七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

文字の大きさ
27 / 45
第四章 バ美肉、ファンタジー世界へ

第27話 杭パパの実力

しおりを挟む
 五寸いつきの配信が、終わった。

「ありがとう、五寸。面白かったよ」

 オレはサブモニターで、二人の様子を映していた。

 今日は同時視聴の他に、五寸とのオンライン飲み会も兼ねていたのである。

 声を潜めて、オレは二人の会話に混ざっていたのだ。

「ホント? ケイもありがとうね~」

 五寸の中の人が、オレに手を振る。

「慶さん、ありがとうございました」

「いえいえ。菅生すごうさん、すごいですね」

「今のわたくしは、七光ななひかりで結構ですよ」

「おっと、そうでした。七光ちゃん、グッジョブでした」
 

 杭パパ、というか七光ちゃんの処理能力は、すごかったな。
 ウイスキーを飲みながら、ネガコメを的確に処理してるんだから。

 オレもスパナ……いわゆるコメント管理を任されてアンチコメなどを処理していたのである。

 杭パパはオレと同じことを、トークしながら集中力を切らさずに行っていた。

 パケ死するくらいだから、ああいった掲示板は読み慣れているんだろう。

「会社への批判的な書き込みなどを、処理する担当でしたので」

「ガラケーでもチェックして、自分で切っていたんですよね?」

「違うんですよ。お恥ずかしながら、ゲーム課金です」
 
 はあーっ。年季が違った。

 やっぱ、尾鰭おひれは誰一人、欠けちゃいけない人材が集まっている。

 さて、イベントの準備をするか。 

「慶、ファンタジーもののシナリオは書けたよ。あとはこれを、ラープ用のシナリオにすればいいんだよね?」

「頼む」

 五寸は、テーブルトークゲーのシナリオなども書いている。
 オレもよく、参加させてもらった。

 その縁もあって、こうしてお願いをしている。

「オンラインでVRだから、そんな大変な準備も必要ないし」

「いわゆるメタバース的なステージで、イベントする感じね?」

「そうそう」

 オレの妻である愛空あいすく りんが、モブなどのイラストを担当した。「キャラがわかる程度の、ポンチ絵で構わない」と伝えたのだが、かなり本格的なエに仕上げている。

「悪そうな貴族だねえ」

「ボスだからね。一番気合い入れた」

 五寸と燐で、女子トークが弾む。

「当日は、お願いします」

「はーい」
 
 オレは、通信を切った。

「またオレたちの絆が、試されるわけか」

「とかいって。自分が企画したんじゃん」

「そうだけどさ。シナリオは五寸が担当したし、オレもGMじゃないから、実情がよくわかってないんだ」

 菅生さんこと、七光ちゃんも何も聞かされていないそうだし。

「キャラメイクも、詳しくは聞いていないんだよね?」

 現在、メンバーにはシナリオに則ったキャラクターを作ってもらっている最中である。

「ボクはもう、できましたので」

「楽しみにしております! 七光ちゃん!」

 どんなサプライズが待っているのか、今から楽しみである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...