60 / 102
59.さっぱりサラダと大葉のおにぎり
しおりを挟む
巷で噂のメイスのポタージュの元祖がヴォーノ・キッチンと聞いたゴトフリー商会のガイルは、性懲りもなくパートナーの一人と執事のユニを連れてシズクの店に朝からやってきていた。
「やはりね、目の付け所が違うよ。メイスなんて今まではそう言った業者ぐらいしか購入しなかったのに、美味しい焼き方を開発したばかりか、この至高なる食べ方を提案してくれるなんて……。そして他店にはないラインナップも素晴らしい」
店にあるメイスを使ったメニューを一通り試した後ガイルは、食後に出されたメイス茶に手を伸ばした。横に並ぶパートナーはクエルと言う名の女性で、初めて見た顔である。お腹がふっくらして見えるのでおめでたなのかもしれない。
「あぁ、シズク殿、すまないがクエルは身重でね。白湯か常温の水があればお願いしたいのだが……」
ガイルがそう言うと、シズクはさも何でもないような顔で返事をする。
「このお茶はメイスの髭から煮だしているお茶なんで、お腹のお子さんとクエルさんに負担になるようなものは入ってないですよ」
トウモロコシの髭茶。
カフェインを含まず、適度な整腸作用、冷え防止で妊婦さんにも安心な飲み物である。
それをこの世界でのトウモロコシに当たるメイスの髭で同じようにお茶を作って出しているのである。
「茶は妊婦には御法度。シズク殿ともあろう方がそれを知らないとは……」
「あの、これ、さっきも言いましたけれどメイスの髭から煮だしているんで正確にはお茶ではないで……」
「ひげ?」
はい、と最近メイスにはまり気味のエドワルドの為に、メイスの髭茶パックを作成して持っていたのでそれをガイルに見せる。
お茶パックのようなものがなくざっくり濾しただけなので、たまに髭が浮いているのはご愛敬。
「メイスから出てる髭みたいなのを乾燥させて、乾煎りしたものを煮だすだけですよ。メイスの実も同じように乾燥させて乾煎りしたものをお茶にできますよ」
「ほう……。茶の葉を使わない茶というわけですか」
「ただし利尿作用が強いので、そこだけは注意しなくちゃですけれど」
一応そう言ってクエルの前にもメイスの髭茶を置くと、にこりと笑って口を付ける。
「ほのかに甘みがあって、とても美味しいですわ」
「そうか。してこれはどこで購入すれば?」
「売ってないんで、メイスを買って自分で作ってみてください」
とても優雅に微笑んで聞いてくるガイルに対して、シズクも負けじと満面の笑みで売っていない事を告げる。
「この私に購入できない商品があるとはっ!」
売っていない事にびっくりしたクレドの大げさなジェスチャーにも驚くことなく、クエルは全く動じることなくお茶をゆっくりと楽しんでいる様子だ。
そんなクエルが、並ぶ総菜の中から一つ食べてみたいと気になるものを告げる。
「こちらも体にはいいものかしら?」
その先にあったのは先日からたまに出しているブロッコリーとアポの実を使ったサラダだ。
暑い日が増えてきたので、今日はオリンジの実を少し入れてさっぱりとした味わいに仕上げてある。
「もちろんです。栄養満点ですよ」
「栄養?」
「はい。具体的には……難しいんで割愛しますが、お腹の赤ちゃんの成長に必要な栄養素も、母体の健康維持に必要な栄養素もしっかりとれますよ。食べられないものとかありますか?」
つわりで酷い場合は、炊いた白米の匂いが駄目だと言う人もいるし、甘い物が駄目だと言う人もいる。症状は千差万別だが酸っぱいものを食べると比較的楽になる人も多いと聞くkので、クエルにも念のため聞いてみる。
「実は、最近食べようとするとつわりで吐き気がどうしても……」
「なら試しにちょっとだけ食べてみますか?」
小皿に小さなブロッコリーの欠片とアポの実にオリンジを乗せ、少し大きめのオリンジの実を潰してその汁をかけてからクエルに出す。
クエルは手に持ってから、少し戸惑いがちに一度鼻を寄せて匂いを嗅ぐと、大丈夫そうだと一度頷いてから恐る恐るスプーンに乗せて一口ぱくりと食べた。
下を向いていたクエルの顔がぱっと上がり、目を輝かせながらおかわりをお願いされる。
