15 / 45
第二章 バ美肉、路線で悩む
第15話 大炎上?
しおりを挟む
「ただいま……」
「おかえり~。慶くん」
愛妻である愛空 燐が、オレを出迎えてくれた。
神絵師で、オレのイラストを担当してくれている。
「ゴハンできてるよ」
「いいのに。イラスト描いててよ」
「夫婦は助け合いっしょ? そういうわけにもいかないよ」
燐はそう言うが、今週の当番はオレだ。
「わかった。洗い物と掃除とゴミ捨ては、オレがやるから」
「あんがと~。めっちゃ出てるから、よろしくね~」
ごきげんな様子で、燐はキッチンへと向かう。
愛空燐こと、円谷 燐とは、スキャンダルの直後に結婚をした。
突然の結婚報告で、燐のファンは驚いたかと思う。
ああでもしないと、疑惑が晴れないと思ったのだ。
自分は相手のVとは、なんの男女関係もない。それを証明するため、オレは結婚を報告したのである。
「婚約者がいて浮気していたのか」と、騒ぎ立てるやつもいた。
いやいや、交際相手がいてもなお他の女と付き合うとか、どうかしている。
オレはただ、百合系のV事務所を作りたいんだけどと、相談を持ちかけていただけだ。
相談の場には、常に燐もいっしょにいたのである。
どうして、誤解されるのか。
人を引きずり下ろして、面白がりたいヤツらだ。相手にしても、しょうがない。
話題にして、自分のSNSの閲覧数を上げたかったのだろう。収益になるから。
そんな連中をことごとく無視していたら、いつの間にかスキャンダルは収束していった。
ウワサなんて、そういうものだ。閲覧数が稼げたら、他のところへ行くものである。
「いただきます。このカレー、うまいっ」
オレは幸せの味を、噛みしめた。
「よかったぁ。カレーうどんにする分は取ってあるから、ジャンジャン食べて」
今日はローション相撲で、あちこちが痛い。
カレーで、栄養を補給せねば。
と思っていたら、スマホがけたたましく鳴りだす。
「辰起だ」
こんな時間に、なんだろう?
「どうした?」
『慶、SNS見たか?』
「見てない。それより、今のオレは【つばさ】だって」
『いいから早く見てみろ、慶! どえらいことになってるから!』
なんだよ。
渋々、オレはSNSを開く。
【尾鰭なき野郎ども】の公式SNSが、どえらい炎上をかましていた。
「何が起きてんだ?」
ウチのメンバーは、分別のある大人たちばかりである。個性はあっても、それなりに防衛力のある人材ばかりを集めたはずだ。炎上しようにも、意図的のハズ。
しかし、明らかにリスナー同士が大ゲンカしているではないか。
誰がやらかしたんだ?
まったく、心当たりはない。
「なにがあったんだよ?」
『カップリング論争だよ! 山梨 水沢と、OYA・KATAの!』
(第二章 おしまい)
「おかえり~。慶くん」
愛妻である愛空 燐が、オレを出迎えてくれた。
神絵師で、オレのイラストを担当してくれている。
「ゴハンできてるよ」
「いいのに。イラスト描いててよ」
「夫婦は助け合いっしょ? そういうわけにもいかないよ」
燐はそう言うが、今週の当番はオレだ。
「わかった。洗い物と掃除とゴミ捨ては、オレがやるから」
「あんがと~。めっちゃ出てるから、よろしくね~」
ごきげんな様子で、燐はキッチンへと向かう。
愛空燐こと、円谷 燐とは、スキャンダルの直後に結婚をした。
突然の結婚報告で、燐のファンは驚いたかと思う。
ああでもしないと、疑惑が晴れないと思ったのだ。
自分は相手のVとは、なんの男女関係もない。それを証明するため、オレは結婚を報告したのである。
「婚約者がいて浮気していたのか」と、騒ぎ立てるやつもいた。
いやいや、交際相手がいてもなお他の女と付き合うとか、どうかしている。
オレはただ、百合系のV事務所を作りたいんだけどと、相談を持ちかけていただけだ。
相談の場には、常に燐もいっしょにいたのである。
どうして、誤解されるのか。
人を引きずり下ろして、面白がりたいヤツらだ。相手にしても、しょうがない。
話題にして、自分のSNSの閲覧数を上げたかったのだろう。収益になるから。
そんな連中をことごとく無視していたら、いつの間にかスキャンダルは収束していった。
ウワサなんて、そういうものだ。閲覧数が稼げたら、他のところへ行くものである。
「いただきます。このカレー、うまいっ」
オレは幸せの味を、噛みしめた。
「よかったぁ。カレーうどんにする分は取ってあるから、ジャンジャン食べて」
今日はローション相撲で、あちこちが痛い。
カレーで、栄養を補給せねば。
と思っていたら、スマホがけたたましく鳴りだす。
「辰起だ」
こんな時間に、なんだろう?
「どうした?」
『慶、SNS見たか?』
「見てない。それより、今のオレは【つばさ】だって」
『いいから早く見てみろ、慶! どえらいことになってるから!』
なんだよ。
渋々、オレはSNSを開く。
【尾鰭なき野郎ども】の公式SNSが、どえらい炎上をかましていた。
「何が起きてんだ?」
ウチのメンバーは、分別のある大人たちばかりである。個性はあっても、それなりに防衛力のある人材ばかりを集めたはずだ。炎上しようにも、意図的のハズ。
しかし、明らかにリスナー同士が大ゲンカしているではないか。
誰がやらかしたんだ?
まったく、心当たりはない。
「なにがあったんだよ?」
『カップリング論争だよ! 山梨 水沢と、OYA・KATAの!』
(第二章 おしまい)
0
あなたにおすすめの小説
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる