転生魔王の正体は?ーー厄災の魔王は転生後、正体を隠して勇者の子どもや自称悪役令嬢を助けるようですーー

サトウミ

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第26話:短期留学

【122】短期留学(7)

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カフェで解散して、女どもと別行動になった後。

俺は、タクトとゼルとアランと一緒に、ゲーミングビルへとやってきた。

ゲーミングビルには、アーケードゲームはもちろん、個室でスマドのゲームができるスペースや、多種多様なスポーツが楽しめるエリアなどがあった。
その広さと充実具合は、ニホンアイランドにあったポップカルチャービルを軽く凌駕している。

ゲーミングビルはドーワ侯国内に数店舗あるようだが、俺達はその中でも最も大きい本店へとやってきた。
建物に入ってすぐのところにあったアーケードゲームで、俺達はしばらく遊んでいた。

「クソッ!またフレイの一人勝ちかよ!」
「フレイくん、無駄に鈍器の達人が上手だね。」
「鈍器の達人は、前に結構遊んでいましたからね。このくらい、余裕です。」

日本にいた頃にかなりやり込んだゲームだから、初めて遊ぶ3人より上手くて当然だ。
スマドのゲームも面白いけど、やっぱりアーケードゲームの方が遊び慣れてて楽しい。

「あーあ。フレイが強すぎて白けちまう。8階のボウリングしに行こうぜ。」
「いいね。賛成!」
「俺はどこでも構わない。」
「はは、仕方ないですね。いいですよ。ボウリングでも。その前に僕、飲み物を買ってきてもいいですか?」

「それじゃあ、ついでに俺のもよろしくー!俺、コーラな。」
「僕はエナジーアクアQ1000で。」
「俺はコーヒーを頼む。勿論、ブラックだ。」
「はいはい、わかりましたよ。」

「じゃあ俺ら、先に8階で受付しとくな。」
そう言って、3人はエレベーター、もといテレポーターを使って8階へと移動した。
俺は地下1階の売店に行って、頼まれた飲み物を買いに行った。

「えっーと....コーラ2つと、ブラックのコーヒーと、エナジー...何だっけ?」
ゼルに頼まれていた飲み物の名前が思い出せない。
あぁクソッ、もう少しで思い出せそうな気がするのに。

「エナジーアクアQ1000か?」
「そう!それだ!」
思い出せてスッキリした。

教えてくれた声の聞こえた方向を振り返ると、そこには威圧的な男達がいた。
そいつらの目は魔人特有の目で、全員黄色いスカーフを身につけていた。

「よぉ、厄災野郎。久しぶりだな。」
「あのー、どちら様ですか?」
男達は俺に見覚えがあるようだが、俺はコイツらのことなんか知らない。

スカーフを身につけていることからして、カラーギャングなんだろう。
俺達の情報がSNSで拡散されているってマイクが言ってたし、それでコイツらは俺のことを知っているのか?
でも『久しぶり』っつってるし、一度はどこかで会ったことがあるのか?

「テメェ、本気で俺らのことを忘れてやがんのかよ!」
「今は別のチームに入っているけどよ、俺達は元々レッドオーシャンだった、っていえばわかるか?」

「あぁ~!タクトくんにボコボコにされた上に、ゲイルさんに潰された、あのレッドオーシャンの人達ですか。」
「一言余計だ!」

「それで、元レッドオーシャンの方達が僕に何の用ですか?」
「はぁ?!これでも思い出さねぇのかよ!クソムカつく!」

「ニホンアイランドのゲームセンターで会っただろ!忘れたとは言わせねぇぞ!」
そうか、思い出した。
ゲームセンターで絡んできて、俺が半殺しにした奴らだ。

「あの時の雑魚の皆さんですか!今日はどうしたのですか?もしかして、あの時あなた達のせいで無駄になった鈍器の達人のゲーム代を返しにきてくれたのですか?」

「はぁぁ?!ふざけんなテメェ!そんなワケねーだろ!」
「今日こそはテメェをぶっ殺してやる!」
「俺らから逃げれると思うなよ!」

周りを見渡すと、黄色いスカーフを身につけたお仲間と思われる男達がゾロゾロいる。
売店の外にも、黄色いスカーフの男が何人か待機していた。

雑魚がうじゃうじゃ群れてウザい。
あの時のようにサクッとコイツらを殺してしまおう。
と一瞬考えたが、俺の中の冷静な自分が待ったをかけた。

売店には店員や客など、俺達以外にも人がいる。
この状況で人を殺したら、店員達に通報されてしまう。
かといって、その後に生き返らせたとしても、俺の魔法に驚いた店員達がSNSで俺のことを拡散したら、みんなに正体がバレる可能性が高い。

