浮気の境界線

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 今の彼氏と付き合うことになってから、二人でいることの大切さと、一人でいるのとの重要さに気付くことができた。おれはずっと一人が楽だと思って生きてきた。なにをするときも、ショッピングもご飯も旅行も、一人だからこそ気を遣わなくていいし、一人だからこそ自由になれると思っていた。
 それは確かに間違ってはいない。人間、どれだけ周りに人がいても結局は一人きりなのだ。
 けれど、それが二人になったとき、面倒くさいが新しい発見に、気遣いが新たな出会いに変わった。
 自分だったら決して入ることはなかったであろう場所でショッピングをしたり、一人では行かなかったあろうレストランで食事をし、宛てもなく彷徨うようにしていた旅行に計画を立てるようになった。店員さんと喋るようになり、道ゆく人と一期一会を楽しめるようにもなった。
 思い返せばこの3年、自分でも驚くほど様々な体験をしてきたと思う。
 ガチャ、と音がして彼がシャワールームから出てくるのがわかった。
「一人で洗えた?」
 少し意地悪をするように訊ねると、
「なに言ってるんですか、一人でできますよ」
「そうなの、さっきはおれがいないと駄目みたいだったけど」
「そなんなことないです。一人でできます」
 バスタオルを腰に巻いた姿ではにかむ男の子はおれの隣に腰を下ろした。
「またやりたいです」
「もう一回戦?」
「今日じゃないですよ、また今度、掘ってほしいです」
「そんなに気持ちよかった?」
「はい、ゾクゾクしました」
「潮噴いてたもんね。よく噴くの?」
「今日が初めてです。あんな感じなんですね」
「どんな感じだったの」
「なんだか、下の方から噴き上げてくるような、我慢したいのにできない感じです」
 おれの二の腕に顔を埋めて話す彼。ハメ撮りでもしておけばよかったと少し後悔する。
「もうおしっこは出ない?」
「んー、わかんないです」
「出してるところ見たいな」
「えー」
「おしっこしてるところ見せてよ」
「なんでですか」
「いいじゃん、見せてよ。嫌?」
「…嫌…じゃないですけど」
「じゃあお願い」
「…ほんと、変態ですね」
「変態好きでしょう」
「…はい」
 おれは立ち上がって彼をシャワールームへと連れて行く。
「撮っていい?」
「えっ」
「おしっこしてるとこ、撮っていい?」
「なんでですか、駄目です」
「いいじゃん」
「えー」
 スマホのカメラを起動して彼に向ける。
「さ、どうぞ」
 もじもじと恥じらう素振りを見せている彼を無視しておれは撮影を開始する。
「恥ずかしいです。出ないかもしれません」
 バスタオルを取り全裸になった彼はちんこに手を添えて便器の前に立った。
 まず彼の全体像を撮り、そこからちんこをアップする。皮を少しめくってピンク色をした亀頭を出し静止したまましばらく経ち、ちょろちょろと液体が流れ出るところを見守る。最後に亀頭をきゅっと絞るところまで撮って、また彼の顔にカメラを向ける。
「恥ずかしいです。誰にも見せないでくださいよ」
「わかった」
 目を伏せながらそう訴える彼の頭を撫でてからカメラの停止ボタンを押す。
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