転生魔王の正体は?ーー厄災の魔王は転生後、正体を隠して勇者の子どもや自称悪役令嬢を助けるようですーー

サトウミ

文字の大きさ
30 / 145
第10話:魔物村

【30】魔物村(3)

しおりを挟む
「すみません、おじいちゃん呼んできます!」

そう言うとフレイくんは、私達が止める間もなく走り去ってしまった。

「あの阿呆は!今更アーロン男爵を呼んだところでどうにもならないだろ!」
フレイくんには悪いけど、レオンの言う通りよ。
アーロン男爵が仏陀でもない限り、今の魔物達を落ち着かせられるわけがない。

「圧縮!圧縮っ!!」
ひたすら特殊魔法で魔物達を退治していくも、数が多すぎて追いつかない。

「カタリーナさん!こっちです!」
振り向くとホリーくんが、魔法でドーム状のバリアを貼っていた。
中にはすでにライラちゃんがいる。
私もバリアの中に入れてもらって、安全圏バリアの中から魔物退治を続けた。

「ホリーくん、よくこんな凄い魔法が使えるわね!」
「コレ、僕の特殊魔法なんだ。魔法は全然使えないけど、唯一使えるのがこの魔法で良かったって、今はじめて思ったよ。」

バリア越しに、殿下達の様子を見る。
殿下も、タクトくんも、あと一応レオンも、剣がないからか戦いにくそう。

「この辺に剣があったら、あの3人に渡せるのに!」
ただでさえ強い魔物達なのに、武器なしで戦うのはあまりにも分が悪い。

「せめて私も魔法か魔術で戦えたら...。」
ライラちゃんは、戦えないことに不甲斐なさを感じているみたい。

「魔法か『魔術』?それだよ!」
すると突然、ホリーくんが何かを思いついたように、片手でスマドを取り出した。
そして片手でバリアを維持しながら、もう片方の手でスマドを操作し始めた。

操作し始めて少し経ったあと、ホリーくんのスマドが鳴った。
ホリーくんはスマドを確認する。

「早っ!流石あの人だな。」
そう呟くと、ライラちゃんにスマドを渡した。

「ライラさん、その写真の通りに魔法陣を描いて魔力を流してみて!」
「え?う、うん!やってみる!」
ライラちゃんは言われた通りに、スマドを見ながら魔法陣を描き出した。

「ねぇホリーくん、ライラちゃんに何させようとしているの?」
「剣を作り出す魔術だよ。さっきメールで、知人に剣を作り出す魔術を聞いたんだ。あの写真通りに描いて、魔法陣に魔力を流せば剣が作れるハズだよ。」

なるほど。
ナイスアイデアよ、ホリーくん!
そしてこの世界に文明の利器スマドを作ったダイフク商会もナイス!
...欲を言うと、ネットで検索できるようになれば、もっと手っ取り早いんだけどなぁ。

「描けたよ!」
ライラちゃんは魔法陣に手を当てて、魔力を流し始めた。
...しかし、何も起こらない。

「え?なんで?」
ライラちゃんは魔法陣とホリーくんのスマドを見比べる。
するとその時、ホリーくんのスマドがまた鳴った。

「ねぇ、ホリーくん。ザボエルって人からメールが届いたみたいだよ。」
「っ!?ライラさん、メール見せて!」

ライラちゃんは急いでホリーくんにスマドを渡した。
ホリーくんは慌ててメールを確認する。

「そういうところ、ホント最高だよ。」
メールを読み終わると、ホリーくんは微笑みながら、ライラちゃんにまたスマドを渡した。

「コレを読んだ上で、もう一回さっきの魔法陣を描いてみて!」

「うん!えっーと.....。

『取り急ぎ魔法陣だけ送ったぞ。
どうせ貴様の高慢な姉は返信しないだろうからな。

念のため、貴様が魔術の使い方を知らない場合を考慮して、補足説明をしておく。

魔術はただ魔法陣を描くだけでは発動しない。
魔法陣は、魔力の流れを作っておかないと、ただの絵と同じだ。
魔力の流れを作るには、魔法陣を描く時、常に微量の魔力を流す必要がある。
この時、流す魔力量が多すぎると、描いている途中で変な魔術が発動する可能性があるから気をつけろ。

もし魔力を流すのが難しい場合は、血で描け。
血には、魔法陣を描くのに丁度いいくらいの微量な魔力が含まれているからな。

そして魔法陣が完成したら、必要量の魔力を流せ。
流す魔力の量が少ないと、魔術は発動しないぞ。
仮に必要量以上の魔力を流しても、発動する魔術に副作用や変化はないから安心しろ。

