転生魔王の正体は?ーー厄災の魔王は転生後、正体を隠して勇者の子どもや自称悪役令嬢を助けるようですーー

サトウミ

文字の大きさ
15 / 145
第6話:ライトニング領でパーティ

【15】ライトニング領でパーティ(3)

しおりを挟む
ライトニング領でのパーティの途中で、フレイくんのお兄ちゃんのアニスさんが入ってきた。

アニスさんは去年、王立ディシュメイン魔法学園に入学したらしい。
魔法の授業って、どんなことをするのかな?

「ねぇねぇ、アニス。最近、学校はどう?楽しい?」
「うん。最近、特殊魔法の授業があってさ。俺は前々から自分の特殊魔法を知ってた上で、改良して使ってるって話を先生にしたら、すごく褒めてもらえたよ。」
「おぉ!良かったじゃないか!」
ライトニング家の3人は、久々に親子水入らずで話していた。

「あとクラウスが、自分の特殊魔法が腐敗だって知って『もしかしたらこの魔法を使えば美味しい発酵食品が作れるんじゃないか』って目をキラキラさせてたなぁ。」
クラウス?
カタリーナちゃんのお兄さんの名前も、そうだったような...?

「いいわね。ウチの特産物を使って、ワインでも作ってくれないかしら?」
「今度あいつに聞いてみるよ。」
「あの、アニスさん!クラウスさんって、もしかしてカタリーナちゃんのお兄さんですか?」
「カタリーナちゃん?」

「ほら、エセヴィラン公爵のご息女の...」
「あぁ!あの物騒な特殊魔法の子か。確かに、クラウスはカタリーナちゃんのお兄ちゃんだよ。」
「やっぱり!エセヴィラン公爵とライトニング公爵って、家ぐるみで仲が良いんですね。」
「まぁ、仲が良い、というかは.....」
「ウチ、エセヴィラン公爵の派閥に入ってるし...」

「おいおい、勇者ご一行サマ。大事な客を忘れてんじゃねーか?」
突然、男の人の声が園庭中に響き渡った。
その声にみんな警戒して、場が静まり返る。
この声、どこかで聞いたような....?

すると突然、庭園の中心にあった噴水の前に、魔物かと見紛う程に大きくて人間離れした獣人が現れた。
この人は、もしかして....。

「お前は....厄災の魔王!!」
「クドージンさん!」
みんなが『厄災の魔王』だと騒ぐ中、彼の名前を呼んだのは私だけだった。

「クドージン?」
「彼の名前だよ。本人がそう言っていたよ?」
「ライラが言っていたのは、アイツのことだったのか?!.....というかアイツ、そんな名前だったのか。」
もしかして、みんなが『厄災の魔王』って呼んでいるのは、名前を知らないから、なのかな?

「貴様っ!その姿....!」
「そもそもアンタ、転生したんじゃないの?!」
「転生?したさ。したとも。どっかの誰かさんのせいでな。」
クドージンさんはシヴァおじさんを恨めしそうに睨んだ。

「だったらアレはどういうことだ?シヴァ!奴の肉体は死んだんじゃないのか?!」
「そんなこと、ボクに聞かれたって、何がなんだか!」
「そういえばクドージンさん、前に別の姿で現れてたし、魔法で姿を変えられるんじゃないの?」
「御名答。」

するとクドージンさんは、以前会ったときに見た、別の姿へと変身した。
アニスさんと同い年くらいの、独特な顔立ちと服装の男性。
前に聞いた時は『前世の姿だ』って言っていたけど、一体どういう事なんだろう?

「なっ!」
「うそーん!」
「アンタ、変身できるの!?」
「あの姿は、お前らに『俺だ』ってわからすために、わざわざ変身してやっただけ。つか、それ以外であの姿になるメリットないだろ。」

「じゃあ、その姿が今の貴様、なのか?」
「さぁ?どうなんでしょうねー。そこまでお前らに言う義理ねーよ。」
クドージンさんが現れたことで、張り詰めた空気が漂う。
その空気を壊したのは、ホリーくんだった。