そして何より、前のようにコイツらを始末したところで、コイツらはまた懲りずに報復しようと俺の前にくるだろう。

「....わかりました。ここじゃ、他のお客さんの迷惑になりますので、場所を変えませんか?」
「ハッ!物分かりがいいじゃねえか。」
「俺らのアジトに連れてってやる。」
「途中で逃げれると思うなよ?」
「はいはい。大人しくついて行きますって。」

こうして俺は、カラーギャングの奴らに連行される形で、アジトとやらに連れて行かれた。

歩かされること小一時間。
ゲーミングビルから結構離れた場所にある、廃倉庫に到着した。
到着した途端、総長と思わしき一人の大男がこちらに近づいてきた。

「へぇ~。コイツがお前らを倒したって噂のガキか。こんな小せぇガキにやられるなんて、お前ら弱すぎねぇか?」
俺を連行していた男達は、総長らしき大男を睨みながら、近くにいる俺くらいにしか聞こえないくらい小さな声で舌打ちをした。
どうやらコイツらは一枚岩じゃないらしい。

大男は俺の目の前まで来ると、俺の胸ぐらを掴んで持ち上げた。

「こんな奴らでもよぉ、今じゃ俺らのチームの一員なんだよ。だからやられたままだと、チームのメンツが丸潰れだ。とりあえずお前、死んどけや。」

「その前に、質問いいですか?」
「ハッ!時間稼ぎのつもりか?いいぜ、いくらでも聞いてやるよ。どうせ時間稼ぎしたところで無駄だからな。」

「それでは遠慮なく。あなたがカラーギャングの総長っていう解釈で合ってますか?」
「その通りだ。」
「チームのメンバーは、ここにいる人で全員ですか?」
総長の男は周りを見渡してメンバーを確認した。

「そうだな。今日は全員揃ってる。」
「そうですか。でしたら質問はこれで終わりです。」
「もう終わりかよ。思ったより早く、死ぬ覚悟ができたみたいだな。」
「いいえ。死ぬのはあなた方です。」

それだけを言うと、俺はその場にいたカラーギャングの奴らを、1人残らず魔法で捻り潰して殺した。

もちろん、このまま放置するつもりはない。
廃倉庫とはいえ、誰も来ないとは限らない。
万が一誰かがここに入って、衛兵に通報したら、最悪俺が指名手配犯になるかもしれない。

だから俺は、総長の男と話して、もう俺に関わらないように言い聞かせることにした。
バラバラになった肉片から、総長の頭だけを蘇生して会話できないか試してみる。
だけど、頭だけ復元できたものの、死んだまま動かない。

おかしい。
もしかして、魔法失敗か?

そういえば前にシヴァが『ゼルを不死にした魔法は、近くにあった龍脈の魔力を使ったから成功した可能性がある』と言っていた。
ということは、頭だけ生きている状態にするには、俺の魔力だけじゃ無理ってことか?

だったら普通に蘇生するか?
いや、そしたらまた襲いかかってきて面倒だ。
それじゃあ、手足を無くした状態で蘇生するのはどうだ?
俺は試しに、四肢がない状態で蘇生できるか試してみた。
すると、総長の男は目を覚ました。

「....んぁ...ここは?」
「どうやら成功みたいですね。」
「あ?テメェは...?」
「あれ、寝ぼけてますか?僕のこと、覚えてます?」

「はぁ?ざけんな。今すぐぶっ殺して...あれ?」
「無駄ですよ。自分の身体をよく見てみたらどうですか?」
「へ?.....あぁ!うわぁぁぁぁぁ!!!」
総長の男は恐怖で顔が引き攣り、耳が潰れそうなくらいの大声で叫ぶ。

「て、て、テメェ!何しやがった!」
「あなたを一度殺した後に、手足がない状態で蘇生してあげました。一度殺した相手を蘇生してあげるなんて、僕って優しいですよね。」
「ふざけんなテメェ!」
顔を強張らせながらも、総長の男は悪態をつく。

「それより僕、あなた方にお願いがあるんですよね。」
「お願いだぁ?!知るか!誰がテメェの話なんざ聞くか!」
せっかく生き返らせてやったのに、ウゼェ。
俺はため息をつきながら、手刀で男の上半身と下半身を斬り分けた。

「ああああぁぁぁ!!」
「これで言うことを聞く気になりましたか?」
男は顔を青くしながら、首を縦に振った。
このまま死なれたら話ができないし、魔法で上半身と下半身をくっつけてやった。

「聞く気になってくれて良かったです。」
「.....で、話って何だ?」
総長の男は射抜くような鋭い目で、俺を睨みつける。

「そんな怖い顔、しないでくださいよ。僕からのお願いを聞いてくだされば、残りのメンバー全員も生き返らせてあげますから。」
「残りのメンバー?そういえば、アイツらは?」
「みんな殺しましたよ。周りに転がっている肉片とか血が、彼らのソレです。」
男は周りを見渡すと、その光景に悲鳴をあげた。
ってか、気づくの遅っ!

