転生魔王の正体は?ーー厄災の魔王は転生後、正体を隠して勇者の子どもや自称悪役令嬢を助けるようですーー

サトウミ

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第28話:世界大戦

【137】世界大戦(1)

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学校の終業式が終わって、数日経ったある日。
この日は、俺の16歳の誕生日だ。

実家へ帰省していた俺は、家で誕生日パーティをすることになった。
例年だったらタクトやライラ、カタリーナあたりも招待して盛大に祝っていた。
今年だって、何事もなければホリー達も招待していたかもしれない。

でも今の世界情勢的に、みんなを招待するのは難しい。
だから家族だけで祝ってもらうことになった。


ライトニング領は、キメイラ帝国・ドーワ侯国・キョウシュー帝国の、3つの国々と接している。
だからもし世界大戦になった場合、ライトニング領は最前線になるだろう。

各国は戦争の準備をしているというニュースを頻繁に聞くし、SNSでも国や人種を問わず義勇兵を志願する投稿が相次いでいる。
ライトニング領の国境付近にも、国から防衛のために派遣された兵士達が、武器を装備して戦争に備えていた。

世界大戦はいつ始まってもおかしくない。
そのせいか、家の中の空気がピリついている。

そんな状況で誕生日パーティなんかしている場合か?と父さん達に聞いたら、『そんな状況だからこそ精神的に参らないためにも、いつも通りのことをするべきだ』と言われた。
今の情勢で『いつも通り』というのは無茶がある。

だけど逆にいい機会かもしれない。
この機に、父さん達に自分の正体を明かそう。

世界大戦が始まったら、俺は戦争を止めるために死ぬ。
俺の正体を知らずに勝手に死んだら、きっと父さん達は俺が死んだことに気づかずに延々と探し続けるだろう。
無駄なことをさせないためにも、戦地に赴く前にちゃんと説明する必要がある。

世界大戦が始まったら....。
そのことを考えていたら、ふとタクト達から宮藤迅宛てで貰ったメッセージカードとブレスレットのことを思い出した。

そういえば、まだメッセージカードを読んでいなかったな。
俺は机の引き出しにしまっていたプレゼントの袋を取り出して、その中に入っていたメッセージカードを読んでみる。
どいつもこいつも書いてる内容は、いつもの会話の延長線のような、ありきたりな文章だった。
だからこそメッセージを読んでいると、今でも何気ない日常が続いていて、これからもそれが続いていくかのような錯覚に陥りそうになる。

メッセージカードと一緒に入っていたブレスレットも、試しに左手につけてみた。
ダサいダサいと思ってはいたが、つけてみてもやっぱりダサい。
こんなにダサいと、今後一生つけることはないだろう。

「フレイ様、中庭の準備が整いました。」
使用人が俺の部屋の扉をノックして、迎えに来た。

「はい。今、行きます。」
俺は部屋から出て、パーティ会場である中庭へと向かった。

◆◆◆

中庭での誕生日パーティは、まるで戦争が始まりそうとは思えない程に能天気な空気に包まれていた。

「フレイも、もうすぐ2年生になるのか。」
「時が経つのは早いわよねぇ。」
「この1年、色んなことがあったよな。」

「ホントにね。フレイがなんだかんだで、楽しそうに学校に行ってくれて嬉しいわ。」
「夏休みの時なんか、もう学校に行かなくなるんじゃって心配したくらいなのにな。」
「そんなことも、ありましたね。」

いつもするような下らない会話も、今はとても恋しく感じる。

「武闘会のバトルロワイアルで優勝した時は驚いたな。光のせいで何も見えなかったけど、とりあえず大丈夫そうで本当に良かった。」
「そういえば武闘会の時、クドージンのガラケーの壁紙がカタリーナちゃんだったことがあったよな。あぁ~、あの時のこと思い出しただけで永遠に笑える!」

「えっ?アニス、フレイ、それってどういうこと!?」
「兄さんの勘違いですよ!あの後、ガラケーの持ち主は別人だったって判明しましたし。」
「あら、そうなのね。」

「王宮専属の魔法使いの推薦状が来た時は、驚いて顎が外れるかと思ったぞ。まぁ、フレイは学校での成績も良いし、来るかもしれないとは思ってたけど。」
「でも落ちたんだよな。お前、マジで何やらかしたの?」

「何もやらかしてませんよ。筆記試験の結果が良くなかっただけです。」
「そうなの?よっぽど難しい内容だったのね。セージャがいたら、勉強を教えてもらえたんだけどね。」

セージャ叔母さん、と聞いて、舞踏会でのことを思い出した。
母さんが涙ながらに語ったあの日。
自分の罪の重さを、初めて自覚したあの日。
....俺が厄災の魔王だって知ったら、母さんはどんな反応をするんだろう。

「....父さん、母さん、兄さん。」
「ん?」
「はい?」
「なんだ?」

「大事な話があります。」
すると、さっきまでの緩んだ空気が一気に引き締まった。

「実は....。」
「実は?」
言おうとしたものの勇気が出なくて、なかなか言い出せない。
長い沈黙が続いたあと、俺は意を決して口を開いた。

「僕が10歳の時に、ここに現れた厄災の魔王って覚えていますか?アレ、実は僕だったんです。」
俺はまるで冗談を言うかのように、ふざけたように笑いながら正体を明かした。

....が、3人とも何故か気まずそうに苦笑いしている。
もしかして、嘘だと思われてるのか?

