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第一章 百合美少女事務所を立ち上げようとしたら、バ美肉ばかりが生まれた
第7話 スキャンダルの真相
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菅生 保馬さんは、超大手商社の専務さんである。
立場的には、ウチの泉社長とどっこいどっこいかも。菅生さんの年齢は、四〇代後半くらいだけど。
「あのですね、菅生さん。オレは、あなたのお嬢さんとは交際していません」
「はい。娘にも確認を取りました」
「それはよかった。実は、あなたのお嬢さんのママと、交際しているんです」
「妻とですか?」
「いえ違う違う違う。そうではなくてですね」
不倫とか、もっとアウトだろうがよ。
「あなたの娘さん、『釘 五寸』さんのママというのは、つまりイラストレーターでして」
「ああっ。絵師さんという意味だったんですね」
「はい」
釘 五寸のママである『愛空 燐』とは、もう七年以上の仲だ。
オレをゆりんゆりん世界に導いた、張本人でもある。
しかし、相手は百合イラストレーター。男子の影があると、色々と問題があった。
「百合ブームになる前から、交際していたので、公表できず」
「事情があったんですね」
その煮え切らない関係が、今回のトラブルを起こしてしまったのである。
「いっそ、公表しちまおうかなと考えているのですが」
「その件に関しては、本人同士が納得してらっしゃるのでしたら、OKでしょう。もう事務所や関係者とは、お話されたんですよね?」
「誠意をもって、謝罪いたしました」
「わかりました。誤解をしてしまい、こちらも申し訳なく」
「いえ。お嬢さんにはご不快な思いをさせてしまい」
これで、話し合いは済んだ。
で、ビジネスの話となる。
「えっと、Vになりたいんですよね? バビ肉で」
「存じ上げております。バーチャル美少女受肉ですか。すごい時代ですよね」
「はい。あなたにも、そのアバターで露出していただくことになりますが」
「ええ。娘の七光という設定にしました」
随分と、ぶっ飛んだ設定だな。
「やはり、リスキーですか?」
「どうでしょうね。『Vの身内』なんて事案は、今どき珍しくはありません」
大手Vチューバー事務所でも、親用のアバターを作るくらいだ。
親のほうが、人気が出たりもする。
「事務所さんと、打ち合わせは?」
「本人とも話し合い、双方で深く干渉しないことを条件として、設定を許可していただきました」
あくまでも、ネタ扱いというわけか。
「あちら様には、納得していただけているようですね」
「もちろん。あとは、ワタクシのモラル次第でしょう。娘のファンを取り込もうなどとは、考えていません」
「たまに対談とかがあればいい、という感じですかね」
「そうですね。リアルなら、いつでも会えますから」
「では、よろしくおねがいします」
数カ月後、厳正なる審査の結果、菅生さんもメンバー入りが決定した。
立場的には、ウチの泉社長とどっこいどっこいかも。菅生さんの年齢は、四〇代後半くらいだけど。
「あのですね、菅生さん。オレは、あなたのお嬢さんとは交際していません」
「はい。娘にも確認を取りました」
「それはよかった。実は、あなたのお嬢さんのママと、交際しているんです」
「妻とですか?」
「いえ違う違う違う。そうではなくてですね」
不倫とか、もっとアウトだろうがよ。
「あなたの娘さん、『釘 五寸』さんのママというのは、つまりイラストレーターでして」
「ああっ。絵師さんという意味だったんですね」
「はい」
釘 五寸のママである『愛空 燐』とは、もう七年以上の仲だ。
オレをゆりんゆりん世界に導いた、張本人でもある。
しかし、相手は百合イラストレーター。男子の影があると、色々と問題があった。
「百合ブームになる前から、交際していたので、公表できず」
「事情があったんですね」
その煮え切らない関係が、今回のトラブルを起こしてしまったのである。
「いっそ、公表しちまおうかなと考えているのですが」
「その件に関しては、本人同士が納得してらっしゃるのでしたら、OKでしょう。もう事務所や関係者とは、お話されたんですよね?」
「誠意をもって、謝罪いたしました」
「わかりました。誤解をしてしまい、こちらも申し訳なく」
「いえ。お嬢さんにはご不快な思いをさせてしまい」
これで、話し合いは済んだ。
で、ビジネスの話となる。
「えっと、Vになりたいんですよね? バビ肉で」
「存じ上げております。バーチャル美少女受肉ですか。すごい時代ですよね」
「はい。あなたにも、そのアバターで露出していただくことになりますが」
「ええ。娘の七光という設定にしました」
随分と、ぶっ飛んだ設定だな。
「やはり、リスキーですか?」
「どうでしょうね。『Vの身内』なんて事案は、今どき珍しくはありません」
大手Vチューバー事務所でも、親用のアバターを作るくらいだ。
親のほうが、人気が出たりもする。
「事務所さんと、打ち合わせは?」
「本人とも話し合い、双方で深く干渉しないことを条件として、設定を許可していただきました」
あくまでも、ネタ扱いというわけか。
「あちら様には、納得していただけているようですね」
「もちろん。あとは、ワタクシのモラル次第でしょう。娘のファンを取り込もうなどとは、考えていません」
「たまに対談とかがあればいい、という感じですかね」
「そうですね。リアルなら、いつでも会えますから」
「では、よろしくおねがいします」
数カ月後、厳正なる審査の結果、菅生さんもメンバー入りが決定した。
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