転生魔王の正体は?ーー厄災の魔王は転生後、正体を隠して勇者の子どもや自称悪役令嬢を助けるようですーー

サトウミ

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第25話:ソラトリク様

【115】ソラトリク様(2)

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「サラの、正体....?」
俺達は固唾を呑んで、リクの話を聞いた。

「話は少し長くなるが、俺とソラがこっちの世界に来た時の話からしよう。アンタらは勘違いしているが、俺はニホンとかいう世界からやってきた人間ではない。俺とソラがいた世界は、別の世界だ。」

日本以外にも、この世界と繋がっている異世界があったのか?
思わず質問したくなったが、とりあえず一旦は口を挟まずに話の続きを聞いた。

「俺達がいた世界は『トゥーフー』と呼ばれていた。トゥーフーにはこの世界のような、国や貧困、差別といった概念はほぼ存在しなかった。そういった概念は、数千年前に世界中の国が一つにまとまって、人間の生活の全てを機械が管理するようになったお陰で、ほとんど無くなったからだ。だからこの世界に来る前までは、そういった前時代的な考えを持つ人間の存在が信じられなかった。」

「何それ、嫌味?この世界が嫌なら、自分達の世界に居ればいいだろ。」
ゼルはリクの説明に不快感を示す。

「不愉快な思いをさせてすまない。俺達がいた世界について説明したかっただけなんだ。俺達がいた世界じゃ、衣食住の全てが機械任せで、働く必要もなかった。交友関係も機械が管理してくれるから、人と人とが争うことなんて殆どなかった。人類みんなが、幸せに暮らすことのできる理想的な世界だったんだ。」

「衣食住どころか交友関係まで機械が管理するのは、なんだか健全ではないような気がしますね。」

「そうか?ま、それは置いといて。つまり俺が何を言いたかったかというと、トゥーフーはこの世界より何倍も技術が発展していたってことだ。」
だろうな。
話を聞く限りじゃ、この世界どころか日本よりも技術力が高そうだ。

「トゥーフーでは、肉体と魂に根源がある奴がいた。といっても、全員がそうだったわけじゃない。肉体だけにある奴、魂だけにある奴、肉体と魂の両方にある奴、と様々だった。当時の俺は肉体と魂の両方に根源があったが、ソラはどちらにも根源が存在しなかった。」

「肉体にも魂にも根源が無い人が存在するのですか?そのような人々は、どのように命属性の魔力を体内に取り入れているのでしょうか?」

「詳細な仕組みは俺にもわからない。肉体に根源のない者は、魔力を必要としない身体だった、ということくらいしか説明できない。だからこそ肉体に根源の無い者は、龍脈が枯渇した土地でも生存することができるのだと聞いたことがある。」

ということは、肉体に根源の無い奴は死の大地に入っても平気なのか?
もしこの世界の奴らが、肉体に根源が無かったら、龍脈を封印しても誰も死ななかったのだろう。
それを考えた途端、忘れようとしていた不快感が再び強くなった。
セージャ叔母さんの話を聞いた時に抱いた不快感。

....今はリクの話に集中しよう。
俺はその不快感を、無理矢理、頭の隅へと追いやった。

「ソラは肉体にも魂にも根源が無かったからか、魔法に対する強い憧れがあった。使えやしないのに誰よりも魔術について学んで、楽しそうだった。俺はそんなソラとは反対に、肉体にも魂にも根源があったが、魔法には全然興味がなかった。でもソラが楽しそうに魔法について語るもんだから、いつしか俺も、ソラに付き合って魔法を使うようになった。

ソラがお願いする度に魔法や魔術を使ってやっていたからか、俺もいつしかある程度魔法や魔術が使えるようになっていた。...あの頃は楽しかったなぁ。」

「リクくんにとって、ソラちゃんは大切な友達だったんだね♪」
「あぁ、今でも友達さ。ちなみにソラは男だぞ。ま、今は男かどうかはわからないが。」
性転換している可能性があるのかよ!