魔力量の調整が難しい場合は、魔法陣に全魔力を注ぐつもりでやれば、失敗しないだろう。

検討を祈る。

(追伸)生きて帰れたら、給料を倍にしろ。』」

メールの差出人は、学校でまだ魔術の基礎を習っていない可能性を想定していたかのように、懇切丁寧に魔術の基礎を教えてくれた。
ライラちゃんはメールを読んで、魔術が発動しない理由に気づいたようだ。

「血だよ!血で描けばいいんだ!」
ライラちゃんは指を切って、もう一度魔法陣を描き始めた。
そして魔法陣を描き終えて、魔力を流す。
すると魔法陣は神々しい光を放ち、魔法陣の中から剣が3本出てきた。

「できた...!できたよ!」
ライラちゃんは剣を抱えて、タクトくん達に届けるためにバリアの外へ出ようとした。

「待って!私が届けるわ。外は危ないわよ。」
「カタリーナちゃん!でもそれだと、カタリーナちゃんが危ないよ。」
「大丈夫!私には圧縮魔法があるから!」

そう言って、私は強引にライラちゃんの剣を奪い、バリアの外へ出た。そしてドラゴンと戦っている殿下達に、剣を渡した。

「ありがとう、カタリーナ。」
「殿下、お礼ならライラちゃんに言ってください。」
「コレで本気が出せるぜ!」

そこから殿下達は、水を得た魚のように勢いづいて、ドラゴン達を圧倒した。

ディシュメインの王族は代々、身体能力が高く、剣術や武術に秀でた人が多い。
そのためか、殿下は『剣豪』と言われるくらい、剣術に長けている。
...まぁ、『王族だから身体能力が高い』っていう理屈は、レオンにも当てはまっちゃうけど。

タクトくんは、伝説の勇者の息子だからか、一太刀の威力がすさまじく高い。
そんな3人の手にかかれば、ドラゴン退治は余裕だわ。

私はホリーくんのバリア内に戻って、安全圏からドラゴンを駆除することにした。

その後、私たちは順調にドラゴン達を始末していった。
あともう少しで、ひと通りドラゴン達を退治し終える。
そう思った矢先、竜族エリアの奥から2匹の大きな魔物が移動してくる気配を感じた。

「...嘘、だろ?」
「ははは......そういえば、こいつらもいたんだっけ。」

ブラッディスカーレットドラゴンと、アメジストクルーエルグレイスドラゴン。
どちらも国一つ滅ぼせるレベルの魔物だ。

いくら3人が剣を持っているからって、この2匹を相手に戦うのは厳しい。

「圧・縮!!」

それでも僅かな可能性に懸けて、私は2匹に圧縮魔法をかけた。
しかし力不足だからか、ドラゴン達は小さく丸まるだけで、肉団子になるまで圧縮するのは無理だった。

「やっぱり駄目か。」

するとドラゴン達は、私を睨みつけて襲いかかってきた。
だけどホリーくんのバリアのおかげで、攻撃を喰らうことはなかった。

「このドラゴン達、強い!このままじゃ、バリアが解けちゃうかも!」
ホリーくんは額に汗をかきながら、弱音を吐いた。
このままじゃ、ホリーくん達まで私の巻き添えを喰らっちゃう。

「私、ここから出るわ!身体強化魔法フィジカル・ストレンクサン!」
「あっ!ダメだ、カタリーナさん!」

私は、自分自身に身体能力を強化する魔法をかけた。
そしてドラゴン達の隙を突いて、バリアの外へ出て全力疾走で竜族エリアへ向かった。

ドラゴン達の狙いは私だ。
私が人のいないところまで移動すれば、ドラゴン達も付いて来て被害を抑えられるはず。

ドラゴン達は竜巻や氷塊で私を狙ってくるも、身体能力が強化された今の私には当たらない。
常人の何倍ものスピードで移動できるようになった私は、ドラゴン達の攻撃をうまく躱しながら竜族エリアへと進む。

身体能力を強化する魔法は、原作の破滅フラグを回避するために覚えた魔法だ。
『国外追放後に亜人に殺される』って宮藤くんに教えてもらってから、必死に魔法を練習した甲斐があったわ。

....あれ?でも、宮藤くんから聞いた原作には、こんな展開なかったわ?
宮藤くん、きっとそこまでは覚えていなかったのね。

そんなことを考えていると、竜族エリアの中央付近まで来た。
ドラゴン達が散々暴れた後だからか、建物はほぼ全て崩壊していた。
ところどころに、ドラゴン達に襲われた人達の亡骸が、散在していた。

