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第24話:推薦試験
【110】推薦試験(1)
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その日の午後。
お昼休みの時間に、担任のシヴァから呼び出しがあった。
「実はフレイくんに大事なお話があるんだー♪」
『大事な話』とやらに心当たりがなかった俺は、少し身構えて話を聞いた。
「この前の舞踏会で、フォージー夫人がキミへ推薦状を出すって言ってたそうだね?ということで、お待たせしました!やっとこさ、今日推薦状が届いたよ♪」
シヴァは推薦状の紙をヒラヒラさせて見せてきた。
あれから全然来る気配がなかったから、すっかり忘れ去られているものだと思っていた。
ま、合格する気はないから推薦状をもらったところで今までと変わりない。
強いて言えば、折角の休日が推薦試験で1日潰れてしまうくらいだ。
「キミは魔法も座学も優秀だから、ちゃんと試験勉強すれば余裕で試験に合格できるよ♪ちなみに試験は3週間後だよ。応援してるね~♪」
俺はシヴァの話を軽く聞き流して、職員室を後にした。
そして教室へ戻ると、みんなが楽しそうに話している輪の中へと入った。
「あっ、帰ってきた!ねぇフレイくん。先生になんて言われたの?」
ライラは俺が帰ってきて早々に尋ねてきた。
「別に、大した話ではありませんよ。以前フォージー夫人から、王宮専属の魔法使いとして推薦されたのですが、正式な推薦状が今日届いたみたいです。」
「凄いよフレイくん!王宮専属の魔法使いって、卒業生でもなれるのは一握りなのに。」
「在学中に推薦がもらえるなんて、さすがセージャ様の甥ね。」
「へへっ。新・勇者パーティの1人として誇らしいぜ。」
タクトはまるで自分のことのように、得意げな顔をしている。
「僕は王宮専属の魔法使いになるつもりはないので、推薦試験なんて面倒くさいだけですけどね。」
「うわぁ、羨ましいな。僕もそんなこと言えるくらい、魔法の才能が欲しいよ。」
「ホリーは万年、バリアしか使えねぇからな。」
「ホリーくんとライラさんは、もう少し魔法の練習をした方がいいですよ。」
「ハハハ、手厳しいこと言うね。」
そんな他愛もない会話をしていると、ふとレオンと取り巻き連中が視界に入った。
そうだ、いいこと思いついた。
俺はレオン達に近づくと、連中は汚物でも見るかのような目で俺を睨んできた。
「おやぁ?そこにいるのは由緒正しい貴族のレオン卿ではないですか。」
レオンは露骨に不機嫌になって舌打ちをした。
「半分平民ごときが、俺様に何か要でもあるのか?」
「いいえ、別に。ただ、ちょーっとした報告がありまして。」
「報告?」
「はい。実は僕、フォージー夫人から推薦状を頂いたのです。『王宮直属の魔法使いにならないか』って。僕にも推薦状が来るぐらいですから、当然、レオン卿にも推薦状が届いていますよね?」
「クッ...!」
レオンは悔しそうに歯を食いしばって目線を逸らす。
おおよそ、俺が言おうとしていることが想像ついているのだろう。
「あれれ~?もしかして、誰からも推薦状をもらっていないのですか?半分平民ですら推薦がもらえたのにレオン卿には推薦が来ないんですか?おかしいですねぇ?何かの手違いでしょうか~?」
俺はここぞとばかりに煽り倒した。
コイツの悔しそうな表情は、相変わらず笑える。
すると後ろから、ライラが腕を引っ張ってきて止めようとしてきた。
いつもは俺とレオンのやり取りに我関せずのライラが、わざわざ口を挟もうとするのは珍しい。
「フレイくん、クドージンさん....じゃなくてレオンくんは、あえて推薦をもらわないようにしているんだよ。」
ライラは俺の耳元で、そう囁いた。
そうか。みんなはレオンが宮藤迅だと誤解しているのだった。
「レオンくんは私達に正体がバレたくないから、あえて実力を抑えているんだよ?それを逆手に取って、レオンくんより成績が良くなって見下すのはズルいよ。」
百歩譲ってアイツが実力を隠していたとしても、そんなこと、知ったこっちゃない。
「推薦がもらえて良かったじゃないか、半分平民。」
なぜか突然、レオンはさっきまでの悔しそうな顔から一変、堂々と偉そうな態度で話し始めた。
「推薦をもらったからには、何としてでも合格しないとなぁ。でないとフォージー夫人の顔に泥を塗ることになるぞ?」
偉そうに、俺に煽り返してきやがった。
「ってか、この前の実技テストで尻尾を巻いて逃げたフレイくんが、推薦試験で合格できるの?」
追随するように、取り巻き共も俺を馬鹿にして嘲笑う。
この前の実技テストは記憶喪失だったとはいえ、コイツらに馬鹿にされるような結果を残してしまったのは不愉快だ。
「推薦すらもらえない皆さんと違って、僕は優秀ですからね。推薦試験で合格するなんて簡単ですよ。」
コイツらに舐められたままにはしておけない。
試験は仮に合格しても辞退できるから、合格だけしてこれ以上調子に乗れないようにしてやろう。
....いや、待てよ?
