42 / 44
消された記憶
しおりを挟む
中庭でレディーナと話していると、後ろからアンサム様が現れた。
彼の手には赤黒い本があることから、彼がこの本で私達の頭をコツンと叩いたのだろう。
アンサム様は珍しく眼鏡をかけていない。
そのせいで見えにくいのか、目を瞑っているのかと思うくらい細めていた。
「痛ぇな。何すんだよ、アンサム」
「すみません。呼びかけても反応がなかったので、つい」
「アンサム様が裸眼で歩かれているなんて珍しいですね。どうされたのですか?」
「それが、眼鏡がどこかに消えてしまったので探しているのです。お二人とも、どこかで見かけませんでしたか?」
「まぁ! それは大変ですね。私は見かけませんでしたが、レディーナは?」
「私も知らない。一緒に探そうか?」
「いえ、結構です。これ以上、お二人の会話の邪魔をしたくはないので。要件はそれだけです。失礼しました」
アンサム様は聞きたいことだけを聞くと、さっさと立ち去ってしまった。
「アンサム様の眼鏡、見つかるといいですね」
「だな」
「ところで、さっきの話の続きですが……何の話をしていましたっけ?」
「ジュリーの好きな人の話だよ!」
聞き直して少し後悔した。
せっかく話が逸れたのだから、そのまま無かったことにしておけば良かった。
「単刀直入で聞くけど、お前の好きな人って……もしかしてユミルか?」
レディーナは含み笑いをしながら尋ねる。
だけど聞き覚えのない名前が出てきて、私は頭にはてなマークを浮かべて眉を顰めた。
「その表情、図星か?」
「いえ。レディーナ様、その『ユミル』という方はどなたですか?」
「はぁ? 何の冗談だよ」
私の質問に、レディーナは笑いながら眉間に皺を寄せた。
「いくら誤魔化せないからって、『ユミルを知らない』っつう設定は無理あるだろ」
「設定も何も、本当に聞き覚えのない人物なのですが」
「アホ抜かせ! だったらお前の中でこの国の第二王子は誰なんだよ。生徒会長は? この前私と会った時に一緒にいた人物は?」
「この国の第二王子ですか? 第一王子はアベル殿下で、第三王子はカイル殿下で、その間が第二王子ですよね? ……あれ? どなたでしたっけ?」
そんな重要人物、忘れようがないのに思い出せない。
レディーナの言い方からして、その人物は生徒会長で、この前彼女と一緒に会ったことがある人のようだ。
だけど生徒会長の姿も思い出せない。
同じ生徒会役員だから、絶対に顔見知りなはずなのに。
他の役員は全員思い出せるのに、生徒会長の顔だけは、いくら記憶を捻り出そうとしても出てくる気配すら感じられない。
ジュリーの姿でレディーナと会った時にもいた人物のようだけれど、あの時、タマモ様とヒヒさん以外にも誰かいたかしら?
必死に記憶を巡らせてみても一向に思い出せず、無言の状態が続く。
「お前、本当に大丈夫か? どうしてもユミルを思い出せないんだったら、直接本人に会うか」
「えっ、その方に会えるのですか?」
「アイツは生徒会長だからな。生徒会室に行けば会えるだろ」
確かに、それは一理ある。
第二王子で生徒会長でもあるのに、一切記憶に残らない人物って、一体どんな人だろう?
私とレディーナは、ユミルという方に会うために生徒会室へと移動した。
◆◆◆
レディーナと一緒に生徒会室に着くと、中にはなぜかカイル殿下しかいなかった。
「あっ。ジュリー嬢に……レディーナ様!? 今日はどうされたのですか?」
殿下はレディーナがいることに、目を丸くして驚いた。
「レディーナ様は私に聞きたいことがあったようで、先程まで質問を受けていました。それよりカイル殿下は、なぜこちらに? 他の方は?」
「それが、僕が来た時には誰もいなかったんだ。アンサムが先に来ていると思ったんだけど、彼すらいなくて」
「アンサムだったら、さっき中庭で見たぞ」
「眼鏡を無くされたようで、探していました」
せっかくユミルという方に会いに来たのに、当てが外れた。
もしかすると生徒会長の記憶がない理由は、今みたいにタイミングが悪くて会う機会が少なかったから、なのかもしれない。
「あ~あ、折角ジュリーとユミルを会わせようとしたのに。間が悪いな」
「ユミル兄上と? どうしてですか?」
「実はジュリーが、ユミルが誰か忘れたみたいでさ」
「え?」
カイル殿下は眉を顰める。
「ジュリー嬢、本当に兄上を思い出せないの?」
「はい、申し訳ありません。第一王子であるアベル殿下は記憶にあるのですが、第二王子殿下はどなただったか記憶にございません」
「……本当なのかい?」
何度聞かれようと、覚えていないものは仕方ない。
「な? コイツ、おかしいだろ? だからユミルに会えば嫌でも思い出すかと思ってさ」
「ユミル兄上以外に忘れた人はいないの?」
「わかりません。そもそも、忘れたつもりもないため、仮に他に忘れている方がいらしても自分では気づけないかと思います」
「だったら、他の生徒会メンバーは?ジャズさんやアンサムは、分かるよね?」
「はい、勿論です」
「ブーケさんやキャリーさん、ロックくん……あとご両親やお二人のお兄様は?」
「覚えています」
「本当に、忘れているのはユミル兄上だけなのか?」
私の反応に、レディーナもカイル殿下も、頭を抱えている。
「ユミル兄上の記憶だけが抜け落ちるなんて、不自然じゃないか? つい昨日までは普通に話していたし、それまでの間に何かがあったとしか思えない」
昨日もユミルという方と話していたの?
