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勇者と冥王のママは暁を魔王様と
第五章・星屑を抱いて7
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イスラが怪我をして一週間が経過しました。
満月の夜。夜空に星は瞬くけれど、強すぎる月光に星の輝きが塗り潰される夜。
私は一緒に寝ていたハウストを起こさないように静かにベッドを抜けました。
眠っているハウストを見つめ、触れようと手を伸ばす。でも寸前、ぴたりと手を止めました。
触れられなかったのです。だって、私は今から許されないことをするのですから。
「ハウスト、愛しています。ずっと」
愛しているけれど、私がすべてをあげたいのはイスラとゼロスです。そして今、イスラを守りたい。
ずっと見つめていたかったけれど、振り切るようにハウストから離れました。
物音を立てないように寝所を出ます。扉を閉じる最後の瞬間までハウストを見つめていました。
長い回廊を足早に歩きます。
擦れ違う警備兵に立ち止まって最敬礼され、一つ一つに目礼を返していきました。
普段通りを意識し、向かった場所はイスラの寝所。
扉をノックするも部屋の中から返事はありません。不躾は承知、扉をそっと開けました。
月明かりが差し込む室内。眠っていてほしかったのに、ベッドはもぬけの殻で寝所に人の気配はありません。
でもテラスに繋がっているガラス扉が開いていることに気付きます。
そこから聞こえるのは、ビュッ! ビュッ! 風を切る鋭い音。
音がする方へ足を向け、テラスに出て、目に映った光景に息を飲む。
思ったとおりイスラがいました。月明かりの下、イスラが一人で剣の鍛錬をしていたのです。でも自分の思いどおりに体が動かなくて悔しそうに奥歯を噛み締めている。
……痛いですっ。胸が締め付けられて、どうしようもなく痛いっ。
左腕を失くしてからもイスラは心配させまいと普段通りに振る舞ってくれます。でも平気な訳がないではないですかっ。
悔しそうな、苦しそうな、悲しそうな、今にも泣いてしまいそうな。でも泣かなくて、瞳には強さだけを宿して、何者にも屈しない、いいえ、屈することを許されない瞳。勇者の瞳です。
イスラは「くそッ」と吐き捨てながらも、右手でギリッと剣を握り締める。また立ち上がって無我夢中で剣を振るって、何度も何度もっ……!
負けず嫌いなのですね、それは幼い頃から変わらないイスラの姿。でも今、私の目が無意識に据わっていく。
「――――そこで何をしているのですか、イスラ」
「ブ、ブレイラ?!」
イスラが驚いた顔で振り返りました。
右手には剣を持っていて額には汗が浮いている。全身からは熱気が漂っていて、一目で激しい鍛錬をしていたことが分かります。
右手の剣に視線を向けると、イスラが慌てて背中に隠しました。
「もう一度聞きます。何をしていたのですか?」
「そ、それは……」
「あなたは休養が必要なはずです。まだ体力だって戻っていないでしょう、無理をしてはいけません」
「それなら大丈夫だっ、無理なんてしてない! よく休んでたから体力も戻ってきたし、右手だけでいろんな事が出来るようになってきたんだっ。ほら見てろ、こんな事もできるようになったぞ!」
イスラは焦ったように言うと、右手に持っていた剣を振るう。
私に以前と同じだと見せるように激しい動きの剣技を見せてくれます。鋭く剣を振り下ろし、素早く動いて、仮想の敵と戦っているかのような見事な動き。でも。
「っ、やめてくださいっ!!」
堪らずに声をあげました。
駆け寄って、イスラを強く抱き締めます。
イスラが驚きに目を丸めるけれど、気持ちが抑えきれません。
「あなたは左腕を失ったのですよ?! ……私はっ、私は見たくありません! 左腕を失ったのにっ、それなのに、なぜ剣を握るのですか? なぜ戦おうとするのですか? 私は見たくないんですっ。私はもうイスラに戦ってほしくないんですっ……!」
指先が震えて、イスラのシャツをぎゅっと握り締めます。
するとイスラがゆっくりと剣を下ろして、右腕を私の背中にそっと回してくれました。
私は目を閉じてイスラの体温と鼓動を感じる。愛おしい温もりと鼓動の音。それは私がずっと感じていたいもの。
だからゆっくりと目を開く。イスラを見つめて、そして。
