120 / 132
勇者と冥王のママは暁を魔王様と
第十二章・次代を告げる暁を4
しおりを挟む
イスラが左腕の接合手術を受けて三日が経過しました。
手術後の経過も良好で、イスラは左腕に負担をかけないように注意しながらもほぼ日常生活に戻っています。
麗らかな昼下がり、私はイスラとゼロスと一緒に植物園のサロンにいました。
天井も壁も全面ガラス張りのサロンには明るい陽射しが差して、丁寧に手入れされた草木や花々に囲まれています。
広々としたサロンの大きな窓辺にラグが敷かれ、そこで私たちは思い思いの時間を過ごしていました。
こういう時間を過ごす時、いつもならゼロスの賑やかな声が響いていますが今は静か。時折ペラリペラリと紙を捲る音だけがします。
そう、今は全員が静かに読書していました。私やイスラはともかく、ゼロスもなにやら集中しているようで内心驚いてしまうくらい。きっと夢中になるほど面白い絵本があったのでしょうね、後で教えてもらいましょう。
こうして私も毛足の長いふわふわのラグに直接座り、膝に置いた書物を読んでいました。タイトルは『健全な育児と子どもの健やかな成長について≪最新版≫』です。著者は魔界でも有名な教育学者の方で、私は旧版からお世話になっています。反抗期についても詳しく説明されていたので助かりました。
そんな私の斜め後ろにはイスラが胡坐をかいて座り、分厚い資料の束や辞典を開いて熱心に読んでいます。それだけではありません、イスラの周りには図鑑や教則本が広げられています。読書というより勉強をしているようですね。
「ブレイラ、ちょっといいか」
「どうしました?」
「この植物は苔の種類だと思うか? それとも水中植物だと思うか? 条件が当て嵌まらないんだ」
イスラが資料を見せてくれました。
どうやら解毒剤の原材料の植物を探していた時に、初めて目にした植物を幾つか発見していたようです。イスラは幼い頃から聡明な子どもで、今では多岐に渡る分野を習得しています。私は元々薬師をしていたので、こうして植物のことにも造詣を深めてもらえて何だか嬉しいです。
「これは変わった植物ですね、私も初めて見ました。新種かもしれません。あとで植物学者の方に伺ってみましょう」
「ああ。何か分かったらブレイラにも教える」
「お願いします」
イスラは頷くと、ふと私の手元を覗き込みました。
育児書を読んでいる私に少し驚いた顔になります。
「ブレイラ、それ…………参考になるのか? クロードは次の魔王だろ」
「なりますよ。たしかに四界の王の成長速度は特殊ですが、意外と役に立つんですよ?」
「そんなものか?」
イスラは納得したようなしていないような、そんな複雑な顔をしました。
あなたは半信半疑のようですが、この本はとても勉強になるというのに。
イスラはあっという間に大きくなりましたが、ゼロスは今のところイスラに比べて成長速度が緩やかです。次代の魔王クロードもハウストの治世が安定しているのできっと緩やかに成長していくでしょう。
ふと斜め前に目を向けるとゼロスがいます。うつ伏せで寝転んで、熱心にお絵描きしているようでした。側にお気に入りの絵本を幾つも広げて画用紙いっぱいにお絵描きをしています。
お絵描きをするにはお行儀が悪いですが、あまりにも熱心なので見守っていました。
それにしても珍しいです。いつもなら、ゼロスは私やイスラにたくさん話しかけてとても賑やかなのです。
「ゼロス」
「なあに~?」
お返事しながらもお絵描きに夢中です。
さり気なくゼロスの手元を覗き込むと、画用紙には青い空と緑の山らしきもの。他にも川らしき水色の線、鮮やかな花々らしき色彩。……風景画? ですよね。
どうやら風景画を描いているようでした。珍しいことです。
こうして私たちが過ごしている間、サロンのテーブルに侍女たちがティーセットを並べています。淡い色彩が愛らしい焼き菓子が何種類も並べられ、それに合う紅茶も用意されました。
