七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

文字の大きさ
30 / 45
第四章 バ美肉、ファンタジー世界へ

第30話 キャラ紹介 その二

しおりを挟む
「魔法の研究のために、ダンジョンに潜ろうとしましたが、ソロではきついなということで、皆さんのお力を借りたいと申し出てきました。うっす」

 これまで紹介したのは、「戦闘」を担当するパーティである。

「実はですね。戦闘するパーティの紹介は、以上でございます!」

 メンバーが、「えーっ」と大げさにのけぞった。

「聞いてないよ~」

 定番芸ありがとう、山梨よ。

「いやいや、説明したでしょうが。非戦闘員パーティもいますよーって」 
 
 本作は、戦闘以外に探索パートというものが存在する。

 そこで、探索のためのパーティが同行するのだ。

「では、探索パートのメンバー出ておいで」

「はい。ほな、トップバッター行きます」

 ファン・レバレッジ社長が手を挙げる。

「ウチは【レバっち】。ノームの、女盗賊ですわ。鍵開けと、トラップ解除担当や」

「おおーっ」

 社長にしては珍しく、アウトローだね。

「結構、大仕事だけど。社長、うまくロールプレイ、やれそう?」

「やらいでか、って感じですわ」

 ダンジョンに潜るいきさつやけど、「悪の僧侶【ゆーな】と、同じ牢獄に捕まっていた」という設定に。

「ワタシと仲間だった、でもいいかもしれませんね」

「せやな! ワシらはコンビやった、っちゅうことで頼むわ。つばさちゃん!」

「わかりました」

 続いて、山梨やまなし 水沢みずさわが手を挙げる。

「わたしはー。レンジャーでーす。名前は【なしこ】でーす」

「ちょっと、会話のクセが強いねー」

「マッピングと採掘担当でーす。初心者ですけど、がんばりまーす」

 早々に退散しようとしたところを、オレは呼び止めた。
 
「待って。ライフパス、ライフパス。経緯を教えて下さい」

 こいつ、唯一のTRPG未経験なんだよな。
 
「ダンジョンにやってきたのはー。初仕事でーす」

「初仕事で、こんな死にに行くようなダンジョンに入れと」

「ブラックでーす。つまりわたしはー、斥候でーす。死ぬのも仕事に含まれまーす。でもー、高ーい報酬につられてー、ホイホイついてきちゃいましたー」

 ガチの初心者だ……。

「ありがとうございました。最後、スケるとん。オチ担当ですよ。どうぞ!」

「ミーのネームは、【ブー】ちゃんです。オーク族の、踊り子です」

「うわー! ネタジョブだー!」

 このゲームにおける【踊り子】は、いにしえのヒットゲームの「遊び人」に相当する。

「姫騎士に負けて、ドレイとして飼われています」

「うわうわうわーっ!」
 
 一番の経験者が、一番役に立たねえ! 

「ステータスも運に全振りの、ネタビルドじゃねえか! なんでまた!?」

「アドバイスくらいで留めようと思いまして、ミーは一切、活躍しない方向で。でもセクシーなので、目の保養くらいにはなろうかと」

 おわかりの通り、全員が「あまり得意ではない分野での活動」を主としている。

 普通なら、OYA・KATA辺りが前衛ドワーフ戦士、スケちゃんは後衛でアーチャーなどでもいいだろう。
 しかし、そうしなかったのは、「イレギュラーを発動させたかったから」に他ならない。

「では、このメンバーでお送りしまーす!」

「ていうかさ、このメンバーで、【尾鰭おひれ】くんでも良かったんじゃね?」

「ゆーなちゃん。それを言っちゃあ、おしめえよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...