七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第四章 バ美肉、ファンタジー世界へ

第33話 孤高の魔術師 アカヤ

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「詳しく、お話をお聞かせ願えないでしょうか?」

「助けれくださるなら」

「はい。お約束しましょう」
 
「なにか国王に不利益な情報を持ってて、ゆーなを消したいけど、あからさまに処理しちゃうとかえって怪しまれるから、生かしておいてやろうと」

「わかりました。あなたは?」

 オレは、ファン社長にも声を掛ける。

「ワシは……やなかった。ウチは、王室のお宝に手を出して、死刑待ちじゃーん」

 ギャルっぽい、話し方にしたのね。社長……。

「大胆不敵な泥棒ですね」

「それが売りじゃーん」

 たどたどしい標準語が、またクセ強に拍車をかけているな。

「わかりました。解放して差し上げましょう。ここに保釈金がありますから、出してあげます」

「やったー」

 二人は、手だけでバンザイする。

「ただし、お二人とも、私の旅についてきてください。ヒーラーが欲しいですし、王室にまで忍び込める盗みのテクがあれば、迷宮のトラップなど造作もないでしょう」
 
「よろしくお願いします。我々は、何も望まない。死を待つばかりだったところで、自由を手に入れたんだ。それでいいさ」
 
 こうして、オレはゆーなたちを解放し、仲間に引き入れた。

「相手は魔法使いだ。魔法の技術に長けたやつを仲間にしたほうがいいな」

 ナイスアシストだ。ゆーなちゃん! 合流やりやすくなったぜ。

「そうですね。我々は、物理に偏りすぎです。ヒカリもいますが、剣術主体で魔法に詳しくありませんから」

 オレの横で、七光ななひかりちゃん演じる【ヒカリ】が首を縦にブンブン振る。
 魔法どころか、テーブルトーク系のお話自体が初めてっぽいもんな。

「あっちの席に、魔法使いっぽい女の子がすまっていますでぶー」

 スケるとん演じる【ブー】ちゃんが、端っこの席を指差す。

「さて、OYA・KATA。おまたせいたしました。いよいよ、出番です。お願いします」

「うっす」

 OYA・KATAと山梨やまなしの、導入パートがスタートとなった。
 

 ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ 
 

 大量の冒険者に紛れて、ちっこいエルフがミルクを飲んでいた。酒が飲めないようだ。口を真っ白にして、一人佇んでいる。

 話しかけようとしたが、おっとり系の人魚レンジャーが料理をモリモリと運んできた。

「おまちどー。【アカヤ】ちゃーん」

「ありがとう【なしこ】」

 人魚獣人族のなしこが、ずっとアカヤに話しかけている。
 が、しゃべているのは、なしこだけ。
 
 シティエルフのアカヤは、骨付きマンガ肉を無言でわっしわっしとかじっている。


 ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~

 OYA・KATA、無口キャラで攻めてきたか。
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