最後にコレットが不備のないことを確認すると私を呼んでくれます。
「ブレイラ様、支度が整いました。皆様、どうぞこちらへ」
「ありがとうございます。イスラ、ゼロス、少し休憩しましょう」
声を掛けるとイスラとゼロスも切り上げてくれました。
さっきまでお絵描きに夢中になっていたゼロスもテーブルの華やかなおやつに嬉しそう。
「ゼロス、おやつの前には手を拭いてくださいね」
「はーい」
ゼロスがお利口なお返事をしました。
私たちがテーブルに着席しておやつの時間の始まりです。
それはいつもの魔界での日常ですが、でも今、久しぶりな気持ちになっていました。それはここにコレットや他にも見慣れた女官がいるからでしょう。
そう、人間界で私を庇ってくれたコレットや女官が療養を終えて無事に復帰したのです。
彼女たちは冥王ゼロスの暴発した力を防御した際、莫大な魔力を消費しました。普通の魔族なら消滅していてもおかしくありませんでしたが、コレットや戦闘力の高い女官たちだったのでこれだけで済んだのです。コレット達には回復するまでお休みしてもらっていました。
「コレットや皆が元気になって良かったです」
「ご迷惑をおかけしました。ブレイラ様が教団本部に赴いた際、同行できなかったことをお詫びいたします」
「どうしてコレットが謝るのです。コレットが一緒でないことに不安もありましたが、あなたが療養を必要とすることになったのは私を守ってくれたからではないですか。感謝しかありません」
「勿体ない御言葉です。私も皆もブレイラ様を御守り出来たことを嬉しく思っています」
「ありがとうございます」
コレットや女官達にはどれだけ感謝しても足りません。
一人ひとりの女官を順に見ます。目が合うと丁寧にお辞儀され、私も目礼しました。
女官たちの一番端にエミリアの姿も見つけます。目が合った途端に彼女は背筋をピンッと伸ばして、その大きな反応に思わず目を丸めてしまいます。でも笑いかけると、彼女は顔を赤くしてガバリッと勢いよくお辞儀してくれました。
ふと、私のローブの袖がぎゅっと握られました。ゼロスです。
隣にいたゼロスがコレットをちらちら見ていました。
その様子に目を細める。ゼロスはコレット達が負傷したのは自分が力を制御できなかったからだと分かっているのです。ずっと気にしていたのでしょう。
「ゼロス、どうしました?」
「えっと、えっと……」
ゼロスが私とコレットを交互に見ます。
大丈夫ですよと笑いかけると、ゼロスが私の袖を握ったままおずおずとコレットを見つめました。
「……コレット、ごめんなさい。ぼくが、いっぱいちから、だしちゃったから……」
「お、おやめくださいっ! 冥王様がそのようなっ……!」
コレットが慌てて言いました。
幼いとはいえ冥王が軽々しく謝罪するなどあってはならないことなのです。
ゼロスの立場を考えると、言動には常に冥王としての威厳と責任を求められているのかもしれません。でもゼロスはまだ三歳の子どもです。せめて子どもの時分は、素直にありがとうやごめんなさいを伝えられる子であってほしいと思っています。
「ううん、ごめんね。それと、ブレイラをまもってくれてありがとう」
「ゼロス様っ、なんて畏れ多い……!」
コレットが感激したように口を両手で覆いました。どうやら感極まって言葉が出てこないようです。生真面目な彼女もこんな反応することがあるんですね。
「ゼロス、ごめんなさいが出来てお利口ですね」
そう言って笑いかけると、ゼロスは照れ臭そうにはにかみました。
いい子いい子と頭を撫でて皆でおやつをいただきます。
私は紅茶を楽しみながらコレットと談笑し、イスラとゼロスも時折それに混じっておしゃべりを楽しみました。
和やかな時間を過ごしていると、ふとガラス越しにハウストの姿が見えます。他にもフェリクトールや側近士官の姿があります。きっと政務がひと段落して休憩時間になったのでしょう。