今までのつわりが結構大変だったのか、他にも同じようにさっぱりしたメニューがないかを聞かれていると、随分と久しぶりにクレドがエドワルドと並んで店にやってきた。
「シズク殿、久しぶりだな」
「クレドさん、お久しぶりです。お忙しかったんですか?」
魔術師団に所属するクレドは、最近ずっと店に顔を出していなかったように思う。
一時期は店に入り浸るように来ていたのだが……。
「あぁ、少し立て込んでいる案件があってな」
「うちも結構大変で、魔術師団の護衛に結構駆り出されたりするんだよ」
「お前は護衛任務にきたことなどないではないか。そのくせシズク殿の店に入り浸りおって!」
「そっちの任務は俺向きじゃないだけだし。それに来たければお前も入り浸ればいいだろ」
「なっ!! 何を言う!」
仲がいいのか悪いのか全く分からないやり取りをしているその横で、二人の会話が気にならないと言うわけではないのだが、シズクはクエルが食べられるものにリサーチをしていた。
そしてそのクエルの横で紳士的な笑みを浮かべながら会釈をするガイルに、一応会釈をしてからエドワルドとクレドは店の椅子ではなく、シズクを守るように両隣に陣取った。
食べたいけれど、食べると気持ち悪くなってしまう。
さっぱりしたものなら食べられるが、いつも同じメニューになってしまって食事が楽しくない。
昔から妊婦に良いと言われている食べ物は、栄養はありそうだが基本的には美味しくないのだという。
「昔からつわりにいいって言われている食べ物はあるんですか?」
「そうですね。つわりというよりはこの地方で昔から妊婦に食べさせて栄養を付けるためのメニューはサルモーが食べられているんです。塩を強めに振れば比較的食べることもできるのですが、脂がのっているものはなかなかどうして……」
サルモーは鮭に似た魚である。
最近いくらに似たイキュアはよく食べられようにはなったとは言え、サルモーはそうでもない。
つわりといってもひとくくりにはできず千差万別ではあるが、流石につわりのひどい人にとっては油の乗ったサルモーはしんどいのではないだろうか。
「もし白米の匂いが嫌でなければ、ちょっと試してもらいたいんですけれど……」
今朝摘んできた大葉を細かく切って、炒りごまとじゃこを共にご飯に混ぜ込む。白米は炊き立てではないが、少し冷ましてからクエルに出す。
「本当は雨があればいいんですけれど、これでも結構さっぱりすると思うので試してみてください」
大葉で結構さっぱりしてくれるはずだと思ったが、目の前のクエルを見る限り問題なさそうである。
「さっぱり食べられますわ! これでも十分ではありますが……、でも後もう少し酸っぱさがあれば……」
控えめだが言いたいことは言う。
流石ガイルのパートナーの一人というわけだ。
酸っぱいものといえば、梅干しだ。このレシピに梅干しが加われば完璧なのは分かってはいるのだが、この世界ではまだ梅の実に出会っていないので仕方がないのである。
市場でも見かけたことはないし、いつもの畑のそばにも梅の木を見たことだってない。
「梅があればなー」
「うめ? とは?」
「これぐらいの、完熟してれば黄色っぽい実で、完熟前だと青っぽくて……」
「もしや、ぺスカの事か?」
横で聞いていたクレドが助け舟を出してくれたが、ぺスカと梅がイコールなのかは今の段階ではわからない。もしかしたら小さい桃かもしれない。
「ぺスカかー」
「エドワルドは食べたことあるの?」
「あるよ。うちの庭にあるし」
「ほんと!?」
昔々、東の方から来た使者が持ってきたぺスカの苗木をセリオン家がもらい受け育て始めたそうだ。育て方はその時に教わった通り代々受け継がれて今に至るが、綺麗な花を咲かせた後にできた実はその昔は食べていたと言うが、その食べ方は失われたと言う。
「春が来る少し前にさ、小さくて可愛い花を咲かせるんだよ。匂いも控えめだけどいい匂いなんだ。実は今まさに鈴なりになってるよ? 昔から拾って食べる時は注意しろって伝えられているから食べたことないんだよ……」
「ねぇ、それ見に行っても良いかな」
春が来る前に花を咲かせて、夏の前に実を付ける……。拾って食べる時は注意が必要。
まさに梅の木なのではないか!?