「イスラ、勇者を、――――勇者をやめてください」
「え……」
イスラが息を飲みました。
紫色の瞳が私を凝視します。
まるで信じ難いものでも見ているような顔ですね。でも、止めてあげません。
「なぜ、あなたが戦うのですか。あなたを裏切った人間の為に、どうしてあなたが傷付かなければならないのですか」
「ブレイラ?」
「あなたを裏切った人間の為に、あなたが苦しむ必要も悩む必要もありません」
「ま、待てっ、ブレイラ、なにを言ってるんだっ。俺は勇者で、人間界を守らないと駄目だからっ」
「それが何だと言うのです。例え四界のすべてがあなたに勇者であれと望んだとしても、私は認めませんっ。だから、ここから一緒に逃げましょう!!」
「逃げる……?」
「ここにいると、あなたは王であることを求められます。あなたも王であろうとし続けるでしょう。だから、ここにいてはいけませんっ。お願いですから……!」
イスラの動揺が伝わってきました。
私も自分が突拍子もないことを言っていると分かっています。それは四界から勇者を取り上げるという罪深いこと。
でも私にとってイスラは子どもです。勇者だけど子どもなのです。
「イスラ、私はあなたを勇者として戦わせたくありません。私と逃げてください」
「待て、ブレイラ……。ブレイラは魔界の王妃だろ? そんなことしたら、みんなが悲しむ。ブレイラだってハウストといると幸せそうだ」
イスラが説得するように言いました。
あなたはいつも私のことを最優先に考えてくれますね。でも、それはもうしなくて良いのです。ましてや、あなたを裏切った人間の為に戦わないでください。
「そうです、私は魔界の王妃です。ハウストを愛しています。でも私はあなたの親ですよ。あなたは自分は勇者だからと言うけれど、人間があなたを粗末にするならっ、私は人間からあなたを取り上げたいのです! 誰にもあげません……!!」
イスラをまっすぐに見据えて言いました。
視界が涙で滲んでいく。悔しくて、悔しくて堪りませんっ。
「ブレイラ、もしかして、……怒ってるのか?」
「当たり前じゃないですか!! 怒ってますっ、絶対に許してあげません!!」
目の前が赤く染まっていくようでした。激情のままイスラを攫ってしまいたい。
そう、私は怒っているのです。悲しくて、悔しくて、胸の奥底からどうしようもない怒りが込み上げる。だって、私の大事なイスラなのです!
そんな私をイスラはじっと見ていたかと思うと、照れくさそうに小さくはにかむ。こんな時だというのに何を笑っているのですか。
文句を言おうと口を開きかけましたが、その前にイスラが穏やかに目を細めました。
「分かった、一緒に逃げよう」
「え、イスラ……?」
あっさりと返事をされて、一瞬固まってしまう。
目を丸めた私にイスラがおかしそうに笑います。
「ブレイラが逃げようって言ったのに、なに驚いてるんだ」
「す、すみませんっ、ちょっとびっくりして……」
もちろん私は本気でイスラと逃げるつもりです。
なんとしてもイスラを説得するつもりでしたが、思ったより簡単に納得してもらえて驚いたのです。
「そ、それじゃあ、……勇者をやめてくれるんですか?」
「ああ、やめる事にした。やめるって言ってやめられるものかは知らないけど、とりあえず今は勇者をやめる事にした」
「ほんとうですね?! 約束してくださいっ、もう人間の為に戦ったりしないと!!」
「分かった、約束する」
「ありがとうございますっ。イスラ……!」
嬉しさに感極まって、堪らずにイスラに抱きつきました。
安堵にじわりと心が満たされていく。これからはイスラの命も、髪一本から爪の欠片にいたるまで、誰にも奪わせません。
「イスラ、人間界へ行きましょう。あなたが私を連れて行きたいと言ってくれた場所に連れて行ってください。誰もいない人間界を、あなたと旅がしたいです」
「分かった。行こう」
イスラは頷いて、私の手を握ってくれました。
イスラが魔力を発動し、足元に転移魔法陣が発動します。
魔法陣が輝いて視界が光に埋もれていく。
転移する瞬間、ハウストとゼロスの顔が頭に浮かびます。
ツキンと胸が痛い。
ハウストはきっと私を許さないでしょう。そして、魔王として勇者を許さないでしょう。
