?……愛くん、オレンジかリンゴのジュースを2人に用意してくれ」
「あ、あの…平戸さんはご結婚なされているんですか?」
「彼女かい?彼女は生徒であり助手さんだよ。家で働きながら歌手を目指して練習しているんだ」
奥からドリンクを2人分持ってきてくれたハタチ過ぎの女性を見たロミータ
(平戸さんの奥さんか?妹さんだったらロミー達も安心して通えるんだけどね…)
「キミたち2人とも凄く可愛いね。たしかブイチューバーさんだろ?いや、偏見だったとしたら申し訳ないんだが…ブイチューバーは顔やスタイルに自信の無い人がしがちな職業だと思っていたのでね」
平戸の言うことも、あながちハズレではないのだが…中にはトップアイドルと競えるくらいの見た目の子が増えてきたのも事実だが…
「あの…もしかしてロミーや亜沙美の事を狙ったりしてませんよね?駄目ですよ!ロミーは亜沙美の事を愛してますから!」
(Σ(꒪ꇴ꒪ ;)ええっ!?ロミータちゃん、初対面の人にイキナリそれ言っちゃうの?)
50過ぎのオジサンが亜沙美やロミータに手を出すのでは?と心配しているロミータは、初対面の彼に対して臆することなく、亜沙美を愛してる事を告白した。当然、その様子を見ていた亜沙美も助手という愛さんも驚いていた
「ははは、その事に関しては全然心配する必要はありませんよ。だって先生は異性に全く興味がありませんから…」
助手の愛さんが言うには、平戸は全く女に興味が無いらしいのだが…
「こんなことは本来、会って初日に言うことでもないと思うのだけど…僕は所謂(いわゆる)同性愛者というヤツでね。男性にしか性的な興奮が出来ないんだ…だから、キミ達に手を出すことは無いと誓って言えるよ」
「だからオリビア先輩は安心して行ってきてね。って言ってたんだぁ…」
どうやら業界内では「平戸が同性愛者だ」というのは周知の事実らしい。ソレを知っているからオリビアは自信を持って、此処を2人に勧めたのだろう
「さて、余計な心配をとり払えた事だし…隣りの防音室で2人の歌唱力のほどを聞かせてもらおうかな?」
【カラオケルーム】
部屋に入ると平戸は歌うための機材に電源を入れた。そしてマイクをロミータに渡した
「一応ね、竹取さん達が東京のコンサートプリンセスに行った時に歌った音源を、オリビアさんからコピーしてもらっていてね、まずはロミータさんの歌声から聞かせて欲しいんだ」
どうやら平戸は亜沙美の歌声を事前に聞いていたようで、まだ聞いた事の無いロミータの歌声を先に聞きたいようだ
「良いわよ。そう言えば亜沙美にもロミーの歌声、聞かせたこと無かったわよね?曲は何でも良いのかしら?それじゃ…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「鎮魂歌(レクイエム)は~ピタリと止み静寂が~街を包んで~蘇る化け物~♪霧が覆う街~空に赤い月~さぁ見なさい私を~蘇ってきたの~♪」
「………蘇る化け物でした」
「パチパチパチ。ロミータちゃん、うっま!」
「うんうん。確かにロミータさんの歌唱力は大したものだね。その歌はキーの強弱が静かに激しいから、歌うのは相当難しいんだけどね…そこまで歌いこなすなんて素晴らしいよ」
先に歌ったロミータの【蘇る化け物】は、かなり難易度が高い歌なのだが…亜沙美はもちろん、助手の愛さんや講師の平戸までも関心させていた
(私、こんだけ歌の上手いロミータちゃんや、コンプリの先輩たちと年末にライブ配信しないといけないんだ…)
ロミータの上手い歌を聞いた亜沙美は、年末に東京で収録されるコンプリのメンバー達と行うリレーメドレーに対して、イッキにプレッシャーに襲われてしまった
続く
イーグルが泊まりに来た日から1週間後、鈴鹿市内にある歌唱教室に来た亜沙美とロミータ
「ここかなぁ?」
「割と亜沙美の家から近くにあったわね」
イーグルが帰って行った次の日、亜沙美がいつもの配信をしようと準備していた時、彼女が所属しているコンサートプリンセスの最古株ライバーであるオリビアからメールが届いた
「昨日のオフコラボ配信見させてもらいました。年末に行われる箱全体でのリレーメドレーに参加する為に、ボイトレをする事に決めたようね。三重県には私のボイトレをしてくれた人のお弟子さんが、歌唱教室を開いているわ。その人は現役の歌手だからお勧めよ。指導してくれるのは男の人だと思うけど心配要らないわ。頑張ってきなさい
PS 配信中に本気で怒ったらダメよ」
「…ってメールが来てたんだよ」
「男の先生って大丈夫なのかしらね?」
「ふふ。私を心配してロミータちゃんも着いてきてくれたんだね♪」
「まぁね…でも、ロミーもしばらくボイトレしてなかったから年末に向けて、バッチリ調整しとかないと皆に迷惑かけちゃうからね。それよりも、ロミーに怒ったのもバレてるわよ(笑)」
「う、うん…あの時はごめんねぇ…」
