転生魔王の正体は?ーー厄災の魔王は転生後、正体を隠して勇者の子どもや自称悪役令嬢を助けるようですーー

サトウミ

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第13話:ドーワ侯国旅行

【53】ドーワ侯国旅行(6)

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ゲイルさんは厄災の魔王クドージンさんについて、真剣な顔をして話し始めた。

「とはいえ、どこから話すか。お前らは、厄災が元々、俺ら魔王軍が使役していた魔物だってことは、知っているか?」
「えっ?」
「初耳です。」

「そうか。厄災が世界をこんな風にする前、俺達魔王軍は、人間の国を制圧して領土を広げていた。人間の国で、奴隷として酷い扱いを受けている同胞達を、解放するためにな。厄災は、そうやって制圧した人間の国で、貴族に飼われていた魔物だった。」

ゲイルさんの口から出てきたのは、思った以上に重い話だった。
クドージンさんが、貴族に飼われていた魔物?

「いや、今となっちゃ、貴族に買われた奴隷同胞だったのかもな。あの時、そう判断できていれば....。」
ゲイルさんはどこか悲しそうな顔で、そうぼやいた。

「そもそも、なんでおっさんは、魔物か亜人かの区別がつかねえんだよ。同じ亜人だろ?」
「無茶言うな。一言に亜人っつっても種類が多いからな。魔人やエルフはともかく、獣人は特に魔物と区別できない種類も多い。アラクネ族と人狼族の混血なんて、見た目じゃ魔物そのものだぞ。」

「でしたら、どうやって魔物か亜人かを判断したのですか?」
「俺らが魔物か亜人かを判断する基準は2つ。『意思疎通が取れるか』と『本人がどっちだと思っているか』だ。」

「じゃあ、彼は自分のことを魔物だと思っていた、ってことですか?」
「いや。当時のヤツは、そもそも意思疎通が取れなかった。」

「意思疎通が取れなかった?」

「あぁ。貴族から厄災を奪い取った時、亜人か魔物か判別できなかった俺らは、アイツにひたすら話しかけた。『お前は魔物か?亜人か?』ってな。
普通、言葉が通じなかったとしても、話しかけられたら何かしらの反応はするだろ?でもアイツは俺らの問いかけに一切反応しなかった。目が覚めていたにも関わらずな。
だから俺達は、アイツを意思疎通の取れない魔物だと判断したワケだ。」

「どういうことだ?アイツが意思疎通が取れないって....俺達、何度かアイツに会ってるけど、ちゃんと会話できるぞ?」
「あぁ。だから判断を誤ったんじゃねえかって、今になって思ってるワケだ。」

ゲイルさんは出されていたコップを持つと、中に入っていた水をグイッと飲み、ため息のように「はぁ~」と息を出した。

「厄災と初めて会った時、アイツは意思疎通どころか意識すらないように見えた。だから俺達は、魔物だと判断して魔王軍で管理することにしたのさ。当時、魔王軍は『龍脈抑制計画』ってのをやっててな。世界各国の龍脈を制圧して、人間どもに降伏させようって計画だ。その計画で人間の国の龍脈を制圧するのに、厄災を最前線で戦わせていた。」

そうか。
先代の魔王さんが龍脈抑制装置を持っていたのは、そういった経緯があったからなんだ。
龍脈を制圧して人間に降伏させようとした魔王軍。
龍脈を全て封印して、沢山の人の命を奪ったクドージンさん。

ゲイルさんには悪いけど、魔王軍がやろうとした事の醜悪さは、クドージンさんとそう変わらない。

「厄災は当時から恐ろしかった。初めこそピクリとも動かなかったが、徐々に戦うようになってな。終いには強力な魔法を乱発して人間どもを笑いながら惨殺するようになった。でもそのおかげで、世界中の龍脈を制圧できた。厄災がいなけりゃ龍脈の制圧は無理だっただろうな。だけどな、ヤツの戦う姿は、味方の俺達ですら怖いと感じたぜ。」

その話を聞いて、以前クドージンさんが言っていた事を思い出した。
クドージンさんは初めて人を殺した時、放心状態で戦地にいたと言っていた。

もしかしてゲイルさんがクドージンさんに初めて会った時、彼は放心状態だったのかな?
そして戦地にいたというのは、魔王軍の龍脈抑制計画で侵攻していた時のことを言っていたのかな。

「あの時、厄災に拘束魔道具が付いていなかったと思うと....ゾッとするぜ。」
「拘束魔道具って、たまに奴隷がつけられている首輪みたいなヤツですか?」
「あぁ、それだ。拘束魔道具は元々、厄災を飼っていた貴族が、ヤツにつけていた物でな。どうせ魔物として使役させるなら、魔道具をつけたまま主導権を魔王軍に変えた方が扱いやすいんじゃねえかと考えたワケだ。」