それなのに忘れているなんて、流石に自分の記憶力を疑わざるを得ない。
「なぁ、ジュリー。記憶が消えた理由に心当たりはねーのか? 例えば階段から落ちたとか、頭に何かをぶつけたとか」
「いえ。昨日と今日で、怪我をするような出来事は特にはありませんでした」
強いて言えばアンサム様が本を頭にぶつけてきたことくらいかしら。
だけど、あの程度で記憶が消えるはずがないわ。
「だったら、悪魔憑きの能力で消された……とか?」
「その可能性は考えられますね。ですが、悪魔憑きと遭遇した記憶は……あれ?」
そこでふと気がついた。
悪魔憑きって、どんな姿をしていたのだっけ?
悪魔憑きにされた人のことや、悪魔憑きが怒りによって生まれることは覚えている。
だけど過去の戦った記憶を振り返っても、悪魔憑きの姿だけがすっぽりと記憶から抜け落ちている。
「すみません、悪魔憑きはどのような姿をしているのでしたっけ?」
「お前なぁ、そんなことも忘れたのかよ」
レディーナは物忘れの激しい私に、呆れてため息をついた。
「悪魔憑きの見た目はだな……その……あれ?」
「どうかしましたか?」
「悪魔憑きって、どんなんだっけ?」
レディーナも覚えていないの?
賢者二人が悪魔憑きの記憶があやふやだなんて、非常事態だわ。
「まさかレディーナ様まで記憶を失っているとは。悪魔憑きの記憶を二人揃って無くすなんて、都合が良すぎます。本当に悪魔憑きの仕業かもしれませんね」
カイル殿下の言葉に、思わず息を呑む。
賢者二人に気づかれずに記憶を消す手強い悪魔憑きに、私は思わず鳥肌が立った。
「ちなみに悪魔憑きは、赤と黒を基調とした姿をしています」
「赤と黒?」
「それって、ジュリーのことか!?」
レディーナは疑念の目で私を見た。
私自身、自分を疑ったが、昨日以降で怒った記憶がないから違うはずだ。
「いえ。ジュリー嬢の姿は悪魔憑きとは関係ありません。むしろ悪魔憑きの特徴が彼女と一致しているために、彼女はいつも誤解を受けるのです」
なるほど、だから私はいつも怖がられてしまうのね。
「そっか。ならジュリー以外で赤と黒っぽい奴か…誰かいたか?」
「いえ。見ませんでした」
「私もです」
「だったら、悪魔憑きと違うんじゃねえか?」
「悪魔憑きが記憶を消せるのであれば、私達と会った時に記憶を消しているのではないでしょうか? だから記憶にない、という可能性もあります」
「確かに、仮にそうだとしたら厄介な相手だね。最悪な事態を考慮して、悪魔憑きを探した方がいいんじゃないかな」
「だな。じゃあ私は念の為、悪魔憑きを探してくる! ジュリーとカイルは、もし見つけたら私に教えてくれ!」
「はい」
「わかりました」
こうして私達は生徒会室を出て、悪魔憑き……もとい、赤と黒っぽい姿をした人を探し始めた。
彼の手には赤黒い本があることから、彼がこの本で私達の頭をコツンと叩いたのだろう。
アンサム様は珍しく眼鏡をかけていない。
そのせいで見えにくいのか、目を瞑っているのかと思うくらい細めていた。
「痛ぇな。何すんだよ、アンサム」
「すみません。呼びかけても反応がなかったので、つい」
「アンサム様が裸眼で歩かれているなんて珍しいですね。どうされたのですか?」
「それが、眼鏡がどこかに消えてしまったので探しているのです。お二人とも、どこかで見かけませんでしたか?」
「まぁ! それは大変ですね。私は見かけませんでしたが、レディーナは?」
「私も知らない。一緒に探そうか?」
「いえ、結構です。これ以上、お二人の会話の邪魔をしたくはないので。要件はそれだけです。失礼しました」
アンサム様は聞きたいことだけを聞くと、さっさと立ち去ってしまった。
「アンサム様の眼鏡、見つかるといいですね」
「だな」
「ところで、さっきの話の続きですが……何の話をしていましたっけ?」
「ジュリーの好きな人の話だよ!」
聞き直して少し後悔した。
せっかく話が逸れたのだから、そのまま無かったことにしておけば良かった。
「単刀直入で聞くけど、お前の好きな人って……もしかしてユミルか?」