「なぁ、フレイ。落ち着いて聞けよ?実はな...。」
兄さんは真剣な顔つきで、俺の目を見て話した。

「俺も、父さんも母さんも、ずっと前からお前の正体を知ってた。」
「はぁ?!」
え、知ってた??
想定外の答えに、頭が真っ白になった。

「な、なんで...?」
辛うじで出たのは、その一言だけだった。

「何でって、お前も俺の特殊魔法を知ってるだろ?それで知ったんだよ。逆にお前、俺にステータス見られたら正体バレるとか思わなかったのか?」
「特殊魔法?ステータス?」

「やっぱり、そこまで想像できてなかったか。まぁ、そういうところがお前らしいな。」
小馬鹿にされてイラっとしたが、兄さんの説明を聞いた。


「お前が生まれたばかりの頃、俺は特殊魔法を使ってお前のステータスを確認したんだ。そしたら魔力量も魔力コントロールも化け物級でさ。あの時ほど驚かされた日はなかったな。

なんせ魔力量が人間や魔物より龍脈に近いんだぜ?お前人間かよ!ってツッコみたくなったな。しかも根源が2つあるし、第七の属性の魔力が使えるし、特殊魔法が死者蘇生だし、どれだけイレギュラーな存在なんだよって小一時間問いただしたくなったな。

それだけでもチートだけど、魔力コントロールが驚異の100%って。家庭教師や学校の先生だって40%超えてたらかなり優秀な部類だぞ?何の努力もせずに100%とかチート通り越してズルすぎて殴りたくなったわ。

っつーか、龍脈並の魔力量で魔力コントロール100%って、実質魔法使いたい放題じゃん!
下手したら新世界の神になれるぞ?
ここまでパワーバランス考慮できてないレベルのチート能力は、異世界モノの小説の主人公くらいしかいねぇよ!」


ワケのわからない単語も出てきたが、要するに俺が凄いってことか。

「で、それがどうかしたのですか?」


「あぁ、悪ぃ悪ぃ。少し脱線したな。要するにお前のステータスって、一目でお前だって分かるくらいチートなわけよ?

だから中庭で、初めてお前が厄災の魔王として現れた時、ステータスを見て一瞬でフレイだって気づいたワケ。
ってか、お前みたいな化け物級のステータスの人間が、2人もいてたまるか。

でもお陰で納得したよ。お前が、アホの書いた異世界小説の主人公レベルでチートだったのは、前世がラスボスだったからなんだな。」


異世界小説だかチートだかは知らないが、とにかくステータスを見られたせいで気づかれたのは理解した。
でも、まだ分からないことがある。

「母さんは、どうして...。どうして僕の正体を知っていたのに、僕を憎んだりしないのですか?」
「えっ?なんで?」

「だって、僕のせいで....僕が龍脈を封印したから、セージャ叔母さんが修道院に行くことになってしまったじゃないですか。」
「あぁ、それね。」

母さんは俺に気を遣ってなのか、俺の問いかけに戸惑っていた。

「フレイが龍脈を封印したのは確かだし、救えなかった罪悪感からセージャが修道院に行ったのも本当よ?でも、セージャが修道院に行ったのは、全部あなたのせいだとも思えないのよ。もちろん、あなたは全く関係なかったとも思わないけどね。」

「じゃあ、母さんは今、僕のことをどう思っているのですか?」
「そんなの、決まっているじゃない!」

母さんは俺の頭を撫でると、満面の笑みで答えた。

「あなたは、大切で大好きな、自慢の息子よ。」
躊躇いもなくストレートに言われると、なんだか小恥ずかしい。
昔の俺だったら、偽善的で薄っぺらい言葉に感じたかもしれない。
でも今は、不思議と母さんの言葉をすんなりと受け入れられる。

「ところで、なぜ僕の正体を知っていたのに、みんな黙っていたのですか?」
「そりゃあ勿論、フレイが自分から打ち明けてくれるのを待っていたからさ。お前だって、俺達に正体を知られたくなかっただろ?だから知らないフリをしていたのさ。」

「それにフレイが小さい頃は、あなたの正体を知っていることを悟られないように必死だったわ。何となく直感だけど、もし小さい頃に正体が知っていると気付かれていたら、フレイがウチからいなくなってたような気がして...。」

小さい頃にもし正体を知られていたら、俺はどうしていただろうか?

