七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第五章 バ美肉、ダンジョンへ

第44話 ラストバトル

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「だが、もはや吾輩の身体は、【月の虹】と同化してしまった。吾輩を倒さぬ限り、月の虹を手に入れること、かなわず」


「はい。というわけでですね。ラストバトルが発生しました」

 最終対決に突入する。

「先陣切って、斬りかかります!」

「おっ。【ヒカリ】ちゃん、やる気だ」

 七光ななひかり 八重やえ VS くぎ 五寸いつきによる、真の父娘対決だ。
 肉親同士の初コラボが、まさかこんな形で実現するとは。

「ちなみに、裏ライフパスを明かしておきますね」


[あなたは、グースン及びイスルギ王の侵略行為によって、戦災孤児となった。つばさの父親である先王に拾われて、つばさ姫の従者となる]


 なるほど。事情はどうあれ、グースンには個人的な恨みがあると。

「なしこさんとアカヤさんには悪いのですが、復讐心は止められません! 覚悟!」

 ダイスで、攻撃判定。

 
 ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ 


「ダークエルフ狩りにあった父の仇、仲間の無念をはらします。グースン! 死んでもらいます!」

「この身は既に、星と運命をともにした。とはいえ、殺意には殺意で返さねば無礼というもの。よろしい。くるがよい!」

 ダークエルフ族に伝わる剣戟で、ヒカリが斬りかかる。

 魔力を帯びて光る刀身は、確実にグースンの首を捉えたはずだった。

 しかし、幻を斬ったに過ぎない。

「ぬう。我が魔力を切り裂いたか。ただでは起きぬな、ダークエルフよ。やはり、根絶やしにすべきだったか」

「だまりなさい。あなたの野望ごと、斬り捨ててみせます!」
 
 
 ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~

 
 さすが、達人同士の戦いだ。見応えがある。

「ヒットに成功! ですが、ダメージはあまり通りませんでした!」

「一人の分、こっちは複数回攻撃できるけど、残念ながら初撃は防御で使わされたよ。だからいいんじゃない?」

 攻撃回数を減らせたのは、かなり大きい。

 だが、続くアカヤの魔法は、相打ちに。

 複数行動できるグースンが、アカヤに照準を合わせる。

 今度はつばさが、カバーリングで攻撃回数を減らした。魔法によって、大ダメージを受ける。

「よし、次はあたしだ。やったるぜ」

 ゆーなが、裏ライフパスを開けた。
 
 
[グースンが唯一認めた友人であるあなたは、グースンの『本当の居場所』を知っている。とどめを刺すなら今だ]

 ゆーな以外の全員が、キョトンとした顔に。

「つまり、あのグースンは、魔法で作ったニセモノってこと!」

「そっか。いったれ、ゆーな!」

「ドワーフキーック!」

 モンク僧侶ゆーなが、キックによって、本棚を破壊した。

 その向こうに、もう一つ部屋が。

 老婆に等しい姿の、グースンがうずくまっていた。
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