レディーナは含み笑いをしながら尋ねる。
だけど聞き覚えのない名前が出てきて、私は頭にはてなマークを浮かべて眉を顰めた。
「その表情、図星か?」
「いえ。レディーナ様、その『ユミル』という方はどなたですか?」
「はぁ? 何の冗談だよ」
私の質問に、レディーナは笑いながら眉間に皺を寄せた。
「いくら誤魔化せないからって、『ユミルを知らない』っつう設定は無理あるだろ」
「設定も何も、本当に聞き覚えのない人物なのですが」
「アホ抜かせ! だったらお前の中でこの国の第二王子は誰なんだよ。生徒会長は? この前私と会った時に一緒にいた人物は?」
「この国の第二王子ですか? 第一王子はアベル殿下で、第三王子はカイル殿下で、その間が第二王子ですよね? ……あれ? どなたでしたっけ?」
そんな重要人物、忘れようがないのに思い出せない。
レディーナの言い方からして、その人物は生徒会長で、この前彼女と一緒に会ったことがある人のようだ。
だけど生徒会長の姿も思い出せない。
同じ生徒会役員だから、絶対に顔見知りなはずなのに。
他の役員は全員思い出せるのに、生徒会長の顔だけは、いくら記憶を捻り出そうとしても出てくる気配すら感じられない。
ジュリーの姿でレディーナと会った時にもいた人物のようだけれど、あの時、タマモ様とヒヒさん以外にも誰かいたかしら?
必死に記憶を巡らせてみても一向に思い出せず、無言の状態が続く。
「お前、本当に大丈夫か? どうしてもユミルを思い出せないんだったら、直接本人に会うか」
「えっ、その方に会えるのですか?」
「アイツは生徒会長だからな。生徒会室に行けば会えるだろ」
確かに、それは一理ある。
第二王子で生徒会長でもあるのに、一切記憶に残らない人物って、一体どんな人だろう?
私とレディーナは、ユミルという方に会うために生徒会室へと移動した。
◆◆◆
レディーナと一緒に生徒会室に着くと、中にはなぜかカイル殿下しかいなかった。
「あっ。ジュリー嬢に……レディーナ様!? 今日はどうされたのですか?」
殿下はレディーナがいることに、目を丸くして驚いた。
「レディーナ様は私に聞きたいことがあったようで、先程まで質問を受けていました。それよりカイル殿下は、なぜこちらに? 他の方は?」
「それが、僕が来た時には誰もいなかったんだ。アンサムが先に来ていると思ったんだけど、彼すらいなくて」
「アンサムだったら、さっき中庭で見たぞ」
「眼鏡を無くされたようで、探していました」
せっかくユミルという方に会いに来たのに、当てが外れた。
もしかすると生徒会長の記憶がない理由は、今みたいにタイミングが悪くて会う機会が少なかったから、なのかもしれない。
「あ~あ、折角ジュリーとユミルを会わせようとしたのに。間が悪いな」
「ユミル兄上と? どうしてですか?」
「実はジュリーが、ユミルが誰か忘れたみたいでさ」
「え?」
カイル殿下は眉を顰める。
「ジュリー嬢、本当に兄上を思い出せないの?」
「はい、申し訳ありません。第一王子であるアベル殿下は記憶にあるのですが、第二王子殿下はどなただったか記憶にございません」
「……本当なのかい?」
何度聞かれようと、覚えていないものは仕方ない。
「な? コイツ、おかしいだろ? だからユミルに会えば嫌でも思い出すかと思ってさ」
「ユミル兄上以外に忘れた人はいないの?」
「わかりません。そもそも、忘れたつもりもないため、仮に他に忘れている方がいらしても自分では気づけないかと思います」
「だったら、他の生徒会メンバーは?ジャズさんやアンサムは、分かるよね?」
「はい、勿論です」
「ブーケさんやキャリーさん、ロックくん……あとご両親やお二人のお兄様は?」
「覚えています」
「本当に、忘れているのはユミル兄上だけなのか?」
私の反応に、レディーナもカイル殿下も、頭を抱えている。
「ユミル兄上の記憶だけが抜け落ちるなんて、不自然じゃないか? つい昨日までは普通に話していたし、それまでの間に何かがあったとしか思えない」
昨日もユミルという方と話していたの?