「すみません。素人質問で恐縮なのですが、そもそもクドージンさんは、本当に厄災の魔王なのですか?」
「あぁ!テメーも俺を偽物扱いすんのかよ?」

「いえ、そこまでは言いません。ですが、魔法で変身できるのであれば、偽物でも今みたいに魔王を語ることができるんじゃないかって思うのですが。それを言い出したら、何をもって魔王かどうかを判別すれば良いのかな?ってわからなくなりまして....。」

確かに、転生した厄災の魔王さんにとって、自分が『厄災の魔王』だって証明できるものって、何もなさそう。

例えば、私が生まれ変わったとして、お父さんとお母さんに『私はライラだよ』って言っても、信じてもらえないかも。
お父さん達との思い出を語っても、『どこかの誰かから聞いたのだ』って思われるだろうし、好きなことや得意なことをしても、きっと『好きなものや得意なことがライラと同じ子』としか思われないのかもしれない。

それと同じで、厄災の魔王さんは、例え本物でも自分を証明できる確実なものが何もないんだと思う。
.....そう考えると、なんだか可哀想かも。

「........いや、あの子は確かに、魔王ちゃんだよ♩」
そう断言したのは、シヴァおじさんだった。

「なぜ、そう断言できるのですか?」
「んー、とね。言ったことないけど、実は魔王ちゃんって、魂に根源があるんだよねぇ~。」
「何だって!?」
お父さん達は一斉に驚いたけど、そもそも『根源』って、なに?

「すみません、『根源』とは一体....」
私に代わって、ホリーくんが質問してくれた。

「根源っていうのは、簡単に言うと『魔力の源』だね。僕らが多少なりとも魔法が使えるのは、根源で魔力が生み出されているからなのよ。でもフツー、根源って肉体に宿るものなんだけど、魔王ちゃんはなぜか、魂にも根源があるんだよねぇ~」
「つまり、厄災の魔王は根源が2つあったってことですか?」
「そういうこと!」

すると突然、クドージンさんの胸から、2つのぽうっと光る玉のようなものが現れた。
「根源って、コレのことか?」
「そうそれ!.....って、えぇ!根源見えるの?魔王ちゃん!」
クドージンさんどころか、私にも見える。
他の人には光る玉が現れていないから、もしかしてクドージンさんが自分の根源だけ見えるようにしたのかな?

「じゃあ、コレをこうすれば」
すると、2つあった光る玉のうち、1つが消えてしまった。
「あっ!一個消えた!」
「コレで、俺の本当の姿を見ても、お前らは俺だって気づけないワケだ。」
「そんなの反則ー!!キミ、何でもアリなの??」
クドージンさんって、色んな魔法が使えて器用だなぁ。

「でもそうなると、ますますクドージンさんが厄災の魔王かどうか分からなくなりましたね?なんせ、『根源を偽造した偽物』である可能性が出てきましたし.....」
「あぁ?!テメェ、まだ疑うのか?」
「ハハハ。冗談を言っただけですよ。」

「そんなことより!」
怒鳴り声のようなお父さんの大声が、さっきまでの緩んだ空気を引き締めた。

「何でお前が、ここにいるんだ!」
「そりゃあ、勇者ご一行サマが揃っているんだから、魔王もいなくちゃな?サプライズゲストってヤツだよ。」
「ふざけるなっ!何が目的だ?!」
「目的ぃ?んなもん、パーティを盛り上げるために決まってんだろ?例えば、そうだなぁ......この屋敷をぶっ潰す、なんてのはどうだ?」

クドージンさんは、ライトニング邸に向けて手を翳した、その瞬間。

お父さんは、どこから取り出したか分からない剣で、クドージンさんの喉元に突きつける。
お母さんは、クドージンさんの頭に蹴りを入れるすんでのところで止めた。
リファルさんはクドージンさん周りに、ファイヤーボールやサンダーボールなどの複数の攻撃系の魔法を準備する。
シヴァさんは、クドージンさんの足元に魔術を展開し、そこから出てきた複数の鎖で、彼を縛って身動きが取れないようにした。