こちらに歩いてくる彼の姿に顔を綻ばせると、イスラとゼロスもそれに気付きました。
「邪魔するぞ」
「ちちうえだ! おじゃま、どうぞ~!」
ハウストがサロンに入ってくるとゼロスが嬉しそうな声をあげました。
サロンの女官や侍女はお辞儀し、私も立ち上がって彼を出迎えます。
「お疲れ様です」
「お前の顔を見に来た」
ハウストはそう言うと私の腰を抱き寄せて口端に口付けてくれました。
私もお返しの口付けをして、彼の腕に手を添えます。
「ふふ、お待ちしていました。来てくれると嬉しいなと思っていたんです。フェリクトール様も皆も、お疲れ様です」
ハウストに笑いかけて、次にフェリクトールや士官の方々を見ました。
フェリクトールは相変わらず不機嫌な顔をしていますが、これはいつものこと。もしかしたらハウストが休憩を強行したのかもしれませんが、……許していただけると嬉しいです。
「ハウスト、こちらです。フェリクトール様もぜひご一緒に」
私はハウストとフェリクトールを誘ってテーブルに足を向けました。
ハウストが長椅子に腰を下ろし、私もその隣へ。腰を下ろすとローブの裾がさらりと広がって、控えていた侍女が丁寧に直してくれました。
「ハウスト、どうぞ。フェリクトール様も」
「ありがとう」
「すまないね」
ハウストとフェリクトールに紅茶を淹れました。
最近は政務が立て込んでいると聞いています。少しでも癒えれば良いのですが。
教団の一件は人間界の騒動でしたが関わっていた魔族もいたのです。魔界も無関係ではなかった為、ハウストやフェリクトールは普段の政務に加えて処理にも追われていました。
他にもう一つ、一か月後に魔界にとって大切な式典が控えていました。そう、誕生したばかりのクロードが正式にハウストと私の第三子になる式典です。
ハウストは紅茶を一口飲むと、ほっ息をついて私を見つめます。
手術後の経過も良好で、イスラは左腕に負担をかけないように注意しながらもほぼ日常生活に戻っています。
麗らかな昼下がり、私はイスラとゼロスと一緒に植物園のサロンにいました。
天井も壁も全面ガラス張りのサロンには明るい陽射しが差して、丁寧に手入れされた草木や花々に囲まれています。
広々としたサロンの大きな窓辺にラグが敷かれ、そこで私たちは思い思いの時間を過ごしていました。
こういう時間を過ごす時、いつもならゼロスの賑やかな声が響いていますが今は静か。時折ペラリペラリと紙を捲る音だけがします。
そう、今は全員が静かに読書していました。私やイスラはともかく、ゼロスもなにやら集中しているようで内心驚いてしまうくらい。きっと夢中になるほど面白い絵本があったのでしょうね、後で教えてもらいましょう。
こうして私も毛足の長いふわふわのラグに直接座り、膝に置いた書物を読んでいました。タイトルは『健全な育児と子どもの健やかな成長について≪最新版≫』です。著者は魔界でも有名な教育学者の方で、私は旧版からお世話になっています。反抗期についても詳しく説明されていたので助かりました。
そんな私の斜め後ろにはイスラが胡坐をかいて座り、分厚い資料の束や辞典を開いて熱心に読んでいます。それだけではありません、イスラの周りには図鑑や教則本が広げられています。読書というより勉強をしているようですね。
「ブレイラ、ちょっといいか」
「どうしました?」
「この植物は苔の種類だと思うか? それとも水中植物だと思うか? 条件が当て嵌まらないんだ」
イスラが資料を見せてくれました。
どうやら解毒剤の原材料の植物を探していた時に、初めて目にした植物を幾つか発見していたようです。イスラは幼い頃から聡明な子どもで、今では多岐に渡る分野を習得しています。私は元々薬師をしていたので、こうして植物のことにも造詣を深めてもらえて何だか嬉しいです。