ゼロスは私にとって掛け替えのない存在です。きっとゼロスは泣いてしまいます。ゼロスを思うと心が千切れそうになって迷いが生じてしまう。……だから、だから今はそっと目を閉じました……。
満月の夜。夜空に星は瞬くけれど、強すぎる月光に星の輝きが塗り潰される夜。
私は一緒に寝ていたハウストを起こさないように静かにベッドを抜けました。
眠っているハウストを見つめ、触れようと手を伸ばす。でも寸前、ぴたりと手を止めました。
触れられなかったのです。だって、私は今から許されないことをするのですから。
「ハウスト、愛しています。ずっと」
愛しているけれど、私がすべてをあげたいのはイスラとゼロスです。そして今、イスラを守りたい。
ずっと見つめていたかったけれど、振り切るようにハウストから離れました。
物音を立てないように寝所を出ます。扉を閉じる最後の瞬間までハウストを見つめていました。
長い回廊を足早に歩きます。
擦れ違う警備兵に立ち止まって最敬礼され、一つ一つに目礼を返していきました。
普段通りを意識し、向かった場所はイスラの寝所。
扉をノックするも部屋の中から返事はありません。不躾は承知、扉をそっと開けました。
月明かりが差し込む室内。眠っていてほしかったのに、ベッドはもぬけの殻で寝所に人の気配はありません。
でもテラスに繋がっているガラス扉が開いていることに気付きます。
そこから聞こえるのは、ビュッ! ビュッ! 風を切る鋭い音。
音がする方へ足を向け、テラスに出て、目に映った光景に息を飲む。
思ったとおりイスラがいました。月明かりの下、イスラが一人で剣の鍛錬をしていたのです。でも自分の思いどおりに体が動かなくて悔しそうに奥歯を噛み締めている。
……痛いですっ。胸が締め付けられて、どうしようもなく痛いっ。
左腕を失くしてからもイスラは心配させまいと普段通りに振る舞ってくれます。でも平気な訳がないではないですかっ。
悔しそうな、苦しそうな、悲しそうな、今にも泣いてしまいそうな。でも泣かなくて、瞳には強さだけを宿して、何者にも屈しない、いいえ、屈することを許されない瞳。勇者の瞳です。
イスラは「くそッ」と吐き捨てながらも、右手でギリッと剣を握り締める。また立ち上がって無我夢中で剣を振るって、何度も何度もっ……!
負けず嫌いなのですね、それは幼い頃から変わらないイスラの姿。でも今、私の目が無意識に据わっていく。
「――――そこで何をしているのですか、イスラ」
「ブ、ブレイラ?!」
イスラが驚いた顔で振り返りました。
右手には剣を持っていて額には汗が浮いている。全身からは熱気が漂っていて、一目で激しい鍛錬をしていたことが分かります。
右手の剣に視線を向けると、イスラが慌てて背中に隠しました。
「もう一度聞きます。何をしていたのですか?」
「そ、それは……」
「あなたは休養が必要なはずです。まだ体力だって戻っていないでしょう、無理をしてはいけません」
「それなら大丈夫だっ、無理なんてしてない! よく休んでたから体力も戻ってきたし、右手だけでいろんな事が出来るようになってきたんだっ。ほら見てろ、こんな事もできるようになったぞ!」
イスラは焦ったように言うと、右手に持っていた剣を振るう。
私に以前と同じだと見せるように激しい動きの剣技を見せてくれます。鋭く剣を振り下ろし、素早く動いて、仮想の敵と戦っているかのような見事な動き。でも。
「っ、やめてくださいっ!!」
堪らずに声をあげました。
駆け寄って、イスラを強く抱き締めます。
イスラが驚きに目を丸めるけれど、気持ちが抑えきれません。
「あなたは左腕を失ったのですよ?! ……私はっ、私は見たくありません! 左腕を失ったのにっ、それなのに、なぜ剣を握るのですか? なぜ戦おうとするのですか? 私は見たくないんですっ。私はもうイスラに戦ってほしくないんですっ……!」
指先が震えて、イスラのシャツをぎゅっと握り締めます。
するとイスラがゆっくりと剣を下ろして、右腕を私の背中にそっと回してくれました。
私は目を閉じてイスラの体温と鼓動を感じる。愛おしい温もりと鼓動の音。それは私がずっと感じていたいもの。
だからゆっくりと目を開く。イスラを見つめて、そして。
「イスラ、勇者を、――――勇者をやめてください」
「え……」
イスラが息を飲みました。
紫色の瞳が私を凝視します。
まるで信じ難いものでも見ているような顔ですね。でも、止めてあげません。