確か、理由があってわざと試験に落ちる予定だった気がする。
どんな理由だったっけ?
ま、忘れたということは、大した理由じゃないのだろう。
とりあえず俺は、その日から推薦試験の勉強を始めた。
◆◆◆
放課後。
その日、俺達取り巻き一同は、レオン様の部屋に集まって半分平民の悪口で盛り上がっていた。
「本っ当にアイツ、調子に乗ってますよね!」
「思ってた通り、推薦状が来た途端にレオン様に突っかかって来ましたね。あぁ、アイツ、試験に落ちればいいのに。」
「レオン様が敢えて本気を出していないのをいいことに、好き放題しすぎですよね。アイツがレオン様の実力を知ったら、どんな顔をするか見てみたいです。」
「....まぁな。」
おや?レオン様の様子が少し変だ。
いつもだったら怒りながら一緒にフレイを罵るのに、今日はそこまで怒っていないように感じる。
「レオン様、どうかいたしましたか?」
「いや、大したことではない。あの半分平民の推薦試験は、どっちに転んでも俺様にとって都合が良いと思ってな。」
「どっちに転んでも、ですか?」
「そうだ。奴がもし落ちたら、奴のプライドを折ることができる。」
「ですが、受かったら?」
「その時は、奴はこの学校を卒業して、いなくなる。」
なるほど!
確かに推薦試験に合格すれば、フレイは王宮専属の魔法使いになって、自動的にこの学校から出て行く。
目障りなアイツを二度と視界に入れずに済むのなら、その方がずっと良い。
「さすがです、レオン様!そこまで考えていらっしゃるとは。」
さっきまで『フレイ落ちろ』と念じていた俺達取り巻き一同は皆、一変して『フレイ受かれ』と願うようになった。
お昼休みの時間に、担任のシヴァから呼び出しがあった。
「実はフレイくんに大事なお話があるんだー♪」
『大事な話』とやらに心当たりがなかった俺は、少し身構えて話を聞いた。
「この前の舞踏会で、フォージー夫人がキミへ推薦状を出すって言ってたそうだね?ということで、お待たせしました!やっとこさ、今日推薦状が届いたよ♪」
シヴァは推薦状の紙をヒラヒラさせて見せてきた。
あれから全然来る気配がなかったから、すっかり忘れ去られているものだと思っていた。
ま、合格する気はないから推薦状をもらったところで今までと変わりない。
強いて言えば、折角の休日が推薦試験で1日潰れてしまうくらいだ。
「キミは魔法も座学も優秀だから、ちゃんと試験勉強すれば余裕で試験に合格できるよ♪ちなみに試験は3週間後だよ。応援してるね~♪」
俺はシヴァの話を軽く聞き流して、職員室を後にした。
そして教室へ戻ると、みんなが楽しそうに話している輪の中へと入った。
「あっ、帰ってきた!ねぇフレイくん。先生になんて言われたの?」
ライラは俺が帰ってきて早々に尋ねてきた。
「別に、大した話ではありませんよ。以前フォージー夫人から、王宮専属の魔法使いとして推薦されたのですが、正式な推薦状が今日届いたみたいです。」
「凄いよフレイくん!王宮専属の魔法使いって、卒業生でもなれるのは一握りなのに。」
「在学中に推薦がもらえるなんて、さすがセージャ様の甥ね。」
「へへっ。新・勇者パーティの1人として誇らしいぜ。」
タクトはまるで自分のことのように、得意げな顔をしている。
「僕は王宮専属の魔法使いになるつもりはないので、推薦試験なんて面倒くさいだけですけどね。」
「うわぁ、羨ましいな。僕もそんなこと言えるくらい、魔法の才能が欲しいよ。」
「ホリーは万年、バリアしか使えねぇからな。」
「ホリーくんとライラさんは、もう少し魔法の練習をした方がいいですよ。」
「ハハハ、手厳しいこと言うね。」
そんな他愛もない会話をしていると、ふとレオンと取り巻き連中が視界に入った。
そうだ、いいこと思いついた。
俺はレオン達に近づくと、連中は汚物でも見るかのような目で俺を睨んできた。
「おやぁ?そこにいるのは由緒正しい貴族のレオン卿ではないですか。」
レオンは露骨に不機嫌になって舌打ちをした。
「半分平民ごときが、俺様に何か要でもあるのか?」