「これは変わった植物ですね、私も初めて見ました。新種かもしれません。あとで植物学者の方に伺ってみましょう」
「ああ。何か分かったらブレイラにも教える」
「お願いします」
イスラは頷くと、ふと私の手元を覗き込みました。
育児書を読んでいる私に少し驚いた顔になります。
「ブレイラ、それ…………参考になるのか? クロードは次の魔王だろ」
「なりますよ。たしかに四界の王の成長速度は特殊ですが、意外と役に立つんですよ?」
「そんなものか?」
イスラは納得したようなしていないような、そんな複雑な顔をしました。
あなたは半信半疑のようですが、この本はとても勉強になるというのに。
イスラはあっという間に大きくなりましたが、ゼロスは今のところイスラに比べて成長速度が緩やかです。次代の魔王クロードもハウストの治世が安定しているのできっと緩やかに成長していくでしょう。
ふと斜め前に目を向けるとゼロスがいます。うつ伏せで寝転んで、熱心にお絵描きしているようでした。側にお気に入りの絵本を幾つも広げて画用紙いっぱいにお絵描きをしています。
お絵描きをするにはお行儀が悪いですが、あまりにも熱心なので見守っていました。
それにしても珍しいです。いつもなら、ゼロスは私やイスラにたくさん話しかけてとても賑やかなのです。
「ゼロス」
「なあに~?」
お返事しながらもお絵描きに夢中です。
さり気なくゼロスの手元を覗き込むと、画用紙には青い空と緑の山らしきもの。他にも川らしき水色の線、鮮やかな花々らしき色彩。……風景画? ですよね。
どうやら風景画を描いているようでした。珍しいことです。
こうして私たちが過ごしている間、サロンのテーブルに侍女たちがティーセットを並べています。淡い色彩が愛らしい焼き菓子が何種類も並べられ、それに合う紅茶も用意されました。
最後にコレットが不備のないことを確認すると私を呼んでくれます。
「ブレイラ様、支度が整いました。皆様、どうぞこちらへ」
「ありがとうございます。イスラ、ゼロス、少し休憩しましょう」
声を掛けるとイスラとゼロスも切り上げてくれました。
さっきまでお絵描きに夢中になっていたゼロスもテーブルの華やかなおやつに嬉しそう。
「ゼロス、おやつの前には手を拭いてくださいね」
「はーい」
ゼロスがお利口なお返事をしました。
私たちがテーブルに着席しておやつの時間の始まりです。
それはいつもの魔界での日常ですが、でも今、久しぶりな気持ちになっていました。それはここにコレットや他にも見慣れた女官がいるからでしょう。
そう、人間界で私を庇ってくれたコレットや女官が療養を終えて無事に復帰したのです。
彼女たちは冥王ゼロスの暴発した力を防御した際、莫大な魔力を消費しました。普通の魔族なら消滅していてもおかしくありませんでしたが、コレットや戦闘力の高い女官たちだったのでこれだけで済んだのです。コレット達には回復するまでお休みしてもらっていました。
「コレットや皆が元気になって良かったです」
「ご迷惑をおかけしました。ブレイラ様が教団本部に赴いた際、同行できなかったことをお詫びいたします」
「どうしてコレットが謝るのです。コレットが一緒でないことに不安もありましたが、あなたが療養を必要とすることになったのは私を守ってくれたからではないですか。感謝しかありません」
「勿体ない御言葉です。私も皆もブレイラ様を御守り出来たことを嬉しく思っています」
「ありがとうございます」
コレットや女官達にはどれだけ感謝しても足りません。
一人ひとりの女官を順に見ます。目が合うと丁寧にお辞儀され、私も目礼しました。
女官たちの一番端にエミリアの姿も見つけます。目が合った途端に彼女は背筋をピンッと伸ばして、その大きな反応に思わず目を丸めてしまいます。でも笑いかけると、彼女は顔を赤くしてガバリッと勢いよくお辞儀してくれました。