「なぜ、あなたが戦うのですか。あなたを裏切った人間の為に、どうしてあなたが傷付かなければならないのですか」
「ブレイラ?」
「あなたを裏切った人間の為に、あなたが苦しむ必要も悩む必要もありません」
「ま、待てっ、ブレイラ、なにを言ってるんだっ。俺は勇者で、人間界を守らないと駄目だからっ」
「それが何だと言うのです。例え四界のすべてがあなたに勇者であれと望んだとしても、私は認めませんっ。だから、ここから一緒に逃げましょう!!」
「逃げる……?」
「ここにいると、あなたは王であることを求められます。あなたも王であろうとし続けるでしょう。だから、ここにいてはいけませんっ。お願いですから……!」
イスラの動揺が伝わってきました。
私も自分が突拍子もないことを言っていると分かっています。それは四界から勇者を取り上げるという罪深いこと。
でも私にとってイスラは子どもです。勇者だけど子どもなのです。
「イスラ、私はあなたを勇者として戦わせたくありません。私と逃げてください」
「待て、ブレイラ……。ブレイラは魔界の王妃だろ? そんなことしたら、みんなが悲しむ。ブレイラだってハウストといると幸せそうだ」
イスラが説得するように言いました。
あなたはいつも私のことを最優先に考えてくれますね。でも、それはもうしなくて良いのです。ましてや、あなたを裏切った人間の為に戦わないでください。
「そうです、私は魔界の王妃です。ハウストを愛しています。でも私はあなたの親ですよ。あなたは自分は勇者だからと言うけれど、人間があなたを粗末にするならっ、私は人間からあなたを取り上げたいのです! 誰にもあげません……!!」
イスラをまっすぐに見据えて言いました。
視界が涙で滲んでいく。悔しくて、悔しくて堪りませんっ。
「ブレイラ、もしかして、……怒ってるのか?」
「当たり前じゃないですか!! 怒ってますっ、絶対に許してあげません!!」
目の前が赤く染まっていくようでした。激情のままイスラを攫ってしまいたい。
そう、私は怒っているのです。悲しくて、悔しくて、胸の奥底からどうしようもない怒りが込み上げる。だって、私の大事なイスラなのです!
そんな私をイスラはじっと見ていたかと思うと、照れくさそうに小さくはにかむ。こんな時だというのに何を笑っているのですか。
文句を言おうと口を開きかけましたが、その前にイスラが穏やかに目を細めました。
「分かった、一緒に逃げよう」
「え、イスラ……?」
あっさりと返事をされて、一瞬固まってしまう。
目を丸めた私にイスラがおかしそうに笑います。
「ブレイラが逃げようって言ったのに、なに驚いてるんだ」
「す、すみませんっ、ちょっとびっくりして……」
もちろん私は本気でイスラと逃げるつもりです。
なんとしてもイスラを説得するつもりでしたが、思ったより簡単に納得してもらえて驚いたのです。
「そ、それじゃあ、……勇者をやめてくれるんですか?」
「ああ、やめる事にした。やめるって言ってやめられるものかは知らないけど、とりあえず今は勇者をやめる事にした」
「ほんとうですね?! 約束してくださいっ、もう人間の為に戦ったりしないと!!」
「分かった、約束する」
「ありがとうございますっ。イスラ……!」
嬉しさに感極まって、堪らずにイスラに抱きつきました。
安堵にじわりと心が満たされていく。これからはイスラの命も、髪一本から爪の欠片にいたるまで、誰にも奪わせません。
「イスラ、人間界へ行きましょう。あなたが私を連れて行きたいと言ってくれた場所に連れて行ってください。誰もいない人間界を、あなたと旅がしたいです」
「分かった。行こう」
イスラは頷いて、私の手を握ってくれました。
イスラが魔力を発動し、足元に転移魔法陣が発動します。
魔法陣が輝いて視界が光に埋もれていく。
転移する瞬間、ハウストとゼロスの顔が頭に浮かびます。
ツキンと胸が痛い。
ハウストはきっと私を許さないでしょう。そして、魔王として勇者を許さないでしょう。
ゼロスは私にとって掛け替えのない存在です。きっとゼロスは泣いてしまいます。ゼロスを思うと心が千切れそうになって迷いが生じてしまう。……だから、だから今はそっと目を閉じました……。
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