「そう、警戒すんなって。ただのジョークだろ。」
クドージンさんは、その状況でも薄ら笑いを浮かべて、軽い口調で喋った。

「ねぇ、お父さん達、ちょっと待って!」
「...ライラ?」
私のお願いに、お父さん達はクドージンさんを警戒しつつも、私の方を向いた。

「私、クドージンさんと、話がしたいの。」
「あぁ?」
「話?コイツと?」
「うん。」

「んなこと言われてもなぁ~。こんな状態じゃ、怖くてなーんも話せねぇよ。」
クドージンさんは、わざとらしく怯えたフリをする。

「お願い、お父さん達。警戒を解いて。お話させて。」
「.....何を話すつもりだ、ライラ?」
お父さん達は訝しげに思いながらも、渋々警戒を解いてくれた。

「ありがとう。」
私はクドージンさんに近づき、目を見て話しかけた。

「ねぇ、クドージンさん。あなたはなぜ、世界中の龍脈を封印したの?」
「...はぁ?」
「世界中の龍脈を封印して、世界のほとんどを、ヒトが住めない土地にしたんだよね?何でそんなことをしたの?きっと、理由があるんだよね?」

するとクドージンさんは驚いて、顔を伏せた。

「....何で、そう思うんだ?」
「だってクドージンさん、何度も私達のこと、助けてくれたでしょ?そんな人が、理由もなく世界を滅ぼそうとするハズないよ!」
「.....そうか」
クドージンさんはしばらく黙ったあと、ゆっくり口を開いた。

「....俺はあの時、キメイラ帝国の奴隷だった。」
「!?」
「首に特殊な魔道具つけられて、逆らえば魔道具ソレを使って罰が下される。よくある話だ。」

奴隷。
その言葉が出てきた瞬間、場の空気が変わったのを感じた。
屈辱的で、辛い生活を強いられていたのかと思うと、胸が締め付けられるような気持ちになった。

以前、亜人の奴隷の人たちに対して「人生詰んでる」って言っていたのは、過去の自分がだったから、なのかな。

「本当はあんなこと、やりたくなかった。でも命令には逆らえなかった。罰が怖くて....。」
「クドージンさん.....。」
なんて声をかけたら良いのか、思いつかなかった。
クドージンさんは当時の事を思い出してか、肩を震わせていた。
彼はきっと、命令に逆らって罰を受ける恐怖と、世界を滅ぼす罪悪感とで葛藤したんだ。
でも罰を受ける恐怖に勝てなかったんだ。

....やっぱり彼は、悪い人じゃない。
悪いのは、彼に命令した人だったんだ。

「.......ッククク.....」



「アッハハハハハハハハハッ!!!!」

「...え?」

その笑い声を上げたのは、クドージンさんだった。
さっきまで俯いていた彼は、顔を上げて、お腹をかかえて、大きな声で笑った。

「あんな話、本気で信じちゃった?」
クドージンさんはニヤニヤしながら、私に問いかけた。
彼の態度の急変についていけず、私は言葉を失った。

「あの話、全部ウ・ソ!アッハハハハハ!!!
世界を滅ぼそうとしたのは、単に面白そうだったからに決まってんだろ?」
「.....面白そう?」
面白そうって、何が?
世界中を死の大地にして、大勢の人を苦しめるのが、『面白い』?
理解のできない感情に、一瞬、頭がくらくらした。

「あぁ。だって、そうだろ?城で偉そうにふんぞり返っている王様も、豪華なパーティ開いている金持ちも、偉そうに偽善を吐いている牧師も、みーんな、見苦しくもがきながら死ぬんだぜ?想像しただけで面白いじゃん。」
人が死んで『面白い』?
たった、それだけの理由で、世界中の人を殺したの?
そんな軽い気持ちだけで、世界中の人が死んでしまったの?

「貴様ぁぁぁ!!」
「この外道がぁあ!!!!!」
お父さん達がクドージンさんに攻撃を仕掛ける中、私はそれを、ただ腰を抜かして眺めていることしかできなかった。

「おっと、勇者サマのお怒りだ。今日は面白ぇものも見れたし、大人しく帰ってやるよ。じゃあな。」
「待てっ!!」
「逃すかぁ!!」
お父さん達は追いかけようとするも、クドージンさんはあっという間に目の前から消えてしまった。

お父さんの言った通りだった。

あの人は、正真正銘の『悪』だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ
ファンタジー
 僕は十年程闘病の末、あの世に。  そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?  幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。   ※画像はAI作成しました。 ※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました

Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である! 主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない! 旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む! 基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。 王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...