ここなら、ドラゴン達が暴れても被害が最小限で済む。

「さて、問題は『ここからどうするか?』よね。」

ドラゴン達を連れてきたのはいいけれど、ここからどうすればいいか、全く思いつかない。
身体能力を強化したとはいえ、武術を習っていない私が殿下達のように戦ったところで、返り討ちにあうのは目に見えている。
かといって、このまま逃げ続けるだけだと、いずれ限界が来てしまう。

どうすればいいか考えていると、殿下達がこちらに来ているのが見えた。

「この阿呆が!一人で対処できる相手じゃないだろ!」
「そうだよ、カタリーナ!自分がどれだけ危険なことをしているのか、分かっているのか?」
「ごめんなさい....。」

合流するや否や、レオンと殿下に盛大に怒られてしまった。
レオンに怒鳴られて腹が立つとか、殿下に心配してもらえて嬉しいとか思ったけど、今はそんなこと考えている場合じゃない。

....そうだ。
いいこと思いついたわ!

「それより3人とも、今からみんなに身体能力を強化する魔法をかけるけど、戦えそう?」
「おう!任せろ!」

私は3人に身体強化魔法フィジカル・ストレンクサンをかけた。
ただでさえ相当強い3人に身体強化魔法フィジカル・ストレンクサンをかければ、鬼に金棒だ。

ドラゴン2匹と殿下達3人は、互角に渡り合っている。
....いや、よく見たら徐々に3人が押されていた。

他に私にできることはないかしら?
さっきまで散々魔法を使ったから、もうほとんど魔力が残っていない。
使えたとしても、圧縮魔法2回が精一杯だ。

せめて圧縮魔法で、ドラゴンに大ダメージを負わせることができれば...。

「そうだ!」

私はアメジストクルーエルグレイスドラゴンの目玉だけに、圧縮魔法をかけた。
目玉だけだったら、潰せるかもしれない。

私の思惑通り、アメジストクルーエルグレイスドラゴンの目玉は、グシャっと音を立てて潰れた。
目玉を潰されたアメジストクルーエルグレイスドラゴンは、大きな悲鳴をあげながら暴れ出した。

私はすかさず、もう一つの目玉も圧縮して潰す。
これでもう私は魔法が使えなくなったが、代わりにアメジストクルーエルグレイスドラゴンの視界を完全に潰すことができた。

「みんな!今のうちにアメジストクルーエルグレイスドラゴンを先に倒して!」

敵が多い時は、弱っている敵を集中的に攻撃して、数を減らした方が合理的だ。

殿下達3人はアメジストクルーエルグレイスドラゴンに狙いを定めて、一斉攻撃を仕掛ける。
そのおかげか、アメジストクルーエルグレイスドラゴンは力尽きて倒れた。

「...やったわ!」

これで残すは、あと一匹。
でも、みんな体力をかなり消耗しているみたい。
3人は肩で息をしながら、残りの一匹....ブラッディスカーレットドラゴンを睨みつける。

龍華月翔りゅうかげっしょう!」
鳳凰天空斬ほうおうてんくうざん!」

タクトくんとレオンが渾身の一撃を放つも、ブラッディスカーレットドラゴンは、よろめきもしない。
殿下も高くジャンプして、追撃しようとした。

「虎跳猛襲うっ....!」

しかし、殿下の一撃が入ることはなかった。
殿下はブラッディスカーレットドラゴンの尻尾に撃ち落とされ、地面に叩きつけられた。
尻尾の威力は凄まじく、地面に叩きつけた勢いで砂埃が大きく舞った。

「殿下っ!」

私はいてもたってもいられなくなって、殿下のそばに駆け寄った。

「殿下!大丈夫ですか?殿下!」

思い切り地面に叩きつけられた殿下は、目を覚まさない。

「殿、下...?」
殿下の息遣いを感じない。
そんな、もしかして....。

嫌。こんなの、嘘よ。
認めたくない。
だけど。

「ぅあああああ!!」

無駄だとわかっていても、ブラッディスカーレットドラゴンを攻撃せずにはいられなかった。
殿下をこんな目に遭わせたアイツが許せない。

私は殴りかかろうとしたけど、殴るどころか近づくことすらできなかった。

奴が繰り出した竜巻に巻き込まれて、私の身体は空高くに吹っ飛ばされた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ
ファンタジー
 僕は十年程闘病の末、あの世に。  そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?  幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。   ※画像はAI作成しました。 ※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました

Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である! 主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない! 旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む! 基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。 王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...