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第四章 バ美肉、ファンタジー世界へ
第32話 囚われの僧侶
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エリート街道まっしぐらなスケる豚が、まさかの三下ムーブを。
自分では不可能なキャラを演じるのが、ロールプレイングゲームの醍醐味である。
とはいえ実際にプレイしてみると、照れが出たりでなかなか役になりきれない。
しかしスケる豚は、見事に三下オークを演じている。
「はい。そういうキャラです。そういうキャラでぶー」
優等生とは思えない、三下ムーブだ。
これはこれでいいか。
「いいでしょう。ついていらっしゃい。ただし、ここから先にあるダンジョン【地下迷宮:グースン】ですよ。いいですか?」
「いいでぶー。生きていられるなら、どこでもいいぶー」
ここでスケちゃんは、軽快なダンスを踊り始めた。
「姫様、よろしいのですか? 相手は、モンスターですが?」
七光演じる【ひかり】が、警戒をする。
「降参している相手に無益な殺生など、それでは王都と同じこと。連れていきましょう。役に立たぬなら、野に返せばよいのです」
「わかりました。もし寝首をかこうものなら、わかりますね?」
ひかりが、剣をチラリと見せた。
「もちろんだぶー。そんな物騒なマネはしないぶー」
ブーちゃんはあくまで、忠誠を誓うつもりのようだ。
「では、参りましょう!」
笑いをこらえて、強引に話を進める。
「はい、それでは、姫騎士つばさのオープニング終了! 続いて、ゆーなちゃん!」
一応このお話は、第一プレイヤーは『主人公扱い』で、PC二は、『ダークヒーロー』扱いだ。
普段では、清楚優等生のゆーなちゃんが主人公で、オレがダークヒーローを担当する。
しかし今回は、ゆーなちゃんが悪役ムーブを見せる番だ。
「どうなっていますか?」
「石に閉じ込められています」
『西遊記』かよ! どんな悪さをした!?
「あれや! 『いしのなかにいる』ってやつやろ?」
「まあ、そういうわけです。あと【レバっち】、あなたもいっしょですよ?」
「はい!?」
プレイヤー名【レバっち】こと、ファン社長がのけぞる。
「あっ、そういえば、レバっちとゆーなは仲間だったっけ」
「はい。そんな感じのOPシーンで、お願いします」
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
姫騎士つばさは、酒場でヒーラーを探していた。
その過程で、囚われている僧侶がいると聞く。そいつが一番、強いだろうと。
王都の地下牢へ赴くと、岩廊に閉じ込められた女プリーストを発見した。手と顔だけを出した状態で。
背が低く、女性にしてはがっしりしている。女ドワーフのようだ。
ノーム族のシーフも、同様に捕まっていた。
「何があったか、お話をお聞かせください」
「宝石を盗んだという魔法使い【グースン】に手を貸した、という謂れのない罪を着せられまして」
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
あー。なるほど。ゆーなも、謀られちまったと。
自分では不可能なキャラを演じるのが、ロールプレイングゲームの醍醐味である。
とはいえ実際にプレイしてみると、照れが出たりでなかなか役になりきれない。
しかしスケる豚は、見事に三下オークを演じている。
「はい。そういうキャラです。そういうキャラでぶー」
優等生とは思えない、三下ムーブだ。
これはこれでいいか。
「いいでしょう。ついていらっしゃい。ただし、ここから先にあるダンジョン【地下迷宮:グースン】ですよ。いいですか?」
「いいでぶー。生きていられるなら、どこでもいいぶー」
ここでスケちゃんは、軽快なダンスを踊り始めた。
「姫様、よろしいのですか? 相手は、モンスターですが?」
七光演じる【ひかり】が、警戒をする。
「降参している相手に無益な殺生など、それでは王都と同じこと。連れていきましょう。役に立たぬなら、野に返せばよいのです」
「わかりました。もし寝首をかこうものなら、わかりますね?」
ひかりが、剣をチラリと見せた。
「もちろんだぶー。そんな物騒なマネはしないぶー」
ブーちゃんはあくまで、忠誠を誓うつもりのようだ。
「では、参りましょう!」
笑いをこらえて、強引に話を進める。
「はい、それでは、姫騎士つばさのオープニング終了! 続いて、ゆーなちゃん!」
一応このお話は、第一プレイヤーは『主人公扱い』で、PC二は、『ダークヒーロー』扱いだ。
普段では、清楚優等生のゆーなちゃんが主人公で、オレがダークヒーローを担当する。
しかし今回は、ゆーなちゃんが悪役ムーブを見せる番だ。
「どうなっていますか?」
「石に閉じ込められています」
『西遊記』かよ! どんな悪さをした!?
「あれや! 『いしのなかにいる』ってやつやろ?」
「まあ、そういうわけです。あと【レバっち】、あなたもいっしょですよ?」
「はい!?」
プレイヤー名【レバっち】こと、ファン社長がのけぞる。
「あっ、そういえば、レバっちとゆーなは仲間だったっけ」
「はい。そんな感じのOPシーンで、お願いします」
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
姫騎士つばさは、酒場でヒーラーを探していた。
その過程で、囚われている僧侶がいると聞く。そいつが一番、強いだろうと。
王都の地下牢へ赴くと、岩廊に閉じ込められた女プリーストを発見した。手と顔だけを出した状態で。
背が低く、女性にしてはがっしりしている。女ドワーフのようだ。
ノーム族のシーフも、同様に捕まっていた。
「何があったか、お話をお聞かせください」
「宝石を盗んだという魔法使い【グースン】に手を貸した、という謂れのない罪を着せられまして」
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
あー。なるほど。ゆーなも、謀られちまったと。
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