若干食い気味でシズクが聞くと今からでもいいよと笑顔で快諾してくれるではないか。ただ店を急に終わらせることは出来ないので、次のシズクの休みとエドワルドの休みの日が被る日にお邪魔することに決めた。
「ならば俺も行こう」
「なんでお前も!」
「乗り掛かった舟だからな」
「何にも乗ってないだろ」
ぎゃいぎゃいと言い争いをするその横で、今まで一言も発さなかったがようやくガイルが急に立ち上がった。あんなに目立つ男がいったいどうしてなにも言い出さなかったのかは分からなかったが、着々と話の流れからその瞬間を狙っていたのだ。
エドワルドがシズクを自宅に招くその瞬間を。
「では、私も乗り掛かった舟です。ご一緒させていただきましょうか」
「「「えー???」」」
「うちのが口にするかもしれないものですからね」
先ほどまでやいのやいのと言い合いをしていたクレドとエドワルドが、急に商人の顔で立ち上がったガイルにびっくりしている。
「うふふ。うちの人は、その時を見逃さないのですわ」
びっくりしていないのは、先ほどのおにぎりを食べ終わりゆっくりとメイス茶を味わっているクエルだけであった。
「やはりね、目の付け所が違うよ。メイスなんて今まではそう言った業者ぐらいしか購入しなかったのに、美味しい焼き方を開発したばかりか、この至高なる食べ方を提案してくれるなんて……。そして他店にはないラインナップも素晴らしい」
店にあるメイスを使ったメニューを一通り試した後ガイルは、食後に出されたメイス茶に手を伸ばした。横に並ぶパートナーはクエルと言う名の女性で、初めて見た顔である。お腹がふっくらして見えるのでおめでたなのかもしれない。
「あぁ、シズク殿、すまないがクエルは身重でね。白湯か常温の水があればお願いしたいのだが……」
ガイルがそう言うと、シズクはさも何でもないような顔で返事をする。
「このお茶はメイスの髭から煮だしているお茶なんで、お腹のお子さんとクエルさんに負担になるようなものは入ってないですよ」
トウモロコシの髭茶。
カフェインを含まず、適度な整腸作用、冷え防止で妊婦さんにも安心な飲み物である。
それをこの世界でのトウモロコシに当たるメイスの髭で同じようにお茶を作って出しているのである。
「茶は妊婦には御法度。シズク殿ともあろう方がそれを知らないとは……」
「あの、これ、さっきも言いましたけれどメイスの髭から煮だしているんで正確にはお茶ではないで……」
「ひげ?」
はい、と最近メイスにはまり気味のエドワルドの為に、メイスの髭茶パックを作成して持っていたのでそれをガイルに見せる。
お茶パックのようなものがなくざっくり濾しただけなので、たまに髭が浮いているのはご愛敬。
「メイスから出てる髭みたいなのを乾燥させて、乾煎りしたものを煮だすだけですよ。メイスの実も同じように乾燥させて乾煎りしたものをお茶にできますよ」
「ほう……。茶の葉を使わない茶というわけですか」
「ただし利尿作用が強いので、そこだけは注意しなくちゃですけれど」
一応そう言ってクエルの前にもメイスの髭茶を置くと、にこりと笑って口を付ける。
「ほのかに甘みがあって、とても美味しいですわ」
「そうか。してこれはどこで購入すれば?」
「売ってないんで、メイスを買って自分で作ってみてください」
とても優雅に微笑んで聞いてくるガイルに対して、シズクも負けじと満面の笑みで売っていない事を告げる。
「この私に購入できない商品があるとはっ!」
売っていない事にびっくりしたクレドの大げさなジェスチャーにも驚くことなく、クエルは全く動じることなくお茶をゆっくりと楽しんでいる様子だ。
そんなクエルが、並ぶ総菜の中から一つ食べてみたいと気になるものを告げる。
「こちらも体にはいいものかしら?」
その先にあったのは先日からたまに出しているブロッコリーとアポの実を使ったサラダだ。
暑い日が増えてきたので、今日はオリンジの実を少し入れてさっぱりとした味わいに仕上げてある。
「もちろんです。栄養満点ですよ」
「栄養?」
「はい。具体的には……難しいんで割愛しますが、お腹の赤ちゃんの成長に必要な栄養素も、母体の健康維持に必要な栄養素もしっかりとれますよ。食べられないものとかありますか?」
つわりで酷い場合は、炊いた白米の匂いが駄目だと言う人もいるし、甘い物が駄目だと言う人もいる。症状は千差万別だが酸っぱいものを食べると比較的楽になる人も多いと聞くkので、クエルにも念のため聞いてみる。
「実は、最近食べようとするとつわりで吐き気がどうしても……」
「なら試しにちょっとだけ食べてみますか?」