「そんなある日、ソラは魔術を使ったある研究を始めた。ソラ曰く、その研究は龍脈の魔力を利用するから、俺の力は必要ないらしい。その時に開発したのが『異世界移動装置』だった。」

「異世界移動装置?」

「そうだ。その装置があれば、トゥーフーとは異なる世界、つまりこの世界やニホンと呼ばれる世界へ移動できる予定だった。だが異世界移動装置はまだ未完成の状態だった。」

「ありゃ。もしかして未完成の状態で使っちゃった、とか?」
「その通り。だが、アレは事故だった。あのタイミングで使う予定じゃなかったんだ。」

「一体、何があったのですか?」

「異世界移動装置は異界穴を開けれたが、世界網は完全に取り除くことはできなかった。それでも、世界網の網目を緩めるところまでは成功していて、小動物程度だったら無傷で移動できそうなくらいには網目が広がっていた。

だけど開発途中に大きな地震が起こったせいで、異世界移動装置は倒れて壊れてしまった。その時、装置の近くにいた俺とソラは、倒れてきた異世界移動装置に飲み込まれて、こっちの世界に来てしまった。」

「えっ、それって大丈夫だったの?世界網が張ってあったんだったら、身体がバラバラになったんじゃ...?」
「その通りだ。俺とソラの身体は、無理矢理こっちの世界に来たせいでバラバラになった。死を覚悟した俺はその時、慣れない回復魔法を使って、バラバラになった俺達の身体を元に戻そうとした。だが思ったように魔法が発動しなかった。」

「ってことは、死んだのか。」
「いいや、何とか生き延びることはできた。だけど回復魔法に失敗して、俺とソラの身体は融合してしまった。」

ソラとリクの身体が融合?
ソラとリクが一つに?
ソラトリク。
もしかして.....。

「アンタらは、聖ソラトリク教が崇めるソラトリク様の像を見たことはあるか?」
「あぁ~!あの頭が2つあるアレね♪」
「あの姿こそが、融合してしまった俺達の姿そのものだ。」

「ってことは、お前らの正体はソラトリク様ってことか?!」
「そうだ。俺達もまさか神として讃えられるとは、思ってもみなかった。しかも当時から何度も『ソラとリクだ』って自己紹介していたのに、結局『ソラトリク様』として名前を一括りにされてるしな。」

「ソラトリク様って本当にいたんだ。てっきり教会の連中が作った偶像だと思ってたよ。」
「今の教会に、俺達の存在を信じている奴がどれだけいるかはわからないが。だけど教会にある俺達の像はよく出来ているぞ。ちなみにあの像の男前な顔の方が俺で、女みたいな顔の方がソラな。」

あの像、結合双生児にしては顔が似ていなかったり、身体が歪だったりしたのは、そんな理由があったからなのか。

「リクさん、この世界に来た後は、どうなったのですか?」
「俺達はその後、元の世界に帰るために異世界移動装置をこっちの世界でも作ろうとした。でも、当時のこっちの世界は未開の地で、装置を作るための材料が一切集まる気配がなかった。だから少し離れた場所にある集落に住んでいた人達の協力を得ようとした。

こっちの世界の言葉は、賢いソラが早く理解してくれたお陰で、数年で日常生活に困らないレベルになった。
それで彼らと話しているうちに、彼らは魔術どころか魔法の使い方すら知らないことが分かった。
だから俺とソラで、魔法と魔術を教えてやった。その見返りに、住まいを提供してもらったり、俺達の装置開発も手伝ってもらったりした。」

「その辺りの話は聖ソラトリク教の話と一致するな。確か魔法や魔術を教えてもらった人達が、弟子入りしたり教団を作ったりしたんだよね?」
「その通りだ。」

「じゃあ、リクさん達の姿や魔法を恐れた人々が、貴方を殺したというのも本当?」
「あぁ。そのせいで俺とリクはこの世界で初めて死んだんだ。教団も意外と本当のことを伝えているだろ?」