「な、なな、なんてことしやがるんだテメェ!」
「まぁまぁ、とにかく僕のお願いを聞いてくださいよ。それとも、あの肉片に戻りますか?」
男がうるさく抵抗しだす前に、その一言で黙らせた。

「そうそう。大人しく言うことを聞けばいいんですよ。僕からのお願いは、とっても簡単なことですから。」
「何だ。さっさと言え。」

「まず、僕に二度と危害を加えないこと。今日の僕との出来事は誰にも言わないこと。もちろんSNSに投稿するのもナシですよ。それから、今日でチームを解散すること。この3つを守ってくだされば、皆さんを元通りにしてあげますよ。」
「ふざけんな!誰がチームを解散するかよ!」
総長の男は生意気にも、唾を俺に飛ばしてきた。

せっかく俺が慈悲をかけて、生き返らせてやっているのに。
いつまでも反抗的な男の態度に、思わず『このまま殺して帰ろうか』と本気で考えた。
コイツにはもっと脅しをかける必要があるな。

そこで俺は、他のメンバーも全員、四肢がない状態で蘇生させてやった。
生き返った他のメンバー達は、何が起こったのか理解できずに、ぎゃあぎゃあと騒いでいた。

「みなさーん、静かに!聞いてください!」
すると俺に気づいたメンバーは、さらにうるさくして俺にブーイングした。
全然、話が進まない。
俺はメンバーのうちの何人かを、魔法で捻り潰した。

「こうなりたくなかったら、静かに聞いてください。」
すると残りのメンバーは顔を青ざめて、ようやく静かになった。

「僕は今、総長さんにあるお願いをしています。お願いは3つ。皆さんが2度と僕に歯向かわないこと。今日の僕とのやりとりを、SNS含め誰にも知らせないこと。カラーギャングを解散すること。たったこれだけです。

ですが皆さんの総長さんは承諾してくれません。そこで僕は、総長さんが承諾してくれるまで、あなた方を1人ずつ殺すことにしました。」

「はぁ?!」
「ふざけんなー!」
またうるさく騒ぎ出した。
カラーギャングの奴らって、どうしてまともに会話ができないんだ?
コイツら猿か?

「とりあえず総長さん、見てください。」
俺は総長の男の肩を叩くと、メンバーの1人を指差した。

「いーち。」
「ぎゃぁ!」
カウントを始めると同時に、指差していた奴を捻り殺す。

「にー。」
「ぅぐはっ!!」

「さん。」
「ぅわあぁぁ!!」

「しー。」
「ああああぁ!!」
俺は1人ずつ指差しながら、カウントと同時に殺していった。

「待った!待ってくれ!約束するから、それ以上はやめてくれ!」
総長の男はようやく、話を聞き入れたようだ。

「やっと理解してくれましたか。」
俺は約束通り、連中を、手足を含めて元通りにしてやった。
と同時に、総長の男が突然、俺を勢いよく殴ってきた。

「バーカ!誰がテメェの言うことを聞くかよ!」
近くにいた他のメンバーも、俺に殴りかかろうとする。

コイツら、マジでウゼェ!
俺はもう一度、全員まとめて魔法で文字通り粉々にしてやった。
そしてさっきと同様に、四肢がない状態で蘇生する。
俺は総長の男の頭を掴んで、睨みつけた。

「馬鹿はあなた方でしょう?僕に歯向かったら殺されるって学習できないんですか?あなた方の知能は猿以下ですか?それとも、この先一生、今の姿のままにしましょうか?」
「わ、悪かったって。冗談だよ冗談。今度はしないからさ、ハハハ....。」

信用できるか。
俺は一応、全員を元通りにしてやったが、それと同時に俺との約束を破ろうとしたら身体が爆発するよう、魔法をかけてやった。
すると案の定、コイツらは元に戻ってすぐに爆発して死んだ。

そんなコイツらを俺が蘇生して元通りにする。
そして再び生き返ったコイツらは、また歯向かって爆発する。

それを何回か繰り返すうちに、俺に逆らえないと悟ったのか、誰も俺を殴ろうとしてこなくなった。

「やっと理解できたみたいですね。それじゃあ、僕はもう帰ります。」
俺はカラーギャング達にそう言うと、廃倉庫から出た。

アイツらのせいで、今日はもう疲れたな。
スマドで時間を確認すると、寮の門限が迫っていた。
まずいな。

しかも不在着信とメールが何件か来ている。
メールを確認すると、タクトから「俺らは先に帰る」と連絡が入っていた。
アイツら、裏切りやがって。

俺は慌てて、寮へと戻った。
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