小皿に小さなブロッコリーの欠片とアポの実にオリンジを乗せ、少し大きめのオリンジの実を潰してその汁をかけてからクエルに出す。
クエルは手に持ってから、少し戸惑いがちに一度鼻を寄せて匂いを嗅ぐと、大丈夫そうだと一度頷いてから恐る恐るスプーンに乗せて一口ぱくりと食べた。
下を向いていたクエルの顔がぱっと上がり、目を輝かせながらおかわりをお願いされる。
今までのつわりが結構大変だったのか、他にも同じようにさっぱりしたメニューがないかを聞かれていると、随分と久しぶりにクレドがエドワルドと並んで店にやってきた。
「シズク殿、久しぶりだな」
「クレドさん、お久しぶりです。お忙しかったんですか?」
魔術師団に所属するクレドは、最近ずっと店に顔を出していなかったように思う。
一時期は店に入り浸るように来ていたのだが……。
「あぁ、少し立て込んでいる案件があってな」
「うちも結構大変で、魔術師団の護衛に結構駆り出されたりするんだよ」
「お前は護衛任務にきたことなどないではないか。そのくせシズク殿の店に入り浸りおって!」
「そっちの任務は俺向きじゃないだけだし。それに来たければお前も入り浸ればいいだろ」
「なっ!! 何を言う!」
仲がいいのか悪いのか全く分からないやり取りをしているその横で、二人の会話が気にならないと言うわけではないのだが、シズクはクエルが食べられるものにリサーチをしていた。
そしてそのクエルの横で紳士的な笑みを浮かべながら会釈をするガイルに、一応会釈をしてからエドワルドとクレドは店の椅子ではなく、シズクを守るように両隣に陣取った。
食べたいけれど、食べると気持ち悪くなってしまう。
さっぱりしたものなら食べられるが、いつも同じメニューになってしまって食事が楽しくない。
昔から妊婦に良いと言われている食べ物は、栄養はありそうだが基本的には美味しくないのだという。
「昔からつわりにいいって言われている食べ物はあるんですか?」
「そうですね。つわりというよりはこの地方で昔から妊婦に食べさせて栄養を付けるためのメニューはサルモーが食べられているんです。塩を強めに振れば比較的食べることもできるのですが、脂がのっているものはなかなかどうして……」
サルモーは鮭に似た魚である。
最近いくらに似たイキュアはよく食べられようにはなったとは言え、サルモーはそうでもない。
つわりといってもひとくくりにはできず千差万別ではあるが、流石につわりのひどい人にとっては油の乗ったサルモーはしんどいのではないだろうか。
「もし白米の匂いが嫌でなければ、ちょっと試してもらいたいんですけれど……」
今朝摘んできた大葉を細かく切って、炒りごまとじゃこを共にご飯に混ぜ込む。白米は炊き立てではないが、少し冷ましてからクエルに出す。
「本当は雨があればいいんですけれど、これでも結構さっぱりすると思うので試してみてください」
大葉で結構さっぱりしてくれるはずだと思ったが、目の前のクエルを見る限り問題なさそうである。
「さっぱり食べられますわ! これでも十分ではありますが……、でも後もう少し酸っぱさがあれば……」
控えめだが言いたいことは言う。
流石ガイルのパートナーの一人というわけだ。
酸っぱいものといえば、梅干しだ。このレシピに梅干しが加われば完璧なのは分かってはいるのだが、この世界ではまだ梅の実に出会っていないので仕方がないのである。
市場でも見かけたことはないし、いつもの畑のそばにも梅の木を見たことだってない。
「梅があればなー」
「うめ? とは?」
「これぐらいの、完熟してれば黄色っぽい実で、完熟前だと青っぽくて……」
「もしや、ぺスカの事か?」
横で聞いていたクレドが助け舟を出してくれたが、ぺスカと梅がイコールなのかは今の段階ではわからない。もしかしたら小さい桃かもしれない。
「ぺスカかー」
「エドワルドは食べたことあるの?」
「あるよ。うちの庭にあるし」
「ほんと!?」
昔々、東の方から来た使者が持ってきたぺスカの苗木をセリオン家がもらい受け育て始めたそうだ。育て方はその時に教わった通り代々受け継がれて今に至るが、綺麗な花を咲かせた後にできた実はその昔は食べていたと言うが、その食べ方は失われたと言う。
「春が来る少し前にさ、小さくて可愛い花を咲かせるんだよ。匂いも控えめだけどいい匂いなんだ。実は今まさに鈴なりになってるよ? 昔から拾って食べる時は注意しろって伝えられているから食べたことないんだよ……」
「ねぇ、それ見に行っても良いかな」
春が来る前に花を咲かせて、夏の前に実を付ける……。拾って食べる時は注意が必要。
まさに梅の木なのではないか!?
