七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第四章 バ美肉、ファンタジー世界へ

第29話 キャラ紹介 その一

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「なるほど。お姫様なのに前衛に立っているのは、そういう背景があると!」

 ゆーなちゃんが、うまくフォローを入れてくれた。

「ところで、つばさちゃん。あなたの種族は?」

 スケるとんが、ナイスな質問を投げかける。

「そうでした!」

 このゲームは、種族によるバフがあるのだ、どの種族を選ぶかによって、メリットとデメリットが発生する。

「姫騎士つばさの種族は、人間族です」

「人間で、くっころ属性と」

 こら、ゆーな。勝手に属性を盛るんじゃない。

「ありがとうございます。では、そのゆーなちゃん、キャラ紹介をどうぞ」

「はい。わたしは【悪の僧侶】であります。名前はそのまま【ゆーな】で、種族はドワーフです」

「戒律は、悪なんだ」

「破戒僧だね。世の中の理不尽さに絶望して、やさぐれました」

 このゲームは、戒律というものが存在するのだ。
 悪か善かによって、プレイスタイルがガラッと変わる。

「優等生キャラが染み付いちゃっているんで、ゲームの時くらい正反対なキャラをやりたいなと。特技は回復とネクロマンシーで、スケルトンを操ります」

 このパーティの回復役なのだが、唯一の悪戒律の女性だ。

「つばさ姫とは、どうやって出会ったの?」

 スケるとんが、質問してきた。

「悪さして捕まったところを、親切な姫様に拾われました」

「西遊記と逆やな」

「でも、お金はきっちり受け取るぜ、と、報酬目当てに働くのです」

「がめついなあ! これぞ、ワルやで!」

 日頃おとなしいからか、ゆーなにしてはかなり個性的なキャラに仕上がったなーと。

「ありがとうございました。続きまして、七光ななひかりちゃん!」

「はい。ワタシは【ひかり】、魔法剣士こと、サムライでございます。で、姫騎士つばさ様のメイドでございます。種族はダークエルフ」

「褐色メイドサムライ! 属性モリモリですね!」

「はい。アタッカーも料理も、お任せください。あと戦闘時は、魔法剣を使って攻撃を担当します! 刀を振り回すのではなく、あくまでも魔法剣です」

 種族の垣根を越えて接してもらった恩義から、陰ながらつばさの身も胃袋も守る。


「では、OYA・KATA、自己紹介をお願いします」

「うっす。名前は【アカヤ】です。エルフの魔法使いです。うっす」

 意外だというため息が、メンバーたちから漏れる。

 てっきり肉弾戦を得意としそうだが、選んだのは魔法使いだ。

「モンクとか、それこそナイトとか、色々できたと思いますが?」

「魔法少女になるのが、夢だったんで。うっす」

 たしかに。「女装したい」って、言っていたもんね。
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