私はまた、クドージンさんの言っていたことを思い出す。

『俺はあの時、キメイラ帝国の奴隷だった。』
『首に特殊な魔道具つけられて、逆らえば魔道具を使って罰が下される。』

あの話自体は、本当だったんだ。
魔王軍からすればクドージンさんは「使役していた魔物」なのかもしれない。
でもクドージンさんからすれば「奴隷として扱われていた」と考えてもおかしくはない。

「こんなこと言ったら頭がおかしいと言われそうだが、厄災は文字通り『不死身』だった。心臓を刺されても死なないし、首を跳ねても死なない。燃やされても死なない。嘘だと思われそうだが、アイツには『死』という概念が存在しねぇんた。」

「信じますよ、ゲイルさんの言っていること。僕らも、彼の特異さを知っていますから。」
「なんならアイツ、ヒトを生き返らせることもできるしな。」

「厄災はそんなこともできるのか!こりゃあ、益々アイツを飼っていた貴族の妄言が頭から離れなくなったな。」
「貴族の妄言、ですか?」

「...厄災を飼っていた貴族はな、アイツのことを『不死の魔人』って言ってやがったんだ。アイツはどう見ても魔人に見えないし、不死だなんて馬鹿げている。だからそう聞いた時は、頭のイかれた貴族の妄言としか思わなかった。」

するとゲイルさんは一呼吸して、意を決したように話しだす。

「ここからはあくまで、俺の想像だ。食欲が失せるくらい胸糞悪い話になるが、大丈夫か?」

今から豪華なニホン料理が出てくるのに、食べられなくなるのは困る。
でも、そう言われると、逆に聞きたくなる。

「大丈夫です。」
私がそう言うと、お兄ちゃんやホリーくん、カタリーナちゃんも追随するように『大丈夫』と言った。

「じゃあお言葉に甘えて、言わせてもらうぜ。結論から言うと、厄災のあの姿は作り変えられたものだったんじゃねえかと考えている。」
作り変える...ってどういうこと?
その単語に心がざわついた。

「あの貴族から押収した物品の中に、変な研究ノートがあってよ。そのノートには『内臓を全て出したら再生されるのか?』とか『細かく分解して隔離したら、どの部分から肉体が再生されるのか?』とか『頭だけ縦に切断したら、再生される時に双頭になるのか?』とか気持ち悪いことがズラーっと書いてあってな。」
「うわぁ...。」
「悪趣味。」

「だろ?中でも気になったのが『切断面に他の生物のパーツをくっつければ、肉体の一部として取り込まれるのか試してみたら成功した。コイツは僕好みの美しい魔物に作り変えてやろう。』って内容だ。
読んだ時は、頭のイかれたヤツが書いた詩だと思っていたが、今思えばあれは、厄災の身体についての実験記録だったんじゃねえか?」

ゲイルさんの悍ましい発言は、一瞬、どういう意味か分からなかった。
だけど少し考えを巡らせると、言わんとすることが分かった。
その瞬間、空腹にも関わらず、胃から何かが戻ってきそうな感覚に苛まれた。

クドージンさんのあの姿は、肉体を切られて、色々な生物の身体をくっつけられた成れの果ての姿なんだ。
それだけじゃない。
ゲイルさんの話が本当だったら、クドージンさんは他にも拷問と言っても過言ではないことをされている。

クドージンさんが放心状態だったのは、拷問の末に、精神が崩壊したから、なのかもしれない。

「そのノートの最初の方には『こんな面白い体質の魔人を捨てるなんて、ローザは馬鹿だ。代わりに僕がたっぷり可愛がってやろう。』って書いてあった。だから厄災は元々、魔人だったんじゃねえかと、俺は考えている。」

「そういうこと、だったんだ....。」
ゲイルさんが話終えると、レックス殿下は何かに納得したかのようにボソリと呟いた。

「殿下、『そういうこと』というのは?」
「ほら、彼の夢の中での記憶だよ。カタリーナも見ただろ?」
「はい、見ました。ですが、どういうことなのか、さっぱりわかりません。」

殿下とカタリーナちゃんの話が分からず、呆然と二人を眺める。

「ねぇ二人とも、何の話をしているの?」
「あぁ、ごめん。
みんなには言ってなかったけど、僕とカタリーナは色々あって、不可抗力で彼の過去を覗いてしまったんだ。」
「えっ?」

「それで僕は、彼がニホンで死んだ後、気がついたら魔人に転生していて、そして奴隷にされる記憶までを見たんだ。」
そんな....。
じゃあ、やっぱりクドージンさんは元々、魔人だったんだ。

「ニホンで死んだ?ってどういうことだ?」
まだ話についていけないゲイルさんに、ホリーくんは噛み砕いて説明してくれた。
ひと通り説明を聞いたゲイルさんは、訝しげな顔をしながらも、納得したようだった。

「ずっと疑問だったんだ。僕の見た記憶では魔人だった彼が、いつあの姿になったのか。でもゲイルさんの話を聞いて分かったよ。奴隷の彼を買ったのは、ローザという名の淑女だった。」

