七人のバ美肉　～美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった～

椎名　富比路

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第五章　バ美肉、ダンジョンへ

第39話　悪役ロールプレイ

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　意外な人物が、挙手したではないか。

　スケる豚とん演じる【ブーちゃん】辺りは、ネタでやってきそうだなーと思えたのだけど。

「悪党役だけど、できそうですか？」

　ボンボンである中の人とは、まったく異質な存在だが？

「がんばります。つばささん、台本を」

　ならばと、オレはヒカリに台本を渡す。

「ここんところは、騎士団たちのような腕の立つ上にいい装備を置いていくヤツラは減ったなぁ。どんくさい初心者冒険者ばかりだ。つまんねえよ」

　台本を、ヒカリが読み上げる。ノドをわざと汚くして、それっぽい役割を演じていた。
　
「ふーん。最近さ、姫騎士ってのが現れたじゃん？　アイツラどうよ？」

「久しぶりに、なぶりがいのあるヤツラが潜ってきて、オレたちとしてもホクホクってもんよぉ」

　山梨やまなしが、ソワソワしている。

「アドリブで、入りたいか？」

「はい。でも、見守りますっ」

　さすがにここで、ヒカリの晴れ舞台を茶化す無神経さはないか。

「では、ここで家来その一として、山梨がロールプレイを」

　オレは、山梨にも台本を渡した。

　山梨はペコリと頭を下げて、台本に目を通す。

「オカシラ！　大変でさあ！」

　ドスの利いた声で、山梨は子分の役割を演じる。

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「たたた、大変でさあ！」

「だから、なにが大変なんだ!?」

「ヤロウが！　伝説の【ウィザード・アカヤ】が、この迷宮に！」

「なにい！　アカヤだと!?」

　盗賊と頭目が、棒立ちになった。

「アカヤっていえば、魔術師【グースン】の弟子だって言うじゃねえか！　意見が対立して、別れたって聞いたぜ」

「それがアカヤのやつ、グースンの一人娘【なしこ】を連れてるんでさあ。グースンのやり方が気に食わねえってんで、殴り込みに来たようなんでさあ」

「まずいな。なしこなら、このダンジョンに仕掛けられている『裏道』の場所を知っているはずだ」

　どうやら、このダンジョンには裏道があるらしい。

「裏道ってのは、なにじゃん？」

「この迷宮の街には、グースンのいるフロアに直通できる裏道があるんだよ。オレたちも詳しくは聞かされてねえ」

　しかしアカヤとなしこなら。グースンの一番弟子と一人娘なら、なにか嗅ぎつけるかも知れないと。　

「なんてこった！　今すぐ調査隊を派遣しろ！　ふたりとも始末するんだ！」

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　ここで、オンナ盗賊レバっちのパートは終わりに。
　　
「さて、迷宮において、アカヤたち二人が重要なキャラクターであることが、ここで明かされました」

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