小さい頃は、父さんも母さんも兄さんも、たまたま家族だっただけのヤツだと思っていた。
勇者どもに復讐するまでの間はこの環境を利用しようと思っていたし、何なら胸糞悪いくらい幸せなこの家族もいつか潰そうとも考えていた。

そんな時に、もし正体を知られていたら?
俺は間違いなく、こんな家を捨てていただろう。
下手をすれば父さん達を惨たらしく殺していたかもしれない。

「確かに、母さんの言う通りかもしれません。」
「やっぱり、そうだったの?良かったわ、フレイが出ていかなくて。」

「そんなフレイが、自分から正体を打ち明けてくれるなんて、感慨深いなぁ。父さん、嬉しいぞ!」
「フフフ、そうね。母さんも嬉しいわ。こんな気持ちになるのは、フレイが私を助けてくれた時以来かしら?」

「それって、いつの話でしたっけ?」
「フレイが5歳の頃よ。ほら、領の山を散歩していた時、ドラゴンに襲われた私を助けてくれたでしょ?」
「あぁ、そんなこともありましたね。」

....ん?ちょっと待て。
あの時のことは、ドラゴンは俺じゃない誰かが倒したって誤魔化したはずだよな?
それでも母さんは俺が倒したと思ったってことは...。

「母さんはその頃から、僕の正体を知っていたのですか?」
「えぇ。そうよ?」
「父さんも母さんも、兄さんから僕の正体を聞いて気づいたんじゃないのですか?」

すると父さん達は、どこか気まずそうな顔をして視線を逸らした。

「ねぇ、フレイ。その~.....それ、どうしても、知りたい?」
「はい。」

「できれば、言いたくないんだけど....。ただの勘だけど、言ったらとても良くない気がするというか。」
「....いや、フレイだって俺達に正体を明かしてくれたんだ。ここで俺達も正直に言わなかったら、筋が通らないだろ。」
「っ!...それもそうね。」

父さんと母さんは意を決したように、理由を話し始めた。


「フレイ、できれば怒らずに聞いてくれよ?

フレイが産まれる前、母さんはな、『この子は厄災の魔王の生まれ変わりなんじゃないか』って直感が働いたらしい。
母さんは日に日に、その事が気がかりで不安を募らせていたんだ。
でも母さんの直感は鋭いから、俺も『気のせいだ』なんて言えなくてさ。

だったら、生まれてから俺の特殊魔法を使えば、厄災の魔王かどうか分かるんじゃないかって思ったわけだ。」


「父さんの特殊魔法、ですか?」

「あぁ。俺の特殊魔法は『記憶探知』。....相手の記憶を覗ける魔法だ。」
「えっ、じゃあ...。」

「お前が生まれた時、お前の記憶を覗かせてもらった。それでお前が、厄災の魔王の生まれ変わりだって気づいたワケだ。」
「僕の記憶を....って、どこまで覗いたんですか?!」

「....割と全部だ。お前がニホンって世界で暮らしていたことも、死んでこの世界に来たことも、厄災の魔王になった経緯も、全部な。」
俺の記憶を、全部?
俺の、惨めで屈辱的で、誰にも触れられたくないあの記憶を、全部見たのか?
あまりの不快感に、視界がぐにゃりと歪んだ気がした。

....そうか。
父さんと母さんが、俺に優しくする理由が分かった。
厄災の魔王クズの俺に愛情をかけてくれていたのは、単に俺の過去に同情していたからだ。
厄災の魔王クズの俺を無下にしなかったのは、俺がまた悪事を働かないように更生するためだ。

要するに、ここは少年院と同じだ。
社会のゴミ同然の子供をしてやって、これ以上社会に迷惑をかけないように矯正する。
社会にとって都合のいい人間に更生して欲しいから、それに必要な情けを施す。

母さん達の愛情は、同情と改心を期待する気持ちから生まれたものだったんだ。

....まぁ、そうだよな。
そういう気持ちがなけりゃ、誰も俺みたいにクズな息子に愛情をかけねぇよ。
むしろ、俺の正体を知った上で大事に育ててくれた両親は、かなり優しい方だ。

それは頭では分かっている。
だけど....。
無条件で愛されたかったなぁ.....。

「父さん、母さん。今まで、ありがとうございました。」
「....え?」

「たとえ同情でも、改心させるためでも、大切な家族として受け入れてくれて嬉しかったです。僕は、この家に生まれて幸せでした。」
皮肉ではなく、心の底からそう思うからこそ、自然と笑顔になった。
だけど父さん達は、俺の言葉に戸惑っている様子だった。

そんな時、家令が慌てて中庭へとやってきた。

「当主様、大変です!」
「どうした?」
「キョウシュー帝国が、ライトニング領に侵攻してきました!」

とうとう、戦争が始まったか。
丁度いいタイミングだ。

「それじゃあ、僕はもう行きます。今まで、本当にありがとうございました。」
「あっ!待ってフレイ!行かないで!」

俺は母さん達の制止を振り切って、一人で戦地へ赴いた。
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