「でしたら、死後4000年経った時に、天の国から再び降臨した話は本当でしょうか?」
「それは嘘だな。降臨も何も、俺はずっとこの世界にいたし。」

「ということは、天の国のマークも嘘ですか?」
「あぁ、あれも嘘。初めてそのマークの話が出た時は『何だよコレ』って大笑いしたな。」

「じゃあ、『この地上には悪の申し子が蔓延っているから奴らを排除しろ』っていうのも、嘘?」
「それも嘘だ。というか、教団は亜人のことを『悪の申し子』だとか言っているが、そもそも教団がソレを言い出すまで、この世界には『亜人』という概念は存在しなかった。」

「亜人が存在しなかった?それって、どういうこと?」
ゼルは亜人だからか、その話が気になったようだ。

「言葉通りの意味だ。教団が言い出す前は、人型の魔物はいても『亜人』とは言われなかった。それが、俺達が再び降臨したとか噂になっていたのと同じ時期に『亜人』という言葉が出てきて、それから何百年か後に亜人の国がいつの間にかできていた。」

種命地のマークが使われて始めた時期と、亜人の存在が出てきた時期が同じなのは、偶然か?
それとも種命地は、亜人と何か関係があるのか?

「....ワケがわからない。」
リクの話に、ゼルは頭を抱えて困惑した。

「ちなみにさ、『異教徒にその叡智を教えるのはソラトリク様への裏切り行為』とか、『力を得るための犠牲は異教徒であれば許される』とか、色々ある教えも全部嘘だったりするの?」

「もちろんじゃないか。そこら辺の教えは、後の時代の人間が都合よく追加した戯言だ。むしろそれらの教えは、俺達や最初に教団を立ち上げた人間に対する冒涜だと思っている。」
「なるほどな。教団の言うことは嘘ばっかりだな。僕は今の聖ソラトリク教団が大嫌いだけど、昔はまともな団体だったんだね。」

「そう言ってもらえると有難い。今の教団は俺でも手に負えないからな。でなきゃ、教団に捕まるなんて間抜けなことになるはずがない。」
そりゃそうだ。
教団の奴らも、教祖様を捕まえたことに気づかないなんて、馬鹿な連中だ。

「ところで話は戻すけどさ、キミ達が死んだ後は、一体どうなったワケ?」
「俺達は死んだ後、この世界の人間に別々に転生した。」
まぁ、死んだら普通、転生するよな。

「そこからだ。永遠に続く拷問が始まったのは。」
「あれれ?どうしちゃったの?」

「最初に転生した先は奴隷だった。そこでは僅かな食料しかもらえず、朝から晩まで働かされて、倒れたり休憩したら鞭打ちの刑にされた。そんな生活の末に、大人になる前に倒れて死んだ。

次に転生した先は、貧しい農家の家だった。長年の不作で食べ物が不足する中、朝から晩まで畑仕事をした。だけどその努力も虚しく、相変わらず作物は育たず、ついには食べるものがなくなって飢え死んだ。

その次に転生した先では、産まれてすぐに母親に殺された。母親は痩せこけていたし、恐らく俺を育てるだけの食料がなかったから殺したのだろう。

その次は....。」

「待って待って!ちょーっとストップ!その話、どれだけ続くの?」
「今に至るまで永遠に。」

「『今に至るまで』って、具体的には?キミ、あと何回転生したの?」
「100回を超えたあたりから、何回転生したかとか覚えていない。」

「ひゃ、100回以上も、ですか?!」
「そういえば聖ソラトリク歴って、リクさん達がこの世界に来た年を元年としているんだよね?ってことは聖ソラトリク歴の年数分、転生し続けているってこと?」

「その通りだ。ただ、聖ソラトリク歴の元年と、俺達がこっちの世界に来た年には数十年程度誤差はあるけどな。」
今年で聖ソラトリク歴10365年だから、数十年誤差があったとしても1万年はこっちの世界にいることになる。
そんなに長い間転生を繰り返していたのだと想像すると、気が遠くなりそうだ。