「いいえ、別に。ただ、ちょーっとした報告がありまして。」
「報告?」
「はい。実は僕、フォージー夫人から推薦状を頂いたのです。『王宮直属の魔法使いにならないか』って。僕にも推薦状が来るぐらいですから、当然、レオン卿にも推薦状が届いていますよね?」
「クッ...!」
レオンは悔しそうに歯を食いしばって目線を逸らす。
おおよそ、俺が言おうとしていることが想像ついているのだろう。
「あれれ~?もしかして、誰からも推薦状をもらっていないのですか?半分平民ですら推薦がもらえたのにレオン卿には推薦が来ないんですか?おかしいですねぇ?何かの手違いでしょうか~?」
俺はここぞとばかりに煽り倒した。
コイツの悔しそうな表情は、相変わらず笑える。
すると後ろから、ライラが腕を引っ張ってきて止めようとしてきた。
いつもは俺とレオンのやり取りに我関せずのライラが、わざわざ口を挟もうとするのは珍しい。
「フレイくん、クドージンさん....じゃなくてレオンくんは、あえて推薦をもらわないようにしているんだよ。」
ライラは俺の耳元で、そう囁いた。
そうか。みんなはレオンが宮藤迅だと誤解しているのだった。
「レオンくんは私達に正体がバレたくないから、あえて実力を抑えているんだよ?それを逆手に取って、レオンくんより成績が良くなって見下すのはズルいよ。」
百歩譲ってアイツが実力を隠していたとしても、そんなこと、知ったこっちゃない。
「推薦がもらえて良かったじゃないか、半分平民。」
なぜか突然、レオンはさっきまでの悔しそうな顔から一変、堂々と偉そうな態度で話し始めた。
「推薦をもらったからには、何としてでも合格しないとなぁ。でないとフォージー夫人の顔に泥を塗ることになるぞ?」
偉そうに、俺に煽り返してきやがった。
「ってか、この前の実技テストで尻尾を巻いて逃げたフレイくんが、推薦試験で合格できるの?」
追随するように、取り巻き共も俺を馬鹿にして嘲笑う。
この前の実技テストは記憶喪失だったとはいえ、コイツらに馬鹿にされるような結果を残してしまったのは不愉快だ。
「推薦すらもらえない皆さんと違って、僕は優秀ですからね。推薦試験で合格するなんて簡単ですよ。」
コイツらに舐められたままにはしておけない。
試験は仮に合格しても辞退できるから、合格だけしてこれ以上調子に乗れないようにしてやろう。
....いや、待てよ?
確か、理由があってわざと試験に落ちる予定だった気がする。
どんな理由だったっけ?
ま、忘れたということは、大した理由じゃないのだろう。
とりあえず俺は、その日から推薦試験の勉強を始めた。
◆◆◆
放課後。
その日、俺達取り巻き一同は、レオン様の部屋に集まって半分平民の悪口で盛り上がっていた。
「本っ当にアイツ、調子に乗ってますよね!」
「思ってた通り、推薦状が来た途端にレオン様に突っかかって来ましたね。あぁ、アイツ、試験に落ちればいいのに。」
「レオン様が敢えて本気を出していないのをいいことに、好き放題しすぎですよね。アイツがレオン様の実力を知ったら、どんな顔をするか見てみたいです。」
「....まぁな。」
おや?レオン様の様子が少し変だ。
いつもだったら怒りながら一緒にフレイを罵るのに、今日はそこまで怒っていないように感じる。
「レオン様、どうかいたしましたか?」
「いや、大したことではない。あの半分平民の推薦試験は、どっちに転んでも俺様にとって都合が良いと思ってな。」
「どっちに転んでも、ですか?」
「そうだ。奴がもし落ちたら、奴のプライドを折ることができる。」
「ですが、受かったら?」
「その時は、奴はこの学校を卒業して、いなくなる。」
なるほど!
確かに推薦試験に合格すれば、フレイは王宮専属の魔法使いになって、自動的にこの学校から出て行く。
目障りなアイツを二度と視界に入れずに済むのなら、その方がずっと良い。
「さすがです、レオン様!そこまで考えていらっしゃるとは。」
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