それなのに忘れているなんて、流石に自分の記憶力を疑わざるを得ない。
「なぁ、ジュリー。記憶が消えた理由に心当たりはねーのか? 例えば階段から落ちたとか、頭に何かをぶつけたとか」
「いえ。昨日と今日で、怪我をするような出来事は特にはありませんでした」
強いて言えばアンサム様が本を頭にぶつけてきたことくらいかしら。
だけど、あの程度で記憶が消えるはずがないわ。
「だったら、悪魔憑きの能力で消された……とか?」
「その可能性は考えられますね。ですが、悪魔憑きと遭遇した記憶は……あれ?」
そこでふと気がついた。
悪魔憑きって、どんな姿をしていたのだっけ?
悪魔憑きにされた人のことや、悪魔憑きが怒りによって生まれることは覚えている。
だけど過去の戦った記憶を振り返っても、悪魔憑きの姿だけがすっぽりと記憶から抜け落ちている。
「すみません、悪魔憑きはどのような姿をしているのでしたっけ?」
「お前なぁ、そんなことも忘れたのかよ」
レディーナは物忘れの激しい私に、呆れてため息をついた。
「悪魔憑きの見た目はだな……その……あれ?」
「どうかしましたか?」
「悪魔憑きって、どんなんだっけ?」
レディーナも覚えていないの?
賢者二人が悪魔憑きの記憶があやふやだなんて、非常事態だわ。
「まさかレディーナ様まで記憶を失っているとは。悪魔憑きの記憶を二人揃って無くすなんて、都合が良すぎます。本当に悪魔憑きの仕業かもしれませんね」
カイル殿下の言葉に、思わず息を呑む。
賢者二人に気づかれずに記憶を消す手強い悪魔憑きに、私は思わず鳥肌が立った。
「ちなみに悪魔憑きは、赤と黒を基調とした姿をしています」
「赤と黒?」
「それって、ジュリーのことか!?」
レディーナは疑念の目で私を見た。
私自身、自分を疑ったが、昨日以降で怒った記憶がないから違うはずだ。
「いえ。ジュリー嬢の姿は悪魔憑きとは関係ありません。むしろ悪魔憑きの特徴が彼女と一致しているために、彼女はいつも誤解を受けるのです」
なるほど、だから私はいつも怖がられてしまうのね。
「そっか。ならジュリー以外で赤と黒っぽい奴か…誰かいたか?」
「いえ。見ませんでした」
「私もです」
「だったら、悪魔憑きと違うんじゃねえか?」
「悪魔憑きが記憶を消せるのであれば、私達と会った時に記憶を消しているのではないでしょうか? だから記憶にない、という可能性もあります」
「確かに、仮にそうだとしたら厄介な相手だね。最悪な事態を考慮して、悪魔憑きを探した方がいいんじゃないかな」
「だな。じゃあ私は念の為、悪魔憑きを探してくる! ジュリーとカイルは、もし見つけたら私に教えてくれ!」
「はい」
「わかりました」
こうして私達は生徒会室を出て、悪魔憑き……もとい、赤と黒っぽい姿をした人を探し始めた。
1
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
『完璧な王太子』アトレインの婚約者パメラは、自分が小説の悪役令嬢に転生していると気づく。
このままでは破滅まっしぐら。アトレインとは破局する。でも最推しは別にいる!
それは、悪役教授ネクロセフ。
顔が良くて、知性紳士で、献身的で愛情深い人物だ。
「アトレイン殿下とは円満に別れて、推し活して幸せになります!」
……のはずが。
「夢小説とは何だ?」
「殿下、私の夢小説を読まないでください!」
完璧を演じ続けてきた王太子×悪役を押し付けられた推し活令嬢。
破滅回避から始まる、魔法学園・溺愛・逆転ラブコメディ!
小説家になろうでも同時更新しています(https://ncode.syosetu.com/n5963lh/)。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる