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第九章 ヤマネの夜
怪猫、またしても現れる
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翠の言うように、佑夏はまだ、どちらにするか決めかねているなら、もしかして、僕と潮崎氏を天秤にかけているのか?
一対一の二人きりではないとはいえ、彼女は潮崎氏との連泊だって経験している。
両方の男と泊まり、自分の為にどちらにするか、値踏みしようというのか?
ずいぶんいい性格じゃないか。
それとも、やはり、既に潮崎氏とは男女の関係になっており、帰ってから二人で僕を嘲笑ってバカにするつもりか?
「一緒に泊まってやったら、すっかりその氣になってんのよ~!バカみたい!アハハ!」みたいな感じで!?
なんて女だ!!
(おい、ジンスケ。お前、オレの話、聞いてなかったのか?)
(ぽん太!?)
(オレは、一馬のことは忘れろ、と言ったんだ。
さっきは合格発表の時と言ったがな。訂正するぜ。一馬抜きで全てを考えてみろ。
佑夏が、いい男と見りゃ誰とでも寝るアバズレか?尻軽か?男狂いか?
自分の為に男を天秤にかけるような、打算的な女か?
お前、三年以上も一緒にいて、そんなことも分からねえのかよ?
だったら、例え仮初めであっても、佑夏の婚約者演ってる資格はねえ。
今すぐ、自分から謝って、役を下ろしてもらうんだな。)
(あ!)
そうだ。そうだった。
断じて、佑夏は、己の為に男を天秤にかけるような子ではない。
むしろ、その逆で、自分がその人の為に何ができるか?を考える子だ。
それに翠から聞いた、あの話。
男に交際を申し込まれて、佑夏は一度も断ったことがなく、「何年か信頼を築いてから」と、誠実この上無い返事をしている。
それを、僕はどんな男にも飛び付く女だと?男を天秤にかけているなんて考え方をして、彼女に申し訳ない。
中には「キープ何人いるんだ?」と言う勝手極まり無い男がいて傷つけられ、人知れず涙を流し、それでも普段は明るく振る舞う彼女の、どこが男狂いなんだ?
(あ、ああ。すまなかった。助かったよ、ありがとう。ぽん太。)
(分かりゃいい。ったく、しっかりしてくれよな、ご主人様。)
「仁助さ~ん!予約取れたよ~!」
ふいに、ドアが開き、舞い戻って来た佑夏。
しかし、僕の表情を見て、怪訝な顔をしている。
「??どーしたの?仁助さん?テストでオール赤点取った子供みたいな変な顔して?」
姫の言を聞いて、他の人達、山田さんまでもが、ゲラゲラ笑い出してしまう。
「ホンマですわ、中原さん。どないしたんです?うちらが、い~ひんようになって、白沢さんと二人きりになるんが、そないに恥ずかしいんですか?」
「あ、いえ、その.......。」
笑いながら、質問してくるルミ子さんに、僕はロクに答えられない。
一対一の二人きりではないとはいえ、彼女は潮崎氏との連泊だって経験している。
両方の男と泊まり、自分の為にどちらにするか、値踏みしようというのか?
ずいぶんいい性格じゃないか。
それとも、やはり、既に潮崎氏とは男女の関係になっており、帰ってから二人で僕を嘲笑ってバカにするつもりか?
「一緒に泊まってやったら、すっかりその氣になってんのよ~!バカみたい!アハハ!」みたいな感じで!?
なんて女だ!!
(おい、ジンスケ。お前、オレの話、聞いてなかったのか?)
(ぽん太!?)
(オレは、一馬のことは忘れろ、と言ったんだ。
さっきは合格発表の時と言ったがな。訂正するぜ。一馬抜きで全てを考えてみろ。
佑夏が、いい男と見りゃ誰とでも寝るアバズレか?尻軽か?男狂いか?
自分の為に男を天秤にかけるような、打算的な女か?
お前、三年以上も一緒にいて、そんなことも分からねえのかよ?
だったら、例え仮初めであっても、佑夏の婚約者演ってる資格はねえ。
今すぐ、自分から謝って、役を下ろしてもらうんだな。)
(あ!)
そうだ。そうだった。
断じて、佑夏は、己の為に男を天秤にかけるような子ではない。
むしろ、その逆で、自分がその人の為に何ができるか?を考える子だ。
それに翠から聞いた、あの話。
男に交際を申し込まれて、佑夏は一度も断ったことがなく、「何年か信頼を築いてから」と、誠実この上無い返事をしている。
それを、僕はどんな男にも飛び付く女だと?男を天秤にかけているなんて考え方をして、彼女に申し訳ない。
中には「キープ何人いるんだ?」と言う勝手極まり無い男がいて傷つけられ、人知れず涙を流し、それでも普段は明るく振る舞う彼女の、どこが男狂いなんだ?
(あ、ああ。すまなかった。助かったよ、ありがとう。ぽん太。)
(分かりゃいい。ったく、しっかりしてくれよな、ご主人様。)
「仁助さ~ん!予約取れたよ~!」
ふいに、ドアが開き、舞い戻って来た佑夏。
しかし、僕の表情を見て、怪訝な顔をしている。
「??どーしたの?仁助さん?テストでオール赤点取った子供みたいな変な顔して?」
姫の言を聞いて、他の人達、山田さんまでもが、ゲラゲラ笑い出してしまう。
「ホンマですわ、中原さん。どないしたんです?うちらが、い~ひんようになって、白沢さんと二人きりになるんが、そないに恥ずかしいんですか?」
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笑いながら、質問してくるルミ子さんに、僕はロクに答えられない。
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