「良いよ。気にしてないから♪」
亜沙美たちのことを色々気に掛けてくれているオリビアが、三重県で有力な教室を手配してくれたのだが、講師となる人は現役の歌手という話だが…男(♂)の講師らしい
「オリビア先輩の事だから信用できる人だと思うんだけどぉ…男の人って気になるなぁ」
「しのごの言ってても言ってても仕方ないわ。取り敢えず挨拶しましょう。オリビア先輩のメンツもあるから無視する訳にもイカないでしょ?」
「そ、そうだよねぇ……ピンポーン♪」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ガチャ…よく来てくれたね。キミがアミちゃんで、外国人のキミがロミータちゃんだね。先輩から話は聞いているよ。僕は【平戸 健】だよ。さっ、中に入って」
「し、失礼しますぅ」
平戸と名乗った男性は服部と同じくらい背が高い。身長は180センチを超えているようだ
「キミ達はコーヒーと紅茶、もしくはソフトドリンクなら何が飲みたい?……愛くん、オレンジかリンゴのジュースを2人に用意してくれ」
「あ、あの…平戸さんはご結婚なされているんですか?」
「彼女かい?彼女は生徒であり助手さんだよ。家で働きながら歌手を目指して練習しているんだ」
奥からドリンクを2人分持ってきてくれたハタチ過ぎの女性を見たロミータ
(平戸さんの奥さんか?妹さんだったらロミー達も安心して通えるんだけどね…)
「キミたち2人とも凄く可愛いね。たしかブイチューバーさんだろ?いや、偏見だったとしたら申し訳ないんだが…ブイチューバーは顔やスタイルに自信の無い人がしがちな職業だと思っていたのでね」
平戸の言うことも、あながちハズレではないのだが…中にはトップアイドルと競えるくらいの見た目の子が増えてきたのも事実だが…
「あの…もしかしてロミーや亜沙美の事を狙ったりしてませんよね?駄目ですよ!ロミーは亜沙美の事を愛してますから!」
(Σ(꒪ꇴ꒪ ;)ええっ!?ロミータちゃん、初対面の人にイキナリそれ言っちゃうの?)
50過ぎのオジサンが亜沙美やロミータに手を出すのでは?と心配しているロミータは、初対面の彼に対して臆することなく、亜沙美を愛してる事を告白した。当然、その様子を見ていた亜沙美も助手という愛さんも驚いていた
「ははは、その事に関しては全然心配する必要はありませんよ。だって先生は異性に全く興味がありませんから…」
助手の愛さんが言うには、平戸は全く女に興味が無いらしいのだが…
「こんなことは本来、会って初日に言うことでもないと思うのだけど…僕は所謂(いわゆる)同性愛者というヤツでね。男性にしか性的な興奮が出来ないんだ…だから、キミ達に手を出すことは無いと誓って言えるよ」
「だからオリビア先輩は安心して行ってきてね。って言ってたんだぁ…」
どうやら業界内では「平戸が同性愛者だ」というのは周知の事実らしい。ソレを知っているからオリビアは自信を持って、此処を2人に勧めたのだろう
「さて、余計な心配をとり払えた事だし…隣りの防音室で2人の歌唱力のほどを聞かせてもらおうかな?」
【カラオケルーム】
部屋に入ると平戸は歌うための機材に電源を入れた。そしてマイクをロミータに渡した
「一応ね、竹取さん達が東京のコンサートプリンセスに行った時に歌った音源を、オリビアさんからコピーしてもらっていてね、まずはロミータさんの歌声から聞かせて欲しいんだ」
どうやら平戸は亜沙美の歌声を事前に聞いていたようで、まだ聞いた事の無いロミータの歌声を先に聞きたいようだ
「良いわよ。そう言えば亜沙美にもロミーの歌声、聞かせたこと無かったわよね?曲は何でも良いのかしら?それじゃ…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「鎮魂歌(レクイエム)は~ピタリと止み静寂が~街を包んで~蘇る化け物~♪霧が覆う街~空に赤い月~さぁ見なさい私を~蘇ってきたの~♪」
「………蘇る化け物でした」
「パチパチパチ。ロミータちゃん、うっま!」
「うんうん。確かにロミータさんの歌唱力は大したものだね。その歌はキーの強弱が静かに激しいから、歌うのは相当難しいんだけどね…そこまで歌いこなすなんて素晴らしいよ」
先に歌ったロミータの【蘇る化け物】は、かなり難易度が高い歌なのだが…亜沙美はもちろん、助手の愛さんや講師の平戸までも関心させていた
(私、こんだけ歌の上手いロミータちゃんや、コンプリの先輩たちと年末にライブ配信しないといけないんだ…)
ロミータの上手い歌を聞いた亜沙美は、年末に東京で収録されるコンプリのメンバー達と行うリレーメドレーに対して、イッキにプレッシャーに襲われてしまった
続く
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