七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第五章 バ美肉、ダンジョンへ

第41話 裏ライフパス

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 オレたちの作戦は、盗賊どもをダンジョンエリアまで誘導して、近道ルートにあるピットに落としてやろうという作戦だった。

 ダンジョンエリアにはモンスターを配置する予定だったが、却下に。作戦が面白そうだったので、盗賊との鬼ごっこを優先したのである。

「作戦は、大成功でしたね」

「ええ。うまくいきすぎましたけどね」

 スケるとんと、山梨やまなしが、お互いを称え合う。

「ボケ担当としては、もっとハプニングがあってもよかったかなーと」

「いや。畳み掛けすぎても、かえってテンポが悪くなるぜ」

 ゆーなが、山梨に言葉を返す。

「それもそうですね。ところで、色んなことがわかったわけですが」

 山梨演じる【なしこ】とOYA・KATA演じる【アカヤ】にも、秘密があった。

「そうなんですよ。【裏ライフパス】といいまして。みなさんにはそれぞれ、秘密がございます!」

 ライフパスとは、そのキャラクターが背負っている生い立ち、弱点、目的などが記されている。

 そのほかに、「真の目的」などが示された【裏ライフパス】という設定があった。

 キャラクターを引き立たせるための設定を、それぞれのキャラに作ってもらっている。

「まず【つばさ】ですが、彼女の目的は『王都【イスルギ】の王様を殺す』ことです」

「冒頭で、言ってましたよね? 明かしちゃってよかったんですか?」

「はい。コイツの性格を決定づける重要な動機なので、早めに明かしたほうがいいなと」

 あとは、

『アカヤが、迷宮のラスボス【グースン】と師弟関係』

『なしこがグースンと親子』

 というのが発覚した。

「アカヤちゃんとわたしは、もともと王都出身でー。わたしとアカヤちゃんが幼馴染なのはー、親を介していたからなんですよねー」

「でも、グースンは王国に反旗を翻して、迷宮に引きこもってしまった」

 その秘密を究明すべく、迷宮に足を踏み入れたのである。 
 
「とはいえさ、グースンと対立するんだろ? 親子で殺し合いになるぜ」

「その先は、ちゃんと考える」

 アカヤにはアカヤなりに、考えていることがありそうだ。

「そのライフパスって、明かしちゃってよかったんですか? もうちょっと引っ張ってもよかったような」

 なしこのライフパスを明かしたのは、なしこ自身と七光ななひかり演じる【ヒカリ】である。

「ムリに引き伸ばしても、アカヤやなしこの行動動機が、視聴者に伝わらない。明かすなら今だと、なしこと相談して決めた」

 それで、もう秘密を明かしてしまえとなったんだな。

「他の人のライフパスも、任意でいつ打ち明けても構いませんので。では、三階層めに移動しましょう」
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