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四、皇帝陛下を待ち侘びて
皇帝陛下を待ち侘びて③
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何もかもが初めての王宮生活の中で、仔空が最も度肝を抜かれたのが入浴だ。
湯殿と呼ばれる場所には、四角い檜で作られた大きな浴槽がある。体を清潔に保つためか、その中に張られた湯には香草が浮かべられていた。
「さぁ、仔空貴人。お着物をお脱ぎください」
「え? ここで、ですか?」
「左様でございます」
そこは浴槽からは程遠い場所だった。湯殿には大勢の女官がおり、それぞれ決められているのであろう持ち場に立っている。
――こんなにたくさんの女性がいる所で裸になるのかよ……。
仔空は体が石になったかのように動かなくなるのを感じた。
「さぁ、お急ぎください。犬の刻になってしまいます」
「今宵も、陛下が仔空貴人の閨に来られるとのことです」
「あ、で、でも……」
「お急ぎくださいませ」
自分の母親程の年齢の女官に着物を脱がされ、浴槽へと引っ張られてしまう。その後は髪や体をこれでもかと丁寧に洗われ、足の爪の先まで磨かれる。仔空には、顔を覆いたくなることの連続だった。
最後の方には仔空も諦めがつき、女官達が広げて待っていてくれた寝巻きに腕を通した。
「やっと終わった……」
仔空は大きな溜息をつく。これから毎日こんなことをしなければならないのかと思うと、正直憂鬱でならない。
「お綺麗ですよ、仔空様」
藤色の寝巻きに身を包んだ仔空を、うっとりとした表情で女官達が見つめていた。
「本当ですか? 皇帝陛下は喜んでくださるでしょうか?」
「勿論でございます。こんなに美しい皇妃は、仔空様以外におりません」
「そうですか。それは嬉しいな」
褒められたことが素直に嬉しかった仔空は、頬を赤らめながらニッコリと微笑む。
しかし、仔空が後宮に嫁いだその晩から、玉風が仔空の元を訪れることはなかった。女官達に「皇帝陛下はお元気ですか?」と問い掛けても、皆が皆、口を揃えて「知らない」と首を横に振るのだ。
「陛下。陛下は今日も仔空の元へ来てはくれないのですか?」
満月の夜、仔空は宮の庭園へと足を運ぶ。その庭園には、小川に続く大きな池がある。舞い散った桜の花弁がユラユラと揺れる水面には、心許ない朧月が映り込んでいる。
「仔空は寂しいです。もう僕に飽きてしまったのですか? それとも違う妃をお抱きになられているのですか? 陛下、会いたいです」
初めて玉風に会ったあの時、仔空は自分の中で時が止まったのを感じた。自分と全く異なる身分であり立派な乾元である玉風に、強い抵抗を感じながらも強烈に惹かれてしまう。
乾元という自分とは異なる生き物を、本能が求めているように思えてならなかった。こんな風に感じたことは生まれて初めてだった仔空は、戸惑いを感じつつも、心の中が温かくなっていく。
最初は皇帝陛下に見初められた、なんて到底信じることができなかった。自分など幸せになることができない……と偏屈な自分がいる。
しかし、玉風が自分の名を呼ぶ声色が心地よかったり、繋いだ手が温かかったり、交わす口付けが甘かったり……。そんな玉風の優しさに心が震えた。
それなのに、手に入れたことに満足し、玉風は自分に興味がなくなってしまったのだろうか……。そう思うと、仔空は不安に押し潰されそうになった。
冷気を含んだ夜風が、仔空の頬をそっと撫でて行く。昼間はあんなに暖かいのに、夜になった途端、この辺りは急に冷え込む。
「陛下のお言葉は一瞬の気の迷いだったのですか? 僕は、陛下を信じてよいのでしょうか?」
胸の前で強く両手を握り締める。
「もう一度会って、抱き締めてほしい」
仔空のそんな呟きは、桜の花弁と共に夜空へと消えて行った。
落ち込む仔空の元に、香霧が息を切らせてやってくる。
「仔空貴人! とても良い知らせが入りました!」
「香霧さん、どうされましたか」
「皇帝陛下のことです!」
「陛下……陛下がどうされたのですか?」
香霧の話によると、玉風は仔空が後宮に嫁いできたあの晩、隣国が国境を越え攻めてきたとの一報が、玉風の元へ入ったそうだ。押し寄せてきた隣国の軍は暴徒化し、魁帝国の城下町にまで被害をもたらした。