ふと、私のローブの袖がぎゅっと握られました。ゼロスです。
隣にいたゼロスがコレットをちらちら見ていました。
その様子に目を細める。ゼロスはコレット達が負傷したのは自分が力を制御できなかったからだと分かっているのです。ずっと気にしていたのでしょう。
「ゼロス、どうしました?」
「えっと、えっと……」
ゼロスが私とコレットを交互に見ます。
大丈夫ですよと笑いかけると、ゼロスが私の袖を握ったままおずおずとコレットを見つめました。
「……コレット、ごめんなさい。ぼくが、いっぱいちから、だしちゃったから……」
「お、おやめくださいっ! 冥王様がそのようなっ……!」
コレットが慌てて言いました。
幼いとはいえ冥王が軽々しく謝罪するなどあってはならないことなのです。
ゼロスの立場を考えると、言動には常に冥王としての威厳と責任を求められているのかもしれません。でもゼロスはまだ三歳の子どもです。せめて子どもの時分は、素直にありがとうやごめんなさいを伝えられる子であってほしいと思っています。
「ううん、ごめんね。それと、ブレイラをまもってくれてありがとう」
「ゼロス様っ、なんて畏れ多い……!」
コレットが感激したように口を両手で覆いました。どうやら感極まって言葉が出てこないようです。生真面目な彼女もこんな反応することがあるんですね。
「ゼロス、ごめんなさいが出来てお利口ですね」
そう言って笑いかけると、ゼロスは照れ臭そうにはにかみました。
いい子いい子と頭を撫でて皆でおやつをいただきます。
私は紅茶を楽しみながらコレットと談笑し、イスラとゼロスも時折それに混じっておしゃべりを楽しみました。
和やかな時間を過ごしていると、ふとガラス越しにハウストの姿が見えます。他にもフェリクトールや側近士官の姿があります。きっと政務がひと段落して休憩時間になったのでしょう。
こちらに歩いてくる彼の姿に顔を綻ばせると、イスラとゼロスもそれに気付きました。
「邪魔するぞ」
「ちちうえだ! おじゃま、どうぞ~!」
ハウストがサロンに入ってくるとゼロスが嬉しそうな声をあげました。
サロンの女官や侍女はお辞儀し、私も立ち上がって彼を出迎えます。
「お疲れ様です」
「お前の顔を見に来た」
ハウストはそう言うと私の腰を抱き寄せて口端に口付けてくれました。
私もお返しの口付けをして、彼の腕に手を添えます。
「ふふ、お待ちしていました。来てくれると嬉しいなと思っていたんです。フェリクトール様も皆も、お疲れ様です」
ハウストに笑いかけて、次にフェリクトールや士官の方々を見ました。
フェリクトールは相変わらず不機嫌な顔をしていますが、これはいつものこと。もしかしたらハウストが休憩を強行したのかもしれませんが、……許していただけると嬉しいです。
「ハウスト、こちらです。フェリクトール様もぜひご一緒に」
私はハウストとフェリクトールを誘ってテーブルに足を向けました。
ハウストが長椅子に腰を下ろし、私もその隣へ。腰を下ろすとローブの裾がさらりと広がって、控えていた侍女が丁寧に直してくれました。
「ハウスト、どうぞ。フェリクトール様も」
「ありがとう」
「すまないね」
ハウストとフェリクトールに紅茶を淹れました。
最近は政務が立て込んでいると聞いています。少しでも癒えれば良いのですが。
教団の一件は人間界の騒動でしたが関わっていた魔族もいたのです。魔界も無関係ではなかった為、ハウストやフェリクトールは普段の政務に加えて処理にも追われていました。
他にもう一つ、一か月後に魔界にとって大切な式典が控えていました。そう、誕生したばかりのクロードが正式にハウストと私の第三子になる式典です。
ハウストは紅茶を一口飲むと、ほっ息をついて私を見つめます。
29
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる