七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

文字の大きさ
8 / 45
第一章 百合美少女事務所を立ち上げようとしたら、バ美肉ばかりが生まれた

第8話 アバターづくり

しおりを挟む
 オレと辰起たつきは、自分のアバターに使うモーションを取っている。

 マジックテープが全身についたタイツを着て、ピンのようなものをくっつけて撮影を行う。

 いきなり、3Dでデビューするためだ。

 2D画像を使って省エネ、という案もある。

 話し合いで、「2Dは、ぬいかイラスト、アクスタで十分だろう」と決めた。
 
 2Dを使うとなると、そちらのイラストレーターも決めなければならない。しかも、本格的なデザインが必要だ。

 そこからさらに、3Dに起こすことになる。つまり、作業工程が増えるのだ。
 
 3Dだけを決めてしまって、安く済ませようとなった。
 
「泉社長は面接免除でデビューだが、いいのかねえ?」

「あの社長は、ウチのメンツにうってつけぜ」

 みんなマジメなので、ああいった「何をするかわからない賑やかしキャラ」は必要である。

「それよりけい、俺は自分自身が心配だ」

「なんでさ?」

「俺さぁ、影が薄くね?」

 他の個性的なキャラたちに、自分が埋没するのではと考えているようだ。

「自分でも、適当に作りすぎたなーって思ってさ。属性は盛ったんだけどな」

 いわゆる、メガネっ娘まな板委員長である。属性を盛ってみたものの、かえって超オーソドックスになってしまったのを、辰起は気にしている。

「お前はまとめ役でツッコミ役だから、それでいいんだよ」

 オレが汚れ役を一手に引き受けるので、スマートな相手役が必要だ。

 となれば、辰起たつきをおいて他にない。

「ネガティブ要素として、オレはヘイトを稼ぐ側になる。他を引き立たせるために」
 
「だとしたら、俺はメンバーに欠かせない存在ってわけだ」

「ああ。視聴者にとってはどうかわからないが、少なくともメンバーには不可欠だ」

「ありがとうよ」

 
 だが早速、アバターづくりで難航する。

 OYA・KATAこと、椛島かばしま元親方のモーション用全身タイツがないのだ。

「一〇〇キロ超えた人用のタイツは、さすがに特注になりますかぁ」

 太った中の人とかいるから、てっきりあるものだと思っていた。これは、盲点である。

「任せてくださいっす」
 
 樺島氏は、身体に直接ガムテープを貼って撮影するという強硬手段に出た。
 やる気が半端ねえ。
 

 アバター用のイラストレーターも決まり、あとはデビューを待つばかりとなった。

 みんな発声練習などで、本番に備える。

 で、初配信となったわけだが……。

円谷つぶらやさん、すいません。刀舟院とうしゅういんです』

 撮影日、刀舟院さんから連絡が。
 
「はい。どうされました?」
 
『サバゲで足やっちゃいました』

 がびーん。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...