七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第五章 バ美肉、ダンジョンへ

第37話 第二層への道

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「このダンジョンって、何階層あるんですか?」

「三階層で、終わりです」

 本当はもっと長いのだが、あまり長すぎると話が終わらない。
 なので、三階層で決着をつける。
 敵のレベルも、それほど高くない。

「今の目的は、ひとまず下の階への入口探しです」

 このとき、なしこが役に立つ。

「最短ルートだと、この道を進めばOKです」

 地図で、なしこが示す。

「ただ、このルートはトラップが多くて、入口に戻される仕掛けがあります。また、落とし穴などもあって、行く手を阻んでいます」

 このダンジョンは落とし穴と言っても、下の階に落とされるのではない。「ピット」といって、針のひしめく穴に落とされて、ダメージを受けるのだ。

「ほな、打つ手なしかいな?」

「そう。ワタシたちも調べたところ、敵が多い大回りのルートが最適と判断。だから、一階層で断念」

 OYA・KATAが役になりきって、魔術師アカヤを演じる。

「具体的には、全員のレベル五くらいまで、がんばってあげましょうね」

 現在、最もレベルが高いのはアカヤの「四」だ。なしこも「三」くらいある。

 残りのメンバーを、レベルアップするのだ。

「この迷宮は、ずんずん下の階へ潜っていくタイプの迷宮ではないな。横に広い」

「そうなんだぶー。まるでショッピングモールだぶー」

 ゆーなとブーちゃんも、みんなのロールプレイに付き合う。

「敵の種類が、増えてきましたわ」

「姫様、しっかり。ワタクシが戦いますので」

 オレとひかりも、役になりきって戦う。

 盾を構えて、攻撃をすべて引き受ける。

「このモンスター、強いです。こいつが階段の門番ですね」
 
 ヒカリは、クモの大型モンスターと切り合っていた。

「ていうか、私に攻撃手段ないかな? ショートソードしかないじゃん」

「ワタシが、エンチャントする」

「助かるー。じゃなかった。では、お願いしますわ」

 炎属性を、ショートソードに付与してもらう。

「ヒカリ、【ダブルスラッシュ】ですわ」

「姫様、お恐れながら、ワタクシに合わせていただきます」

 特撮番組によくある、複数同時攻撃を繰り出した。

 効いているが、決定的な攻撃にはならない。

「がんばるぶー」

 踊り子が、踊ってみんなを鼓舞する。

「エンチャントが、さらに増幅されましたわー!」

「踊りに、こんな効果が!」

 戦闘要員全員に、ブーちゃんのダンスでバフが注がれた。

 今度こそ、クモを仕留める。

「お宝は、と。その前にサイコロをコロコロ」

 今回、罠は発動しなかった。

「うーん。残念や」

「いや社長! そこは、喜ぶところなんで!」
 
 なに、おいしいハプニングを期待してるんだよ!
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