七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第五章 バ美肉、ダンジョンへ

第38話 ダンジョンの街

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「おお、地下街だ!」

 地下に街があったことに、ゆーなが驚く。

「えっとですね。このフロアは、街と、ダンジョンで二分化されています。

 右が街、左がダンジョンとなっている。

 マスターのはからいで、そういう仕掛けにしてもらった。

「実はこのゲーム、一旦いちいち帰らないといけないんですよ。アイテムの整理やら、装備品の鑑定やらで」

 本来装備品も、街に戻って武器屋に鑑定してもらうのだ。

「だけど物語のテンポが悪くなるよね、って話し合いになりました。ならばある程度、街の機能があるポイントを作ろうよって、なりました」

 レバっちが【鑑定】の能力を持っているのも、その一環である。
 
「ちょうどよかった。リソースを削られて、大変だったところ」

 宿で休みたいと、アカヤがつぶやく。

「では、戦闘員は、休みましょう」

 どんなにケガをしても、宿に泊まったら一発で回復できるのはありがたいね。

「いよいよここからは、非戦闘員のパートでございます」

「と、言いますと?」

「探索を行います」

 このゲームには、シティアドベンチャーの要素もあるのだ。

 ある程度シナリオを進めると、街の情報が変化する。迷宮を作った魔術師【グースン】の情報を、少しずつ集まるようになるのだ。

 ここは、グースンが作った街である。となれば、よりグースンに詳しい人物がいるに違いない。
 
 本来なら街でひっそりと暮らしていた魔物が、こっそり教えてくれる。

 しかし街に帰る必要をなくして、ここで情報を集められるようにした。

「誰から、情報を集めますか?」

「ウチや!」

 レバっちが、手を挙げる。

 おいしいトラップコントばかりで、いいところがなかった。

「【闇ギルド】に行けますよ」
 
 アンダーグラウンドたちが、生きるために結託した組織という感じだ。
 
「バンデッドのフリをして、忍び込んだろ」

「その意気です。では、レバっちのロールプレイスタート」

 ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ 


 迷宮にできた街に、闇のギルドがあることを、盗賊レバっちは発見した。

 このダンジョンに入る【バンデッド】などの盗賊たちは、闇のギルドに所属して、悪さをしている。魔術師グースンと契約し、命の代わりに侵入者を消すよう命じられているのだ。
 
 盗賊レバっちは、バンデッドに化けて、闇ギルドに足を運ぶ。

「もしもし、景気はどうよ?」

 セクシー女盗賊の登場に、アンダーグラウンドの面々は色めき立つ。


 ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~


「はい。ここで盗賊団やりたい人ー」

 オレはアドリブで、メンバーの中でNPCを演じさせることにした。

「では、出番があんまりなかったワタシが」

「ヒカリちゃんが?」
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