『ローザ』って、さっきのゲイルさんの話で、ノートに書かれていた名前だ。
クドージンさんの所有権は、ローザさんから、ノートの書き手へと移り渡ったのだろう。
....所有権、だなんて考えただけでも不快な言い方だ。

「殿下、もしかして私と違う記憶を覗いたのですか?!」
「えっ?カタリーナが見た記憶って、もしかして違うの?」
「はい....。」

カタリーナちゃんは俯いて、今にも泣きそうな顔をしながら話し始めた。

「私が見た記憶は、彼が日本にいた頃の記憶でした。彼は、物心ついた頃から両親に虐待されていました。行き過ぎた体罰で殺されかけたのをキッカケに、両親は捕まったのですが、その後は孤児院で過ごすことになって....。親がいないことで、学校でもいじめられて、居場所がなくて....。」

その話を聞いて、私は、胸が張り裂けそうなくらい苦しくなった。
気づけばカタリーナちゃんの目は、涙で潤んでいた。

「そうか。彼は、子供の頃から居場所がなかったんだ....。僕が見た記憶の中にも、ニホンにいた頃の記憶があった。けど彼は、ずっと孤独だった。」

殿下も暗い顔で、語り始める。

「僕が見た記憶だと彼は、少年達が入る牢獄のような場所にいた。そこにいた他の少年達は外の世界に居場所があったけど、彼には家族も、友人も、住む場所も無かった。....それが不安で、惨めに感じていたみたいなんだ。」

家族も、友人も、住む場所もない。
そんな生活を想像しただけで、息が苦しくなる。

「そんな彼を心配した大人達が、彼に住み込みで働ける仕事を斡旋したんだ。彼も、そこで一からやり直そうって思ったみたいだけど、そこでも上手くいかなくて.....。職場の大事なお金を盗んだ犯人だって勘違いされて、せっかくの仕事もすぐに無くなったんだ。」

そんな...。
せっかく頑張って真面目に生きようとしていたのに、その機会すらも不条理に奪われてしまうなんて。

「住む場所も、頼れる人もいなくなった彼はその後、空き家に住みながら、人から盗んだお金で生活していたみたい。でも、そんな生活も長くは続かなかった。夏の暑さに倒れて、彼は今の僕らとそう変わらないくらいの年で、短い一生を終えたんだ。」

これが、クドージンさんの前世?
両親に殺されかけて、孤児院に入って、学校でいじめに遭って。
親も、友達も、住むところも無くて、牢屋に入って。
人生を再出発させようと頑張っても、出鼻を挫かれて。
挙げ句の果てに、何一つ事態が好転することがないまま、あっけなく死んで終わり?

しかも次の人生でも、奴隷にされて、拷問されて、解放されたと思ったら、今度は強制的に戦地で戦わさせられて....。

救いが無さすぎる。
残酷な運命に、やるせない気持ちが湧き上がってきた。
気がついたら私は目が熱くなって、そこから湧き上がるように涙が出ていた。

「....なぁ。」

みんなが暗い顔をして沈黙する中、静寂を破るようにお兄ちゃんは口を開いた。

「不謹慎かもしれねぇけど、今だったら、アイツが世界を滅ぼそうとした気持ちがわかるぜ。俺がアイツの立場だったら、こんな世界、クソ喰らえって思う。」

確かに、今だったらクドージンさんの気持ちがわかる。

人を殺したり、不幸にしたりして、楽しいと思う気持ちは彼の本心だと思う。

でも、彼がそんな価値観になったのは、環境のせいだ。
彼を取り巻く環境が、彼の心を蝕んでいったんだ。

元々の彼が優しい性格なのか、真面目な性格なのか....。
それすら分からなくなるくらい、劣悪な環境は、彼の心をぐちゃぐちゃに歪ませたんだ。

「私が彼の立場でも、こんな世界、無くなっちゃえって思っていたわ。もし自分が同じ境遇だったらって考えると....耐えられないわ。」

クドージンさんの立場だったら。
それを考えた途端、自分が過去に彼に言った言葉が恥ずかしくなった。

家族も友達もいなくて、孤独で、その上、理不尽なことばかり起きて、やり直そうと思っても上手くいかなくて。

そんな状況で『幸せになる努力』なんて、できると思う?
私がこんな境遇だったら、それでも『幸せになろう!』って前を向いて頑張る気になれない。
早々に、幸せになるのを諦めていると思う。

「お前らの話を聞いて、俺は益々、自分が許せねぇ。なんであの時、アイツを魔物だって判断しちまったのか。どうして救ってやれなかったのか、ってな。厄災は、俺ら亜人が救うべき同胞だった。」

ゲイルさんは憂いを帯びた顔で、懺悔するように弱弱しく語った。


すると、そんな懺悔を嘲笑うかのように、突然ミラさんがケラケラと笑い出した。
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