仔空の家族や五大家と呼ばれる地主が住んでいる町を取り囲み、火を放つ計画が進んでいることを聞いた玉風が、その翌朝には大軍を率いて現地へと向かったとのことだった。
「突然の出陣だったのですが、最後の最後まで仔空様のことを心配されておりました。私がいるので大丈夫です、とお伝えしたところ、後ろ髪を引かれながらも出陣されていきましたが……」
「それで陛下は? 陛下はご無事なのですか?」
仔空の体から一瞬で血の気が引いて行くのを感じる。もしかしたらこのまま帰ってこないのではないか……と、心がザワザワして仕方ない。
「大丈夫ですよ、仔空貴人。陛下は無事に勝利を収められました。明日にでも帰ってくると、つい先程遣いの者が城に到着したばかりです」
「本当ですか? ならよかった……」
心から安堵した仔空は、急に膝がガクガクと震え出したのを感じる。そのまま崩れ落ちそうになるのを必死に耐えた。
「ずっと黙っていて申し訳ありませんでした。陛下から、仔空貴人が心配するから、しばらく黙っておくよう、お達しが出ていたのです」
香霧は申し訳なさそうな顔をしながら、深々と拱手礼をした。
その香霧の言葉に、つい先程まで感じていた不安がスッと消えていくのを感じる。それはまるで、根雪が春の暖かい日差しで溶けて行く瞬間のようだ。
「陛下が私の心配を?」
「はい。きっと陛下も、今頃貴方に会いたくて急いで城へと向かっていますよ」
「よかった」
仔空は再び涙が溢れ出しそうなのを堪え、香霧に向かって微笑んだ。
――もうすぐ陛下に会える。
仔空は複雑な思いで玉風の帰りを待った。便りがあったとは言え、玉風が無事に帰ってくるかも心配だった。
「お怪我はされていないだろうか……」
玉風のことを思うだけで仔空の胸は張り裂けそうになる。
「そして、陛下はまだ僕のことを好いてくださっているだろうか」
仔空は、後宮へ嫁いだ日以来、玉風に会っていない。
「陛下は、まだ私のことを覚えていらっしゃいますか……」
桜の宮の庭園に植えられている桜の木々は、長い期間花を咲かせる品種だと玲玲から聞いた。
「もう一度、一緒に桜が見たいです」
仔空は、未だに満開に咲き誇る桜を見上げながら、玉風の無事を祈ることしかできなかった。
湯殿と呼ばれる場所には、四角い檜で作られた大きな浴槽がある。体を清潔に保つためか、その中に張られた湯には香草が浮かべられていた。
「さぁ、仔空貴人。お着物をお脱ぎください」
「え? ここで、ですか?」
「左様でございます」
そこは浴槽からは程遠い場所だった。湯殿には大勢の女官がおり、それぞれ決められているのであろう持ち場に立っている。
――こんなにたくさんの女性がいる所で裸になるのかよ……。
仔空は体が石になったかのように動かなくなるのを感じた。
「さぁ、お急ぎください。犬の刻になってしまいます」
「今宵も、陛下が仔空貴人の閨に来られるとのことです」
「あ、で、でも……」
「お急ぎくださいませ」
自分の母親程の年齢の女官に着物を脱がされ、浴槽へと引っ張られてしまう。その後は髪や体をこれでもかと丁寧に洗われ、足の爪の先まで磨かれる。仔空には、顔を覆いたくなることの連続だった。
最後の方には仔空も諦めがつき、女官達が広げて待っていてくれた寝巻きに腕を通した。
「やっと終わった……」
仔空は大きな溜息をつく。これから毎日こんなことをしなければならないのかと思うと、正直憂鬱でならない。
「お綺麗ですよ、仔空様」
藤色の寝巻きに身を包んだ仔空を、うっとりとした表情で女官達が見つめていた。
「本当ですか? 皇帝陛下は喜んでくださるでしょうか?」
「勿論でございます。こんなに美しい皇妃は、仔空様以外におりません」
「そうですか。それは嬉しいな」
褒められたことが素直に嬉しかった仔空は、頬を赤らめながらニッコリと微笑む。
しかし、仔空が後宮に嫁いだその晩から、玉風が仔空の元を訪れることはなかった。女官達に「皇帝陛下はお元気ですか?」と問い掛けても、皆が皆、口を揃えて「知らない」と首を横に振るのだ。
「陛下。陛下は今日も仔空の元へ来てはくれないのですか?」
