七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

文字の大きさ
5 / 45
第一章 百合美少女事務所を立ち上げようとしたら、バ美肉ばかりが生まれた

第5話 おもしれー男たち

しおりを挟む
 副面接官を担当してくれている辰起が、ニヤニヤしている。
「おもしれーヤツ、連れてきてやったろ?」的な。

 バカいうなっての。こんなのギャンブルだ。
 事務所に入った途端トラブルとか、炎上になりかねん。まだ、事務所の立ち上げすらしていないのに。

「あの。失礼ですが、もし事務所を本格的に立ち上げた際は……」

「ご安心を。もうパートナーは、いますので」

「そうですか。わかりました。差し支えなければ、どのような方かをお聞きしても?」

「もちろん、男性です」

 当然、漫才の相方ではない。別の男性だという。

「相方とも、トラブルになった程度でして。裁判沙汰までには発展していません。それに、もうだいぶ昔の話ですよ」

 聞けば、オレより一〇歳以上も年上だった。大ベテランじゃん。

「……わかりました。ご連絡をお待ち下さい」
 
 採用するっちゃ、する。あんな面白い人、絶対うちに欲しい。

 が、結構な爆弾だったなぁ。この先、どうなるやら。
 
「な? けい。おもしれー人だったろ?」

「バカ! とんでもねー地雷じゃねえか! ある意味、賭けだぜ」

 芸能事務所とのトラブルも解決しているらしいから、こちらへ印象に影響はないだろう。 
 とはいえ、一度そういう問題を起こした人だ。再犯の疑いは持ちたくないが、安心はできない。

「では、次の方」

「どうも」

 次に現れた人物に、オレと辰起はギョッとなった。

 面接を受けに来たのが、ロボットだったからである。

 作り物だとわかっても、オレはビビった。

「まさか、そんな格好でこのビルまで歩いてきたわけではありませんよね?」

「もちろんです。トイレで着替えてました」

 本当に、ここまでこの格好で来ようかとも思っていたらしい。面接は、インパクトが大事だと。

 そんな努力の方向音痴、いらんねん。

「あのー、それはどういった意図で?」

「だって、男ってこういうの好きでしょ?」

 わかる。めっちゃすき。

 男というものは、どうしようもなく、メカメカしいデザインに惹かれてしまうものだ。

 いや、そういうのではなくて!

「というのは、冗談でして。実はボク、こういうプロテクターを作るのが趣味なんですよ」

 カチャカチャと、希望者がプロテクターとマスクを外す。

 現れたのは、普通の男性だ。
 オレたちと、歳も近い。彼のほうが、やや若いくらいである。

 その顔立ちを見て、彼がどうしてこんな格好だったのかを理解した。

刀舟院とうしゅういん わたるです」

「お帰りください」

「なんで!?」

 玩具メーカーの、おぼっちゃまだからだよ! 
 こんな弱小V事務所に面接とか、どうかしてるぜ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...