「そういえば、ダイフク会長が言ってたね。『異世界から来た魂は記憶がリセットされないから、死んで転生してもずっと記憶を引き継いでしまう』って。」

「なんだ、アンタらも知っていたのか。俺がその事に気づいたのはソラと再び会った時だった。あの時のアイツは俺の母親だったな。で、お互い再会を喜んだ後に、色々話し合ったんだ。この時、ソラも俺と同じように死と転生を繰り返していたことを知った。それでソラは、ある仮説を立てた。それが『異なる世界の魂は、死後記憶が消去されない』という説だった。」

この時、ふとダイフク会長との会話を思い出した。

『永遠であることが素晴らしいとは限らない。』
『終わりが救いになる場合もある。』

ダイフク会長が恐れていたことは、こういうことだったんだな。

「ねーねー、話、戻してもいい?」
するとシヴァは話の流れを変えるように質問をした。

「リクくんさ、さっきサラの正体に心当たりがあるって言ってたけど、それってもしかして....。」

「察しの通り、俺はサラという女の正体は、ソラの生まれ変わりだと思っている。」
『やっぱりな』と言わんばかりの表情を浮かべて、シヴァは納得した。

サラが異常に魔術に詳しい理由も、異界穴を開けることに固執していた理由も、サラがソラの生まれ変わりなら合点がいく。
サラ、もといソラが根源のある魂を探していたのはきっと、リクと再会したかったからだろう。

「すみません、シヴァさん。先程からずっと引っかかっていたことがあるのですが...。」
「センガちゃん、なぁに?」
「ダイフク会長の現世での兄弟という方も、確かソラさんじゃなかったでしょうか?」

それだ!
どこかで聞いたことのある名前だと思ったら、そういうことか。

「センガちゃん、ナイス!これでサラの全貌が見えてきたよ。サラは今、ダイフク会長の兄弟に転生して、ダイフク会長の下で異界穴研究をしている。そうでないとダイフク会長は異界穴研究どころか、転生しても記憶が消されない事実にも気づかなかっただろうしね。で、ザボエルはサラ経由でダイフク会長と接点を持つようになったんだ。」

「ちょっと待て。ソラは今も、異界穴研究をしているのか?」
「うん。ボクの読みが外れてなかったらね。」

「そうか、アイツは諦めてなかったんだな。その異界穴研究は、どこまで進んでいるんだ?」
「さぁ?ボクら、ダイフク会長と話す機会がそこまで無いからわかんないや。」

「そういえば会長と前に話した時、理論的には異界穴が開けられるって言ってたな。でも元の世界と繋がっている龍脈は、今は封印されて死の大地にあるから行けないとも言ってた。」

「そうか。....だったら、やっぱりあの時、全部封印されていたら良かったじゃないか。」
「はぁ?なんの話だ?」

「ほら、前に厄災の魔王とやらが世界中の龍脈を封印した事件があっただろ?あの時、俺はアイツを心の底から応援していたんだ。龍脈が全て封印されてこの世界から生き物がいなくなったら、もう転生しないで済むからな。今みたいに龍脈が中途半端に残ってしまって、本当に残念だ。」

マジで何言ってんだ、コイツ。
言葉で表せないような怒りが湧くのと同時に、『俺が怒るのは見当違いだ』と冷静になる俺もいる。
リクは俺を非難していない。むしろ応援している。
それなのに、なんでこんなに不愉快な気持ちになるんだ?

「だったら一生、テメェは宝石の中で眠っていろよ。」
「あぁ。そうしてもらえたら助かる。俺はもう、転生するのに疲れた。」

俺は望み通り、リクの宝石にかけた魔法を解いて、元の宝石に戻した。

「あーっ!ちょっとクドージンくん、勝手に切らないでよ!」
「うっせぇ。どうせコイツから聞きたいことは全部聞けたんだろ?」
「まぁ、それはそうだけどさぁ~。」

シヴァは文句を言いながらも、渋々承諾して宝石を大事に箱の中へとしまった。
そして用が済んだ俺は、そのまま学校の寮へと帰った。
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