満月の夜、仔空は宮の庭園へと足を運ぶ。その庭園には、小川に続く大きな池がある。舞い散った桜の花弁がユラユラと揺れる水面には、心許ない朧月が映り込んでいる。
「仔空は寂しいです。もう僕に飽きてしまったのですか? それとも違う妃をお抱きになられているのですか? 陛下、会いたいです」
初めて玉風に会ったあの時、仔空は自分の中で時が止まったのを感じた。自分と全く異なる身分であり立派な乾元である玉風に、強い抵抗を感じながらも強烈に惹かれてしまう。
乾元という自分とは異なる生き物を、本能が求めているように思えてならなかった。こんな風に感じたことは生まれて初めてだった仔空は、戸惑いを感じつつも、心の中が温かくなっていく。
最初は皇帝陛下に見初められた、なんて到底信じることができなかった。自分など幸せになることができない……と偏屈な自分がいる。
しかし、玉風が自分の名を呼ぶ声色が心地よかったり、繋いだ手が温かかったり、交わす口付けが甘かったり……。そんな玉風の優しさに心が震えた。
それなのに、手に入れたことに満足し、玉風は自分に興味がなくなってしまったのだろうか……。そう思うと、仔空は不安に押し潰されそうになった。
冷気を含んだ夜風が、仔空の頬をそっと撫でて行く。昼間はあんなに暖かいのに、夜になった途端、この辺りは急に冷え込む。
「陛下のお言葉は一瞬の気の迷いだったのですか? 僕は、陛下を信じてよいのでしょうか?」
胸の前で強く両手を握り締める。
「もう一度会って、抱き締めてほしい」
仔空のそんな呟きは、桜の花弁と共に夜空へと消えて行った。
落ち込む仔空の元に、香霧が息を切らせてやってくる。
「仔空貴人! とても良い知らせが入りました!」
「香霧さん、どうされましたか」
「皇帝陛下のことです!」
「陛下……陛下がどうされたのですか?」
香霧の話によると、玉風は仔空が後宮に嫁いできたあの晩、隣国が国境を越え攻めてきたとの一報が、玉風の元へ入ったそうだ。押し寄せてきた隣国の軍は暴徒化し、魁帝国の城下町にまで被害をもたらした。
仔空の家族や五大家と呼ばれる地主が住んでいる町を取り囲み、火を放つ計画が進んでいることを聞いた玉風が、その翌朝には大軍を率いて現地へと向かったとのことだった。
「突然の出陣だったのですが、最後の最後まで仔空様のことを心配されておりました。私がいるので大丈夫です、とお伝えしたところ、後ろ髪を引かれながらも出陣されていきましたが……」
「それで陛下は? 陛下はご無事なのですか?」
仔空の体から一瞬で血の気が引いて行くのを感じる。もしかしたらこのまま帰ってこないのではないか……と、心がザワザワして仕方ない。
「大丈夫ですよ、仔空貴人。陛下は無事に勝利を収められました。明日にでも帰ってくると、つい先程遣いの者が城に到着したばかりです」
「本当ですか? ならよかった……」
心から安堵した仔空は、急に膝がガクガクと震え出したのを感じる。そのまま崩れ落ちそうになるのを必死に耐えた。
「ずっと黙っていて申し訳ありませんでした。陛下から、仔空貴人が心配するから、しばらく黙っておくよう、お達しが出ていたのです」
香霧は申し訳なさそうな顔をしながら、深々と拱手礼をした。
その香霧の言葉に、つい先程まで感じていた不安がスッと消えていくのを感じる。それはまるで、根雪が春の暖かい日差しで溶けて行く瞬間のようだ。
「陛下が私の心配を?」
「はい。きっと陛下も、今頃貴方に会いたくて急いで城へと向かっていますよ」
「よかった」
仔空は再び涙が溢れ出しそうなのを堪え、香霧に向かって微笑んだ。
――もうすぐ陛下に会える。
仔空は複雑な思いで玉風の帰りを待った。便りがあったとは言え、玉風が無事に帰ってくるかも心配だった。
「お怪我はされていないだろうか……」
玉風のことを思うだけで仔空の胸は張り裂けそうになる。
「そして、陛下はまだ僕のことを好いてくださっているだろうか」
仔空は、後宮へ嫁いだ日以来、玉風に会っていない。
「陛下は、まだ私のことを覚えていらっしゃいますか……」
桜の宮の庭園に植えられている桜の木々は、長い期間花を咲かせる品種だと玲玲から聞いた。
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