若干食い気味でシズクが聞くと今からでもいいよと笑顔で快諾してくれるではないか。ただ店を急に終わらせることは出来ないので、次のシズクの休みとエドワルドの休みの日が被る日にお邪魔することに決めた。
「ならば俺も行こう」
「なんでお前も!」
「乗り掛かった舟だからな」
「何にも乗ってないだろ」
ぎゃいぎゃいと言い争いをするその横で、今まで一言も発さなかったがようやくガイルが急に立ち上がった。あんなに目立つ男がいったいどうしてなにも言い出さなかったのかは分からなかったが、着々と話の流れからその瞬間を狙っていたのだ。
エドワルドがシズクを自宅に招くその瞬間を。
「では、私も乗り掛かった舟です。ご一緒させていただきましょうか」
「「「えー???」」」
「うちのが口にするかもしれないものですからね」
先ほどまでやいのやいのと言い合いをしていたクレドとエドワルドが、急に商人の顔で立ち上がったガイルにびっくりしている。
「うふふ。うちの人は、その時を見逃さないのですわ」
びっくりしていないのは、先ほどのおにぎりを食べ終わりゆっくりとメイス茶を味わっているクエルだけであった。
5
あなたにおすすめの小説
召喚先は、誰も居ない森でした
みん
恋愛
事故に巻き込まれて行方不明になった母を探す茉白。そんな茉白を側で支えてくれていた留学生のフィンもまた、居なくなってしまい、寂しいながらも毎日を過ごしていた。そんなある日、バイト帰りに名前を呼ばれたかと思った次の瞬間、眩しい程の光に包まれて──
次に目を開けた時、茉白は森の中に居た。そして、そこには誰も居らず──
その先で、茉白が見たモノは──
最初はシリアス展開が続きます。
❋他視点のお話もあります
❋独自設定有り
❋気を付けてはいますが、誤字脱字があると思います。気付いた時に訂正していきます。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
湊一桜
恋愛
王宮薬師のアンは、国王に毒を盛った罪を着せられて王宮を追放された。幼少期に両親を亡くして王宮に引き取られたアンは、頼れる兄弟や親戚もいなかった。
森を彷徨って数日、倒れている男性を見つける。男性は高熱と怪我で、意識が朦朧としていた。
オオカミの襲撃にも遭いながら、必死で男性を看病すること二日後、とうとう男性が目を覚ました。ジョーという名のこの男性はとても強く、軽々とオオカミを撃退した。そんなジョーの姿に、不覚にもときめいてしまうアン。
行くあてもないアンは、ジョーと彼の故郷オストワル辺境伯領を目指すことになった。
そして辿り着いたオストワル辺境伯領で待っていたのは、ジョーとの甘い甘い時間だった。
※『小説家になろう』様、『ベリーズカフェ』様でも公開中です。
わんこな旦那様の胃袋を掴んだら、溺愛が止まらなくなりました。
楠ノ木雫
恋愛
若くして亡くなった日本人の主人公は、とある島の王女李・翠蘭《リ・スイラン》として転生した。第二の人生ではちゃんと結婚し、おばあちゃんになるまで生きる事を目標にしたが、父である国王陛下が縁談話が来ては娘に相応しくないと断り続け、気が付けば19歳まで独身となってしまった。
婚期を逃がしてしまう事を恐れた主人公は、他国から来ていた縁談話を成立させ嫁ぐ事に成功した。島のしきたりにより、初対面は結婚式となっているはずが、何故か以前おにぎりをあげた使節団の護衛が新郎として待ち受けていた!?
そして、嫁ぐ先の料理はあまりにも口に合わず、新郎の恋人まで現れる始末。
主人公は、嫁ぎ先で平和で充実した結婚生活を手に入れる事を決意する。
※他のサイトにも投稿しています。
乙女ゲームっぽい世界に転生したけど何もかもうろ覚え!~たぶん悪役令嬢だと思うけど自信が無い~
天木奏音
恋愛
雨の日に滑って転んで頭を打った私は、気付いたら公爵令嬢ヴィオレッタに転生していた。
どうやらここは前世親しんだ乙女ゲームかラノベの世界っぽいけど、疲れ切ったアラフォーのうろんな記憶力では何の作品の世界か特定できない。
鑑で見た感じ、どう見ても悪役令嬢顔なヴィオレッタ。このままだと破滅一直線!?ヒロインっぽい子を探して仲良くなって、この世界では平穏無事に長生きしてみせます!
※他サイトにも掲載しています
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる